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Essay

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鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
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2020年8月の記事一覧

エッセー「高城丈二主演のクールなアクションドラマ " プロファイター "」

 " プロファイター "は、1969年(昭和44年)に、日本テレビの日曜日21:30からの、いわゆる「大人の時間」にで放送されたクールなスパイアクションドラマである。  主演は、クールなタフガイ 高城丈二。  主人公の洞門桜は犯罪組織と真っ向から対決するIGPBの秘密捜査官だが、表向きは商業写真家である(プロカメラマンではなく商業写真家。やっぱ昭和の言い回し)。  初代コスモ(当時は最新モデル)に乗り、美女にモテまくる。大人になったらかくありたいという少年の妄想を大きく

エッセー「"忍者部隊月光"の想い出」

 小学生の頃、毎週(確か木曜日の夜7時、フジテレビだったような気がする)欠かさず観ていたのが「忍者部隊月光」である。  当時、日本全国の男子小学生は放課後には背中にプラスチック製の刀を背負い、近所の空き地で「忍者部隊ごっこ」に興じていた。  忍者部隊のメンバーが敵の弾幕を突破する時、スズキのバイクに腹ばいになって乗るのが超カッコよくて、自転車で真似をしてコケた。  余談だが、「腹ばいライディング」は1950年代から60年代初頭に出現した「カミナリ族」(今でいう暴走族)が

エッセー「資生堂 " MG5ヘアトニック "の想い出」

 資生堂の男性化粧品シリーズ ” MG5ヘアトニック ”。  昭和40年代、小学校高学年の男子の間では男性化粧品、中でも整髪料が大ブームだった。  記憶が定かではないが、当時、MG5のヘアトニックが500円くらい、エロイカが700円、ブラバスは1000円近くらいだったような気がする。  ブラバスを使っていれば、それだけでクラスのヒーローだった。  整髪料をつけているかいないかでは女子達のうけも違ったのは事実。  当時なけなしのおこずかいをはたき、よくMG5のヘアトニ

エッセー「リーズナブルな価格ながら高性能 基本を極めた本格的ダイバーウッチ " INVICTA Pro Diver 8926 OB "」

 日常のへビーユースでもへこたれないタフな機械式のダイバーウォッチを物色したところ、条件に合致したうえ価格もリーズナブルな掘り出し物を発見したので早速購入した。  購入したのはスイスの老舗 INVICTA(インビクタ)の " INVICTA Pro Diver 8926 OB " である。因みにOBとは " Original Bezel " の略称。  INVICTA(インビクタ)は1837年にスイス時計産業の中心として知られるラ・ショー・ド・フォンで、創業者ラファエ

エッセー「昭和のレガシー 謎の通販健康器具 "スタイリー"」

 昭和47年頃にテレビでガンガン流れていた「スタイリー」という謎の健康器具のCM。  テレビ通販の第一号(定かではないが)と言われるこのCM、最後に変な外人が出てきて(恐らく社長)、  「アメリカで生れたスタイリー、わたしに電話して下さい、どうぞよろしく!」  と、たどたどしい日本語でアピールすると共にブラウン管にはでかでかと電話番号が映し出される。  このCM、当時は全国の小学校、中学校で大流行。  やたら巻き舌で「わたしに電話してくださ~い!」とやってた。  

エッセー「千葉真一が吠える!伝説のテレビドラマ「ザ・ボディガード」を熱く語る」

 昭和49年(1974年)当時、現在のテレビ朝日は「 NET 」 または「10チャンネル」と呼ばれていた。  その時代、NETは傑出したテレビドラマシリーズを数多く製作、放映していた。  その白眉とも言えるのが「ニヒルな二枚目」天知茂主演のハードボイルド刑事ドラマ「非情のライセンス」、そして今回ご紹介する「ザ・ボディガード」である。  「ザ・ボディガード」は、毎週木曜の午後10時という大人の時間帯に放映され、西村晃(故人)演じる伊達正が率いる警護会社「ザ・ボディガード」

エッセー「アクロバット飛行のスリルをジェットコースターで再現。アブダビ フェラーリ・ワールドの" フライングエース "を体験せよ」

 UAE(アラブ首長国連邦)の首都アブダビ近郊のリゾートエリア "ヤス島"にあるアミューズメントパーク"フェラーリ・ワールド"。フェラーリ・ワールドと言えば、世界最速のジェットコースターとしてその名を世界に轟かす"フォーミュラ・ロサ"があまりにも有名だが、絶叫必至、アドレナリン沸騰のアトラクションとしてフォーミュラ・ロサと人気を二分しているのが最恐のジェットコースター"フライングエースである。  2016年に導入されたこのアトラクションは、愛機の機体にフェラーリの跳ね馬エン

