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書くのがスキになる 日本語の作文技術

今までの人生で文章を書くことなんてあまりなかった僕にとって、司法試験の論文試験は完全に未知の領域でした。

「か、書けない...。」

とはいえ、書かないと仕方ないので書いてみるものの

「ぐ、読みづらい...。」


いつも自分の文章の酷さにへこんでました。


そこで、めちゃくちゃ読みやすい文章を書く友だちに聞いてみたところ

「それは、書く内容がクリアに決まってないからだよ。単純に法律に関する知識不足、問題を捉える力不足。」

と言われ、ほーほーなるほど、と。
書く内容(コンテンツ)がしっかり決まれば、読みやすい文章が書けるんだな、と。


しかし、学んでも学んでも書く文章がよくなることはなく、、、

「知識とか、捉え方とかはもう大丈夫なはず、でもなんでかわかりやすい文章にならない。どうやったらなるのかな?」

と質問すると


「....センス?」


...おい。と。


途方に暮れていたとき出会ったのがこの本

日本語の作文技術

こちらの本の目的はシンプルで

読む側にとってわかりやすい文章を書くこと

そして、センスではなく理屈でそこに到達することを目指していて、当時の自分にとって最も欲しかった書籍でした。


これを読んだ僕は、みるみるわかりやすい文章が書けるようになり、司法試験にも合格し、彼女もできて、充実した社会人ライフを...!


と、までは行かなかったですが、何をどうすれば改善されるのか意識するポイントはどこなのか、がわかってきて、日々書いていた文章1つ1つが糧になり、ちょっとずつ「わかりやすい文章」に向かっていくことができました。


ですので、

を読んでね!

564円で人生変わるよ!

で、終わってもいいんですが、ちょっとこの本自体のハードルが高いので、今の時代で僕的にすぐ使える「技術」をいくつかご紹介します。


1 修飾語


①修飾、被修飾は近く

ex)私は小林が中村が鈴木が死んだ現場にいたと証言したのかと思った。

まじで何言ってるかわかんないと思うんですが、これわりとみんなやっちゃってます(ここまでじゃないとしても)。
なぜこのわかりにくさが起きているかというと、修飾する言葉と修飾される言葉が遠いから。

セットとしてはこうなってます。

私は  思った。(ここは主語と述語)
小林が 証言したのかと
中村が いたと
鈴木が 死んだ現場に

書き直すと

鈴木が死んだ現場に、中村がいたと、小林が証言したのかと、私は思った。
※わかりやすさのためにテンをつけた

これなら意味は取れると思います(この文章が綺麗だとは思わないですが)。
ちょっと長い文章になったとき、修飾する言葉とされる言葉を近くに配置するだけで格段に読みやすくなるのでやってみてください!


2 修飾の順序

②修飾の順序は、節→句

青い花
綺麗な花
瓶に入った花

これをつなげるとですね

青い綺麗な瓶に入った花

これ、「青い綺麗な瓶」を想像しましたよね?

それをこう

瓶に入った青い綺麗な花

これで「瓶に入った」「青い綺麗な花」になったと思います。


③修飾の順序は、長い修飾語→短い修飾語

初夏の雨が与えた
もえる若葉に与えた
豊かな潤いを与えた

これ不思議なんですが

初夏の雨が、もえる若葉に、豊かな潤いを与えた
もえる若葉に、初夏の雨が、豊かな潤いを与えた
豊かな潤いを、初夏の雨が、もえる若葉に与えた
...

としても大差ないのに、

雨が、もえる若葉に、豊かな潤いを与えた

とすると違和感あるんですよ。これを

もえる若葉に、豊かな潤いを、雨が与えた

とすると違和感がない!衝撃!ただの順番だけで違和感が解消!


3 テンとかマル

④長い修飾語の境界にテンをうつ

ex)スタートアップを10年経営している経営者も新卒社員も新しいことに挑戦しているかと聞くとバツの悪そうな顔になった。

これは

スタートアップを10年経営している経営者も→
新卒社員も→
新しいことに挑戦しているかと聞くと→

→バツの悪そうな顔になった。

という形なので、

スタートアップを10年経営している経営者も、若手も、新しいことに挑戦しているかと聞くと、バツの悪そうな顔になった。

当たり前じゃないかと思われるかもですが、これをこうしている人を結構見ます。

スタートアップを10年経営している経営者も若手も、新しいことに挑戦しているかと聞くと、バツの悪そうな顔になった。

文脈的にそんなわけないとわかっているので、読み手は無意識に処理して理解してくれますが、これはそのまま素直に読めば

スタートアップを10年経営している→経営者
スタートアップを10年経営している→若手

と若手も10年経営していることになるので、一瞬処理にストレスがかかり、「よみにくさ」が生まれています。





4 漢字とひらがな

⑤漢字とひらがなで、絵画化

ex)その結果今起業することになった

これをテンを入れず読みやすくするとしたら

その結果いま起業することになった

とする。やっちゃいけないのは、難しい漢字だからといって「昆虫」を「こん虫」と書いたり、「書簡」を「書かん」とかいたりすること。これは単独で見ればまだ読めますが、文にすると終わります。

