目標なんか無くたって幸せ
先日コーチングクライアントさんから「目標設定が苦手です」とご相談を頂いた。
目標を設定した途端、「やらなきゃ」という気持ちが芽生えてしんどくなるとのことだった。
実は僕自身も目標設定には苦手意識がある。
目標を立てたものの全然やる気でなくて全く実行できない。
それどころか立てた目標とのGAPにひたすら自己嫌悪、ということを繰り返してきた。
目標設定は好きではないどころか、個人的にはかなり嫌いである。
そんな話をしたら、「コーチはみんなガンガン目標志向かと思ってたので意外」という反応をもらった。
そんなことから自分なりに「目標」という概念について掘り下げて考えてみたい。
目標至上主義の社会
「目標を持とう!」
誰もが人生で何回も言われたことがある言葉ではないだろうか。
目標を持つことは絶対に良いことである
という暗黙のコンセンサスが社会にはあるように感じる。
拡大成長が良しとされる資本主義社会においては、現状維持は許されにくく、目標を持って常に向上することが求められる。
ビジネスでもスポーツでもダイエットでも必ず目標設定が求められる。
・今期売上○○億円達成
・今年の目標は全国ベスト8
・半年以内に20キロ痩せる
のように。
しかし目標なんてなくても楽しく生きられる人はいっぱいいる。僕も現在は特に目標なんか持たずに割と楽しく生きている。
反面目標が無いことや、立てた目標を達成できないことに自己嫌悪している人もいっぱいいると思う。
変わりたいのに本当は変わりたくい人間
人間は、現在がどれだけ不都合であり、どれだけ頭では「変わりたい」と願っていても、無意識は変わりたくないと思う面倒ないきものである。
それは生存本能による作用が大きい。
現在この瞬間生存できている
この事実があるからこそ、今後も生き延びるには、現状維持を継続することが最適であると脳が自然とシミュレーションをしてしまう。
新しいことを始めたり、新しい場所に出向くことは、生存を脅かす可能性が増えることを意味する。
クリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)という言葉がある。
何かを新しく始めようと思った時、上司から新しい仕事を依頼された時などに、「でも、、」「○○というリスクが、、」のようにやらなくて良い理由をクリエイティブに発明した経験は誰もがあるのではないだろうか。
人によって濃淡はあれど、基本的に人は変わることが本当に難しい。
同時に前進することも楽しい
現状維持を強く望むと同時に、できないことができるようになったり、前進を感じられると楽しさを感じるのが人間だ。
どっちやねんという矛盾を抱えてるのがなんとも人間らしい。
現状維持マインドを打ち破り、前進の喜びを得るためにやはり目標設定が機能することは多いと感じる。
要は目標設定も使い方次第ということだろう。
目標とうまく付き合うには
「目標を立てなくては…」という囚われに苦しんでる人は、そもそも目標を立てなきゃならないという決まりや義務なんて存在しないということを頭に置いておいてほしい。
あくまで自分の人生がより楽しくなったり、より充足感を感じられるための手段として機能するなら採用すれば良いだけという話だ。
繰り返しになるが僕は「目標」という言葉があまり好きではない。
目標には数値化して拡大成長を目指すという前提が含まれているように感じる。
また、数値化する以上、結果をコントロールできる前提に立ちすぎている気がする。
完璧にコントロールできないことを、さもコントロールできると勘違いし、執着が生まれる気しかしなく、あまりテンションが上がらない。
もちろん僕がそうというだけであり、数値目標を置いてそれが効果的に機能する人はどんどん採用すれば良いと思う。
例えば「売上5,000万」「フォロワー1万人」のような数値の結果目標にテンションが上がらない人は、数値化するとしても結果指標でなく、自分でコントロールしやすいプロセス指標を置くと良い。
「毎月30件訪問」「毎日3ツイート」「毎日30分走る」のように。
肝心なのは極力自分のアクションだけでどうにかなることを設定することだ。そうすれば他者への執着は発生しない。
また、僕は主にコーチングセッション時には、目標でなくゴールという言葉を使うようにしている。
コーチによってはゴールも
・今の10倍の売上を上げる
・100個の事業を立ち上げる
のような数値目標を置くと思うが、僕は数値化が好きでないし効果的に働かない人も一定以上いると思うので、状態(being)で設定することが多い。
そこでのゴールとは「そんな世界に生きられたら最高だな」「そんな瞬間を沢山味わえたら最高だな」という状態(being)のことだ。
僕は人間の価値観や、人生や生き方について掘り下げて考えたり、探求することが大好きなので、
「他者との深い対話や哲学や歴史などを通じて生き方を探求しまくり、人生の充足感を最大化する」
というゴールになる。
今やっているコーチングもこのゴールに向かっていると強く感じられるから夢中になれている。
抽象的と感じる人もいるかもしれないし、数値化しないことに違和感を感じる人もいるかもしれない。
数値化が必要なことは沢山ある。数値化できないといけていけないし、自分自身数値化の恩恵を受けまくってることは間違いない。
ただやみくもに数値の拡大を目指す目標には、資本主義社会のルールの中で勝ち負けを競うという純粋でない部分を感じてしまい、どこかテンションが上がらないだけだ。
そして数値目標が好きなひと、うまく機能する人はどんどん数値化すれば良いと思う。
反対に何でも数値化してコントロールしたくなる社会に違和感を感じる人は、数値化できないことを大切にし、数値化できないことで自分を満たしたり、自分の原動力とすることを心からオススメする。
まとめ
人間は生存本能から現状維持を強く望んでしまう。
しかし同時に新しい発見があったり、より知識や経験が深まることに楽しみを見出す生物でもある。
目標設定が苦手な人は、目標設定を目的化せず、自分の人生を充実させるための手段として捉えてみてほしい。
なんとなくストレッチな数値目標を設定してしまうと、それがハマらない人にはただの苦痛でしかない。
プロセス目標にしたり、数値化できない状態のゴールにしたりと、うまく自分がテンションが上がる方法を面白おかしく実験してみてほしい。
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