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いつもの豆腐をもっと美味しく 〜 木綿豆腐の 「島豆腐風」 アレンジ

「チャンプルーを作りたいけれど、沖縄の島豆腐が手に入りにくい」
「手に入ったとしても割高だし、木綿豆腐でOK」

そんな声をよく聞きますが、ごもっともだと思います。
水切りした木綿豆腐を使えば、十分おいしく作れるからです。

私自身、開催しているお料理教室では 島豆腐を仕入れて使うものの、普段の食事用に入手するのは、まぁまぁ大変。
なので 市販の木綿豆腐を使うことも多いわけですが、ひと手間加えて「島豆腐風に」仕込んで使っています。
そうすることで、島豆腐に近い食感やうま味が感じられるからです。

沖縄料理に親しんでもらいたいという私の願望はさておき、
「このアレンジで、いつもの豆腐がもっと美味しくなるんじゃないかな」
 と思っているので、紹介していきたいと思います。

1. 島豆腐の特徴って何?

1) 固く締まり、炒めても水分が出にくく崩れにくい
2) 豆腐を作る段階でを加えているので、ほんのり味が付いている
3) 伝統的な製法で作る島豆腐は、一般的な木綿豆腐や絹ごし豆腐と作り方が若干異なり、たんぱく質等の栄養価が高く大豆のうま味が強い

大きな特徴はこの3つ。
つまり、木綿豆腐と島豆腐の違いは固さだけではなく、豆腐自体のうま味やコクといった「味わい」、そして栄養がが違うのです。

更に詳しく知りたい方は、コチラのサイトもどうぞ。

2. 木綿豆腐を島豆腐風に仕込む 〜 決め手は 「海塩」 

上に書いた3つの特徴のうち、3) をカバーすることは難しいのですが、1)2)のポイントを押さえて美味しく仕込んでいきましょう。

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タイトル通り、使う塩が大事。
沖縄の豆腐は元々は海水で仕込んでいたという経緯から、今でも塩を添加する習慣が残っていると言われています。
なので できれば沖縄の天然海塩を使ってほしいけれども、他の地域のものでも○。
海塩は、ナトリウム分以外のミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)によって味に複雑味が増し、つまりは旨みも増すのです。

【手順】
1. 豆腐を大きめの一口大にカットし、キッチンペーパーの上に並べる
2. 1丁(350〜400g)に対して、塩2〜3つまみを振り、馴染ませる
3. 重石をして30分置き、水切りする

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(塩をすり込むことで 水切りが早く進み、かつ 豆腐自体にほんのり塩味が付いて 他の食材との味馴染みが良くなる)

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 (時々 キッチンペーパーを交換すると、水切りが早まる)

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(表示上350gとあった豆腐が、270g程度に。これで仕込みが完了。
適度に水分が抜けて締まりが出たことが、見た目でも分かる。)

3. 豆腐だけで、十分美味しい 〜 Simple is best.  〜

塩を振って水気を抜いたこのお豆腐、焼いただけでも十分に美味しいので、構えすぎずにシンプルに味わいましょう。
油を引いたフライパンを強火で熱し、さっと焼くのが良いですね。
薄く塩味が付いていることをふまえて、しょうゆを少しと削り節を。

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【ポイントは2つだけ】
・ 焼く前にもう一度 豆腐の表面を拭いてあげると、油はねも防げる。
・ フライパンに並べたらなるべく触らず、焼き目が付くのを待つ。

また ご存知の方も多いと思いますが、チャンプルーを作る際は、豆腐を先に焼いて、焼き目が付いたら一旦取り出しておくのが良いです。
豆腐から水分が出てべちゃっとした仕上がりになったり、炒めている間に崩れすぎてしまうのを防げます。
そして、この「島豆腐風」の豆腐を使えば、他の具材と一緒に炒めても、豆腐を型崩れさせずに仕上げることができます。

4. 最後に 〜 チャンプルーの主役は豆腐

チャンプルーという料理は、「島豆腐と季節の野菜の炒め物」であり、豆腐は主役の一人。
また、沖縄の伝統的な4大食材といえば「豆腐、昆布、芋、豚」で、四季を通して食べられる豆腐料理は、間違いなく庶民の健康を支えてきました。
そんなわけで「チャンプルー = ゴーヤー」というイメージにとらわれず、色んな野菜と組み合わせて作ってほしいと思います。
そして この豆腐の下ごしらえの方法が役に立つのなら、最高に嬉しいです。

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チャンプルーの作り方のコツについて、近いうちに書く予定ですので、また覗きに来ていただけると嬉しいです。
どうぞ宜しくお願いします!

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