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客室乗務員(CA)に必要な要素その①

私は、客室乗務員(CA)としてエティハド航空で働いた経験があります。

入社試験や実際の勤務の経験から、CAという職種に必要な要素5点について、5回に分けてお話ししたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、CAになることは簡単ではありません。もちろん、私の場合も入社をする前に何回か複数社の面接を受けさせていただき、失敗を得てからようやく合格し、入社をいたしました。

私個人の経験では、自分の年齢が30歳だったこともあるので、外資(中東)の航空会社のみに応募しておりました。理由としては、アジア圏、日系の航空会社は20代前半の方々を採用する傾向にあったからです。現に一度シンガポール航空に応募しましたが、書類で落とされました。

私が入社試験をした会社は、カタール航空、エミレーツ航空、シンガポール航空、エティハド航空の4社です。

入社試験や実際の勤務の経験から、CAという職種に必要な要素は下記になると考えます。

①英語力

②体力

③動じない精神

④カスタマーサービス精神

⑤自立心

ざっくりだと、上記5点だと思います。

今回は英語力について、お話をさせていただきます。

日系のCAさんはそんなに英語力がなくても、実際やっていける気がします。ですが、外資航空会社のCAは英語ができないと面接で落とされるか、実際合格したとしてもその後のトレーニング、勤務で人一倍努力が必要になると思います。

私の勤務していたエティハド航空はUAEの首都であるアブダビを拠点としているので、入社をすると、まずアブダビに引っ越します。

アブダビの寮生活などについては、また今後お話をする機会があれば投稿させていただきます。

UAEには海外から出稼ぎにきている外国人がたくさんいるので、どこに行っても英語が通じないということはほぼありません。生活をする分には英語を話せなくてもなんとかなると思いますが、入社後の最初の難関はCAトレーニングです。エティハド航空の場合は7週間のトレーニングでした。

トレーニングはもちろん英語で行われます。当然ですが、1文字も日本語はでてきません。

CAになるためには、飛行機各機体の装備の内容(どこのドアには何がいくつ積まれているか、その装備の品質チェック)、セキュリティー(飛行機に異常が起きた時に対応するための訓練、乗客の中に危険人物、ものがあった場合の対処法など)、避難(乗客の誘導、スライディングラフトへの先導、火災が起きた時の脱出法など)、人命救助に関する内容(様々な病気の症状にどのように対応するか、衛星を使った医者への連絡)、サービス(カートの積み方、接客内容、カスタマーサービス)がありますが、トレーニングの内容で一番長くてややこしいのが、セキュリティーの部分です。セキュリティーに対応するには、各機体に何が装備されているか、何かが起きた時に操縦士にはどのようにコンタクトを取らなければならないか、また、操縦士からの指示の内容により取らなければならない行動、CAがチームとして機能するために取るフォーメーション、常務しているCA各自の役割など、それはそれはたくさん覚えなければならないことがあります。

なので、CAの教科書であるマニュアル書の厚みは10センチ弱あります。中身は英語のみです。

みなさんが想像するCAという職は、華やかで機内でサービスをしてくれる人たちだというイメージが一般的だと思いますが、実際は少し違います。私たちがスパルタ教育をうける内容のほとんどが、セキュリティーについてといっても過言ではありません。

CAは1度のフライトで何百人という乗客のお世話をさせていただくお仕事です。乗客は飛行機がどのようなものなのかという詳細は知らずに搭乗しますので、何かが起きたらCAが先だって乗客を守らなければならない立場です。

英語を読み書きでき、お話しができないと、英語での授業、トレーニングについていくのがとても大変です。トレーニングは勤務時間で行うのですが、私はナイトチームだったので、午後2時半から、午後11時半まででした。もちろん毎日週5日で行いますので、前回の内容が把握できていないとどんどん遅れます。複チャプターを読んでくるようにとの宿題も出ます。

そして、先生は厳しいです。スパルタでした。このトレーニングに耐えられず脱落する方もいました。ちなみに中間試験と最終試験がありましたので、中間試験に受からず、国に帰る方もいました。途中、辛くていっぱいいっぱいで泣き崩れる方もいました。

そんな過酷なトレーニングがなおかつ英語なので、絶対に英語はできないと大変です。人によっては、英語が苦手でも忍耐と努力で乗り越えられることもあるので、CAになりたい方は是非挑戦していただきたいです。

英語ができないと苦労する2個目の理由は、常務するチームでの会話が英語だからです。また、フライトも日本線以外は外国。そう、ほとんどフライトが外国へのフライトです。一緒に常務するCAも日本線以外は自分が日本人一人です。これはエティハド航空だけではなく、中東外資はそのパターンが多いです。

また、乗客も外国人なので、英語、もしくは日本語以外です。なので、基本英語で対応します。唯一、日本人なので日本語クルーとして日本線に選んでいただく確率は多いとは思いますが、日本線が全く入らないこともあります。リクエストをしても、日本線が入らないこともしばしばです。よく同僚と日本人なのにどうして日本線はいらないのかとぶつぶつ不満を言っていたのを覚えています。

とにかく、何でもかんでも英語です。日本語は寮に帰ってきた時に喋るルームメイト、日本人の同期だけでした。あとはたまに勤務する日本線の乗客の方々です。

CAを目指している方、今コロナでなかなか採用していないとは思いますが、今が英語を学ぶチャンス!今のうちに英語力をつけて、次の試験に合格できるよう頑張ってください!前向きに信じればなんだって叶うと信じています!

ご購読いただき、誠にありがとうございました。

それでは、また!

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