エッセー「” Oh!モーレツ!" 日本の高度成長期に一大旋風を巻き起こしたCM ” 丸善ガソリン100ダッシュ CM”」

 日本のモータリゼーション黎明期の昭和44年、このCMでどれほど興奮したことか。  丸善石油の " 丸善ガソリン100ダッシュ " は、その名の如くオクタン価100を誇る有鉛ハイオクガソリンである。  通過するクルマの風圧でめくれ上がる小川ローザのフレアミニスカート。そこで決めゼリフの " Oh!モーレツ ! " 。このCMに日本全国の男たちは釘付けになった。  当時、学校帰りに小川ローザのポスター見たさに丸善石油のガソスタに通ったものだ。  ちょうどこの頃「猛烈=モ

エッセー「狼達の胃袋」

 食は生命活動の源泉であると同時に、性欲、物欲と共に人間の3大欲求の一つである。  人間、アクティブに動けば動くほど膨大なエネルギーが必要となる。そしてそのエネルギーは摂食行為により体内へと取り込まれる。  作家 大藪春彦が生み出したヒーローたちは食に貪欲だ。彼らの摂食行為は即行動に繋がる。  食べる、戦う、セックスする、膨大なエネルギーを消費する彼らの行動・行為はすべて食により支えられている。 「営業用の大きな冷蔵庫に買ってきた食料の大部分を収めた速見は、帽子とジャ

エッセー「アブダビのフェラーリ・ワールドで世界最速のジェットコースター"フォーミュラ・ロサ "に乗る」

 苦手を克服するために敢えて苦手なことを経験させ、ある種の衝撃ないし身体的ストレスを与えることによって症状の緩解をはかるという" ショック療法 "という方法がある。  その体験をするまで、いわゆるジェットコースターという乗り物が大の苦手だった。  その苦手なジェッットコースターに対する苦手意識を払拭し、逆に今では大好きなものへと変貌させたのが、UAE(アラブ首長国連邦)の首都アブダビにあるアミューズメントパーク" フェラーリワールド "にある世界最速のジェットコースター

エッセー「バットマンのテーマ」

1960年代、世はエレキブーム真っ盛り。 日本全国の若者が「シビレ」まくっていた。 町会のクリスマス会で、近所のイカれた(当時はエレキをやると不良と言われた)お兄さんが演奏するバットマンのテーマを聞いて「いつかは自分も!」と心に誓った。 が、しかし、なんと習い始めたのはバイオリン。おもわず「さだまさしか!」とツッコミを入れたくなる。バイオリンをやればギターが弾けるという、よ~く考えればフェイクな話を信じてしまった自分のミス。親なんか信用するものではない。  これは母親

エッセー「コア・コンピタンス」

 かつて外資系グローバル企業に勤務していた。その当時、経営戦略会議並びにマーケティング会議の場において頻繁に飛び交ったのが「コア・コンピタンス(core competence)」という言葉だ。  コア・コンピタンスとは、簡単に言えば「企業の中核になる強み」を意味する言葉。具体的には、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」並びに「競合他社に真似できない核となる能力」を意味する。  コア・コンピタンスは、ゲイリー・ハメルとプラハラードが1990年

エッセー「備忘録 " モンロー/ノイマン効果 " 」

モンロー効果 円錐形のくぼみ(Hollow charge)を持つ爆薬を後方(円錐の頂点がある方向)から起爆すると、反対側の前方に強い穿孔力が生じる現象。 ノイマン効果 爆轟が進行して金属の内張りに達すると、爆轟波によりライナーは動的超高圧に晒され、ユゴニオ弾性限界を超える圧力に達すると固体の金属でも可塑流動性を持つようになり液体に近似した挙動を示すようになる。 これにより、融着体と呼ばれる金属塊となって前方へ超音速で飛び出していく。 ユゴニオ弾性限界(Hugoniot E

エッセー「伝説のカースタント 西部警察 第104話 " 栄光への爆走 "」

 西部警察 第104話「 栄光への爆破走 」の劇中、犯人の乗るS30型フェアレディZと大門刑事のマシンX(HGC211型後期2000ターボGT-E)が演じたカーチェイスは、日本のカースタント史上に残る伝説的名シーンである。  超絶のドライビングテクニックを持った犯人との熱いカーチェイスは、最後の川越えジャンプをクライマックスを迎える。  飛距離30メートルにも及ぶ大ジャンプに挑戦したのは、西部警察を初めとする数多くのアクションドラマでスタントを担当していた「マイクスタント