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49.パパ目線の妊娠→出産→育児日記〜その6 死亡フラグの一人帰省〜

中々話が進まないのに、意外と好評なこのシリーズ。
シリーズと言っても、僕のリアルな体験談を書いているだけなので、面白さは各自で見つけてくださいね。


大丈夫です。
今週は進めます。

前回の記事はこちら




妊娠の報告は、親族と普段から毎日の様に顔を合わせる身内にだけ。

妻と2人でそう決めてから、該当する数人にできるだけ対面で報告をし始めたのだが、その反応は三者三様だった。

反射的に何のつっかかりもなく喜びと祝福の気持ちを表す、義妹。
思わぬ報告に面食らい、言葉を詰まらせる、お義母さん。
テンパりすぎて思わず話を逸らす、お義父さん。
口では祝福の言葉を伝えるものの、毎日飲んで遊んでしていた日々が送れなくなるんだろうなと想像し、少し落ち込んだ様子にも見える友人。

残すところは自分の両親である。

3兄弟の長男にも関わらず家族の誰よりも自由奔放で、たまに実家に帰っても自身のプライベートの話を自ら好んで話さない僕のことだから、「孫がでるよ」なんて言っても鼻で笑われ、信じてもらえないのは明白である。

あんたみたいに性格の捻くれた人間、結婚どころか彼女も一生できるわけない

と学生の頃から事あるごとに言われ続け、結婚の報告を取り急ぎ電話でした時も、

本当に?実際に婚約者に会うまでは信用しない

とまで言われた、この安定感すら漂う信頼の無さ。
そしてタチが悪いのが、自分にバッチリとその自覚があることだ。


弟は自分とは違い社交的で、性別問わず友人も多い。いわゆる揚キャラ。
勉強こそ嘘みたいにできなかったが、スポーツはまぁまぁできて身長も比較的高い。
僕は全くイケメンだと思わないが、ルックスは時代に即した塩顔で、確かに中学生の時くらいから彼女がいない時期はなかったと思う。(興味が無いので彼とそんな込み入った話をしたことはないが)

妹は2人の兄の影響で小学生の頃にバスケットボールというものを始め、一番遅くに始めたのに一番ハマってしまい、小中高大とバスケ漬けの学生生活を送ることになった。
恋愛ご法度(知らんけど)というのもあって、家族の食卓にその類の議題があがったことはなかったが、僕のソレとは違って、青春がキラキラしていた。
それに妹の性格はスポーツマンらしく、真面目で純粋で優しく、書いていて恥ずかしくなるくらい自分とは正反対の人間だ。
小顔だし、ちゃんと女の子らしい格好をすれば、いくらでも彼氏などはできたであろう。(僕が知らないだけでずっといたのかもしれないが)


それに引き換え、陰キャラで人見知りで奥手の長男は、彼女を作りたいがためにバスケットボール部に入るというスポーツマンシップのかけらもない人間。

性格は悪いわけでもないと思うが、特段良くもなく、顔は中の下で中肉低背、おまけに剛毛、腰痛持ち、花粉症ときてる。(最近は痔持ちもプラス)
唯一人より秀でていた学歴もサクッとポイ捨てし、お笑い芸人へ転身。
ーと思いきや、それも半端に辞めて伊豆に移住しアウトドア魂を開花。

そんな人間、孫どころか結婚すら疑われて当然だと自分でも思う。

ただ人生とは分からないもので、性別が違っただけの同じような人間がこの世にたまたまいて、運命の悪戯かその2人が出会ってしまったばかりに、兄弟の中で一番先に結婚してしまうようなことが起きるのだ。

これは決して長い尺を使って、兄弟及び読者にマウントを取っているわけではなく、結婚もそうだし妊娠もそうだし、本人も想像しないびっくりするようなスピードとタイミングで人生がスキップしてしまったのだから仕方がない。




そんなことを考えていたら結婚報告の時の記憶が一瞬フラッシュバックし、「また何か嫌味を言われるんだろうな」
と暗い気持ちで覚悟を決めかけた次の瞬間に思い出す。


あ、わし仕事も辞めるんやった

流石に妊娠の報告だけをするわけにもいかないし、転職先もやりたいことも無いまま6年在籍した会社を辞めたなんて浮世離れした報告を、妊娠報告と同じタイミングでやってしまったら、何本雷が落ちるか分からない。
ましてやその報告を電話でサラッと済ませようなんてした日には、次会った時にリアルに何かを頭に落とされそうだ。


そうだ神戸、行こう。

不幸中の幸い、無職でスケジュールが空いていた僕は、どえらい手土産を2つ持って帰省する覚悟を決めた。











大学進学時、親に無理を言って実家を離れ、行かせてもらった東京。
誰の断りもなく建築家になる夢を捨てお笑い芸人になると決めた時の報告は、NSCオーディション合格通知の写メをLINEで送っただけだったなぁ。
(次実家に帰った時に泣きながら怒られました)

ではまた。

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