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エッセー「アブダビのフェラーリ・ワールドで世界最速のジェットコースター"フォーミュラ・ロサ "に乗る」

 苦手を克服するために敢えて苦手なことを経験させ、ある種の衝撃ないし身体的ストレスを与えることによって症状の緩解をはかるという" ショック療法 "という方法がある。

 その体験をするまで、いわゆるジェットコースターという乗り物が大の苦手だった。

 その苦手なジェッットコースターに対する苦手意識を払拭し、逆に今では大好きなものへと変貌させたのが、UAE(アラブ首長国連邦)の首都アブダビにあるアミューズメントパーク" フェラーリワールド "にある世界最速のジェットコースター " フォーミュラ・ロッサ/Formula Rossa"だった。

 フォーミュラ・ロッサはF1アブダビGPが開催されるヤス・マリーナ・サーキットがあるヤス島にあるアミューズメントパーク「フェラーリ・ワールド」が誇る世界最速のジェットコースターで、ジェット戦闘機と同じ油圧ウィンチシステムにより、約5秒で時速239km/hの最高速度まで加速する。因みに停止からの初期加速は時速100kmに達する。

 フォーミュラ・ロッサのコース長は2.2km(1.4マイル)で、鉄製ローラーコースターの中で6番目に長い。コースの最高最大部の高度は52m、最大落差は51.5mである。

 そんな恐ろしい乗り物に、ジェットコースターが大の苦手の男が乗ってしまったのである。しかも2回も。

 まずゼロからの加速でほぼ息もできず、いきなり最高高度からの落下に恐怖で声も出ず・・・。

 初体験の時は、月なみな言い方だが生きた心地がしなかった。

 しかし、2回目、なんと絶叫をあげて心からスリルを楽しんでいる自分がいるではないか。びっくりである。やはり人間は自分自身でリミットを決めているんだな~、そしてその言い訳として苦手という言葉を使うんだな~とを悟った。

 この体験以降、ジェットコースターが大好きになり、今ではその刺激を求め世界を旅するまでになった。

 やはり何事も体験である。


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