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【黒と影】のススメ①

黒と影が夢をくるむなら目隠しを
『黒と影』作詞・作曲 :清春 / 編曲:三代堅&黒夢

一見さんには厳しい?

2014年1月29日にリリースされた黒夢通算8枚目、且つ2011年の再結成後
2枚目となるアルバム。
2014年は黒夢メジャーデビュー20周年の年でした。
この年には武道館公演、地獄ノ三夜公演、フェスへの出演、そして現時点では最後のロングツアーも開催。
黒夢、そして黒夢のファンにとって非常に充実した年でしたね。
なのでそんな祝うべき年にリリースされたオリジナルアルバムなのだし、きっと老若男女全てのROCKファンにとってありがたいアルバムと思いきや…
「そう簡単に分かってたまるか!!」と気安く大衆に迎合しないのが黒夢(清春)クオリティ。
正直言うと良さを理解するのに時間のかかるアルバムです💦
この文を書いてる今では大分耳と脳と体に馴染んできましたけれど、作品に込められた意味を理解出来ているかというと相当アヤしい…😅

上記に引用している歌詞のフレーズ通り、作品に込められたメッセージや音の魅力を真黒な目隠しで覆いこんでいる様なアルバムです。
アルバムリリース前にシングル化されている『ゲルニカ』とアルバム表題曲である『黒と影 』をはじめとしたメロディアスナンバーもあれば、『I HATE YOUR POPSTAR LIFE』や『CLARITY』みたくLIVEをイメージさせるパンキッシュナンバーも収録されている。
こう書くと曲のバラエティに富んだアルバムと思いきや…
いざ聴くと以前のアルバム程にはメロディはそんなに前面に出ておらず、ボーカルと演奏含めて各々の曲の世界観を噛み締めていく感じ。
3.『I HATE YOUR POPSTAR LIFE』や4.『CLARITY』の流れはLIVEを彷彿させる程にファストな展開ですけど、それ以降は全体的にミディアムな展開。
歌詞も「テールライト、アイライン、明るい黒」みたく比喩を多用しており、耳から通したサウンドを脳内で映像化するなりしないと理解するのは困難。

まぁ清春さんの歌詞は基本的に比喩を多用しており、どの曲も一読した程度で理解出来る様な代物ではありませんけど…😅
あと出来れば雑誌のインタビューを読み込んでいた方が良いかも。

特にこれといったキャッチーな曲があるのではなく、全曲を一通り回を重ねて聴く。聴く度に【黒と影】に満ちた闇が徐々に明らかになるといったところでしょうか。

少なくとも…

・直球型の”エモさ”を求める
・LIVEみたいな激しいノリを期待
・YouTubeでシングル曲の動画見て黒夢を初めて知った

上記(特に3番目)に当てはまる方にはちょっと厳しいアルバムかな…

イメージとしては短編を一纏めにしたオムニバス小説といったところかな。
実際曲ごとにサポートメンバーの面子はおろか、人時さんも使用しているベースを変更していますし。
何度も聴く程に曲ごとに音の微妙な違い、グルーヴ感、歌詞のニュアンスが徐々に分かってくる。
「仄暗い日陰の中でも微妙に光が差してくる」
私的にはそんなイメージも浮かんできて、とっつきにくさに比例して長く味わえるアルバムかと思います。

一見さんでも…

基本的にこのアルバムは歴の長いファン向けのアルバムだと思ってます。
黒夢は勿論、SADS・ソロも聴いている方に向けての。

とはいえ余程ROCKが苦手じゃなければ、老若男女問わず多くの人に聴いて頂きたいと思うのも事実。
一見さんへのハードルが高いからこそ、ハードルを超えられた時の嬉しさもひとしおですからね♪

それに聴いてみて歌詞の意味やらが理解出来なかったとしても

「なんかよく分からないけど…」

格好いい!!」
or
「ますます黒夢が気になってきた!!」

と思えたのであれば、その時点で黒夢(清春さん)の深~い沼に片足突っ込んでると思って間違いないです(笑)
ヴィブラートの効いた清春さんのボーカルと主張しつつも曲のボトムを確実に支えている人時さんのベースは一見さんだろうとそう思わせるだけの個性を放ってますからね♪

【黒と影】をきっかけに黒夢への関心が更に深まり、別のアルバムも聴いてみる。その後で再び【黒と影】を聴いて、改めて良さに気付く。
遠回りした分、そのアルバムと長く付き合えるのであればリスナー及びアーティストにとって非常に尊い事だと思いますし。

【黒と影】= 黒蜥蜴 ?


ちなみにアルバムタイトルの【黒と影】は同名の表題曲の歌詞に”黒蜥蜴”という単語があります。

「蜥蜴の尻尾は切られた時に一度だけ再生する」
「よって二度目の再生は無い」

その理屈に繋げてか「二度目の再結成は無いので、【黒と影】は再結成後の最後のアルバムにするつもりで制作した」いう旨を雑誌MASSIVEのインタビューで清春さんが仰ってました。

しかし”黒蜥蜴”のニュアンスは他にもあるかなと思います。
江戸川乱歩氏の作品にも【黒蜥蜴】という小説がありますしね。
内容は”黒蜥蜴”と呼ばれる女怪盗と名探偵明智小五郎の頭脳戦ですが、その小説そのものをインスパイアしている感じではなさそう。
【黒蜥蜴】は所謂ミステリー小説、読みながら先の展開を推理して楽しむのが醍醐味と言われています。

ミステリー小説を読むが如く、
『アルバムを聴きつつ、歌詞に込められたメッセージも推理しながら楽しんでほしい』
【黒と影】というアルバムタイトルには、そんなニュアンスも込められているのかなと想像しています。
なので推理小説やサスペンスが好きな方にもお薦めなアルバムかもしれませんね♪

ここから先は私なりの【黒と影】の解釈(感想)を述べていきたいと思うのですが、長くなってきてるので次の記事にしたいと思います😅

ここまで読んで頂いたユーザーの方には大変感謝です♪

※<【黒と影】のススメ②>へ続きます
(書き上がるのは早くとも2日後になるかも)


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