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エッセー 「酒の文化を知らずして酒を嗜むべからず」
シャンパンを注文する時にバカの一つ憶えのようにDom Pérignon(ドン・ペリニヨン)と声高に叫び、あたかも金持ちぶっている成金どもは、ドン・ペリニヨンという銘柄名がシャンパンを発明したとされるベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨンにちなんで名付けられたことなど知る由もなかろう。 また、同じく有名なシャンパンブランドMoët & Chandon(モエ・エ・シャンドン)の創業が1743年で、クロード・モエがシャンパーニュ地方からパリまで船積みワイン(つまりケータリングワイン)にしたのがその歴史の始まりであることなど当然知る由もなかろう。 さらに、同じくVeuve Clicquot(ヴーヴ・クリコ)が創業者の息子であるフランソワ・クリコが死去した後、事業を引き継いた未亡人バルブ・ニコル・ポンサンダンに因みに名付けられたことなど知る由もなかろう。因みに"Veuve(ヴーヴ)とはフランス語で未亡人を意味する言葉。 酒は文化である。ただ呑めばいい、ただ酔えばいいという低脳で下品な輩とは同じテーブルにつきたくはない。 人生の貴重な時間、しかも酒という人類が生み出した最高の嗜好品を嗜む際には、その文化を分かち合える最高の仲間とグラスを合わせたい。 それがセクシーでゴージャス、そして知性溢れる情熱的な女性ならなお最高。 そんな素敵な女性とジェイムズ・ボンドも愛飲する英国王室御用達のBollingerを楽しみたい。
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エッセー「追憶のコリン・マクレー」
偉大なる英雄ジミー・マクレーを父に持つコリン・マクレーは、ラリードライバーになるべくしてこの世に生を受けた生粋のサラブレッド、ラリーの申し子である。 かつてコリンはこう語った「ペダルは何でも床まで踏むものだ。」 コーナーは常に真横。その豪快な走りで常にマシンを限界まで攻め立てた。 リタイアか優勝か、典型的な天才肌のドライバー。 何事にも怯まず、果敢に挑戦していゆく姿勢はまさに"ハイランダー" 、スコットランドの誇り至宝であった。 そのコリンが2007年9月15日、自家用ヘリを操縦中に自宅近くで墜落、39歳の若さで急逝した。 突然の悲報に世界中が悲しみに包まれた。 しかし、コリンの豪快な走りは今でも多くのラリーファンの脳裏に鮮明に焼き付いている。 その英雄譚は永遠に語り継がれだろう、孫子の代まで。