LEON(1994)
純粋なレオン。だけど、大人の殺し屋。
振り回すマチルダ。だけど、12歳の子供で泣き虫。
レオンがマチルダに服を買ってくる。一生懸命。女の子に服なんて買ったことないようなレオンが選んだんだろう。愛らしい。でもその服には興味を示さないマチルダ。彼女ならレオンが一生懸命選んだことも想像ついただろうに。興味を示さない。
その時実は、レオンは仕事をミスして怪我を負っている。その状態でも買い物に行ったのか。
彼女が暴走し、弟の仇のところに突撃し捕まった。助けに来るレオン。無事助かった後、以前レオンが買ってきてくれてた服をマチルダは着る。
可愛いって言ってくれと言う。ちゃんと、って。
自分が悪いことしたと思っている。それはわかってる。だけど、そこで深まったのは罪悪感ではなく、絆。それを本人はおそらく無意識にわかっている。愛を欲しがった行動ではないけど、結果レオンからの大きな愛を感じたのだろう。
マチルダはレオンから受け取ってばかり。命を助けてもらい、生きる術を教えてもらい、共に歩んでもらっている。一方で彼女は彼を振り回すだけ。でも視点を変えてみると、振り回されるレオンは、マチルダから本当に多くのものを受け取っているのかもしれない。
ビジネス的な対価関係では説明できない。だけど、「振り回す」「ありのままでいる」「依存する」ということは、誰かに何かを与えることにもなり得る。そんなふうに感じた。
わたしはこの映画を観て、レオンがマチルダに服を買ってきて、それを無視されたシーンが一番心に残っている。不思議だった。他にも良いシーンはたくさんある。マチルダがパキラを持ってレオンに小走りで一生懸命着いていくシーン。銃で頭を撃ち抜こうとするシーン。弟が殺された家を素通りして、レオンの家に助けを求めるシーン。どれも素晴らしい。だけど、服を買ってきたシーンを何より覚えている。
相手を想って何かをした時、それは全て報われるべきだ、そのくらい思っているのかもしれない。偏った考え。だけど、それが優しさから生まれたのであればそういう世界になるといい。そのくらいは願いたい。
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