見出し画像

エッセー「"運転手"と"ドライバー"の違い」

 運転手とドライバーの違いは?? と尋ねると殆どの人は、「バカじゃね? どっちも運転手じゃん!」と答えるだろう。

 否、違うのだ、そう、違う。両者は決定的に違うのである。

 では、何が違うのか?

 運転手とは「クルマという機械を操作する人間」、ドライバーとは「クルマを操縦する人間」を意味する。

 分かりやすく言えば、運転手=オペレーター、ドライバー=運転者 と換言しても良い。

 それでは、両者を分ける境界線は?

 運転が手段の場合には「運転手」、運転そのものが目的の場合は「ドライバー」である。

 つまり、ドライバーとは、本来クルマの運転そのものを目的とする人間を表す言葉なのである。

 クルマを「操作」するのではなく「操縦」する。これはマインドの問題だ。

 「操作」は学習と経験により習得するもの、つまりスキルである。スキルは経験値の蓄積と共に時間軸に沿って向上する。俗に「運転が上手い」と言われる人がこの分類に属する。

 「運転手」から「ドライバー」に変容を遂げるには、クルマを動かす上での基本である「操作」に加え、自らの能力を遥かに超えるクルマという機械を征服し、自分の意のままにコントロールしたいという男性的なリビドーが不可欠となる。

 そう、狂おうしいまでの征服欲こそが、運転手をドライバーへと進化させる原動力なのである。

 すべては走ることから見えてくる。そして答えは走りの中にある。

 クルマは 「進まない」 「止まらない」 「曲がらない」、この三大真理を悟った時、進化の扉は開かれる

宜しければサポートをお願い致します!