子どもとこん虫を捕まえた

「どもとこん」ってなんだ?と一瞬頭をよぎった上で、ああ、「子供と」「昆虫」ねと処理している。こんな負担を読み手に与えるとそりゃ読みにくいって思われますわ。


5 改行

⑥改行は、まとまった思想の塊

ex)当時、その苦しさからちゃんと逃げた自分、めちゃくちゃグッジョブ!と思いつつも、あくまで逃げたわけで別にすごいことでもなんでもない。にもかかわらず、「弁護士の枠にとらわれない新たな挑戦者!」「あんなに頑張ってなったのにすごい!」みたいな扱われ方は正直困惑した。もちろんその数十倍の批判ももらったけど、根っこは「自分には選択肢がないのに、他の選択肢があるのってずるい(羨ましい)」だったように思う。特に弁護士の人たちが、そう感じているのは意外、というか新鮮に驚きでした。


これを切るなら

当時、その苦しさからちゃんと逃げた自分、めちゃくちゃグッジョブ!と思いつつも、あくまで逃げたわけで別にすごいことでもなんでもない。
にもかかわらず、「弁護士の枠にとらわれない新たな挑戦者!」「あんなに頑張ってなったのにすごい!」みたいな扱われ方は正直困惑した。もちろんその数十倍の批判ももらったけど、根っこは「自分には選択肢がないのに、他の選択肢があるのってずるい(羨ましい)」だったように思う。特に弁護士の人たちが、そう感じているのは意外、というか新鮮に驚きでした。

こうなると思います。

ただですねー、最近のチャットがベースになってきた時代、スマホで読むことが前提となった時代だと少し変わっているんじゃないかと感じていてですね、過去の改行の位置づけは今だと改行2回くらいなんじゃなかろうかと。で、その中間地点に新しく改行が生まれてるんじゃなかろうかと、そんな風に思うわけです(完全に私見です)。

ほら

当時、その苦しさからちゃんと逃げた自分、めちゃくちゃグッジョブ!と思いつつも、あくまで逃げたわけで別にすごいことでもなんでもない。

にもかかわらず、「弁護士の枠にとらわれない新たな挑戦者!」「あんなに頑張ってなったのにすごい!」みたいな扱われ方は正直困惑した。
もちろんその数十倍の批判ももらったけど、根っこは「自分には選択肢がないのに、他の選択肢があるのってずるい(羨ましい)」だったように思う。
特に弁護士の人たちが、そう感じているのは意外、というか新鮮に驚きでした。

こっちの方がスッと頭に入ってきません?

この辺はプロの人また教えて下さい。


6 ダメな文章

⑦文末の繰り返し

ex)読書をすることはいいことだと思う。特に専門書を読むことはいいことだと思う。なぜなら、先人たちの知識を高速で習得でき、それを現代にい消すことができるからだ。もっとみんな読書をすればいいのにと思う。

ダメな文章っていっぱいあると思うけど、これはすぐに直せるところ。
ただ「思う」を3つ並べたぐらいでめちゃくちゃイラッとしません?

さすがに3つはあまり見ないけど、2つはすごくよく見るので意識してみるのおすすめです!


7 リズムと文体

⑧頭の中でしゃべってみる

ex)色々悩みました。だけど、もう一度弁護士をやることに決めた。だから今、こうして多くの人と関わることができています。
ex)色々悩みました。だけど、もう一度弁護士をやることに決めました。だから今、こうして多くの人と関わることができています。

これどっちでもいいといえば良いんですが、前者頭の中で朗読したとき、リアルなんですよ。後者だとちょっと平坦に流れる。この差が、リズムとか文体とか言われるものなんじゃないかと思っています。


-- 余談✄ --

ちなみに、「話すように書けばいい」ってアドバイスをする人がいるんですが、これ間違い、というよりも言葉足らずだなって思います。

実際の会話を録音して文字化してみたらわかると思うんですが、そのままだとわけわかんないですよ?
まぁそれもそのはずで、会話は文字以外に非常に多くの情報の伝達をしているので、文字だけにしたらそれらの要素分わかりにくくなります。

おそらく「話すように書けばいい」というのは、文字化した後に、頭の中で話して綺麗に流れてる場合のことを指しているんじゃなかろうかと思っています。

-- おわり✄  --


8 おわりに

「そもそもお前の文章ってわかりやすいっけ?」

と言われてしまったら、もうこの話はどうしようもないんですが、ただですね、僕はこの本に出会って、自分なりに消化して日常的に活かして行くことで、文章を書くことのストレスがなくなりました。


いや、ちょっと違うな...。
んーーー、シンプルにいうと、文章を書くのがスキになったんだと思います。

日常的に文章を書いてもストレスになるどころか、リフレッシュになってしまう。そんな体験をしたいなら、こちらの「日本語の作文技術」とってもオススメです!

さいごに出てきたポイントをまとめて

①修飾、被修飾は近く
②修飾の順序は、節→句
③修飾の順序は、長い→短い
④長い修飾語の境界にテンをうつ
⑤漢字とひらがなで、絵画化
⑥改行は、まとまった思想の塊
⑦文末の繰り返しはダメ
⑧頭の中でしゃべってみる



おあとがよろしいようで。






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