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エッセー「コア・コンピタンス」

 かつて外資系グローバル企業に勤務していた。その当時、経営戦略会議並びにマーケティング会議の場において頻繁に飛び交ったのが「コア・コンピタンス(core competence)」という言葉だ。

 コア・コンピタンスとは、簡単に言えば「企業の中核になる強み」を意味する言葉。具体的には、ある企業の活動分野において「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」並びに「競合他社に真似できない核となる能力」を意味する。

 コア・コンピタンスは、ゲイリー・ハメルとプラハラードが1990年のハーバード・ビジネスレビューVol.168に共同で寄稿した「The Core Competence of the Corporation」の中で初めて紹介され、その後広まった概念である。

 寄稿文の中で、ゲイリー・ハメルとプラハラードは、コア・コンピタンスとは以下の3つの条件を満たす自社能力であると定義している。

①顧客に何らかの利益をもたらす自社能力
②競合相手に真似されにくい自社能力
③複数の商品・市場に推進できる自社能力

 コア・コンピタンスの概念を企業から個人に当てはめた時、自分の場合にはやはり「クルマ」がそれにあたる。

 クルマ雑誌の編集者という自動車産業の取り巻き的存在ではあるが、一般人とは異なり、そのインサイダーとしてほぼ人生の三分の二をクルマと共に過ごし、クルマにより生活の糧を得ていた。

 自分の原点、自分のレゾンデートル、それはやはりクルマであり、スピードであり、メカであり、そしてモータースポーツなのである。

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