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未来創造人材の育成~心地よい「自分の在り方」を見つけよう

ぼくには誰もいません。
ここには誰もいないのです、
不安の他には。
不安と僕は互いにしがみついて、
夜通し転げまわっているのです。※

※「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」より抜粋(頭本弘樹編訳、株式会社飛鳥新社より発行(2015年3月2日))

日本の国際競争力を高めるために大学が出来ることなんでしょうか。研究者のために、基礎研究力をさらに向上させるための様々な支援をすること、そうして得られた成果を世界に発信して明確に顕在化すること、と簡単に書いたけれど難題です。そんな難題に対峙し、解決していくために私たちには何が必要なのでしょうか。

つまるところは、様々難題に対しても臆することなく対峙し、策を講じて乗り越えることのできる人材を育成することが大学の使命なのではないか、そう思うのです。と言っても、大学に入るまでにすでに義務教育を含め12年の月日をかけて教育を受けており、大学でも多くのことを学んでいる学生たちに、今後何をさらに学んでいただく必要があるのでしょう。

デジタル化が一気に進んだ情報過多の社会において、様々な情報にアクセスしやすくなった一方で、多くの人が、溢れている情報の洪水に溺れて何を信じれば良いのかわからなくなってきているのではないでしょうか。チャットGPTなどのAIが、問いかけに対し解らしきものを与えてくれるようになり、過去事例の検索等から成功確率が高いことを確信できないと実行に移せなくなっている学生も多いように思います。

一方で、時代が進むにつれ社会情勢はさらに混沌とし、複雑化しており、過去事例が使えないという事案も今後数多く発生することが大いに予想されます。このような先の見えない世の中において、これからの社会を担う学生達の中には、「不安にしがみついて転げまわる」ような夜を送っている子達も少なからずいるのではないでしょうか。

どのような状況においても自分を見失わず、心の安寧のもと、安定感をもって地に足をつけていられる人、そして、今日よりも明日をより良い社会にするために活躍できる人を育み世に出すのが大学ができることそしてすべきことではないでしょうか。それが、大学にて高等教育に関わる多くの教員の思いです。そのために、学生たちがそれぞれに自分の「在り方」を大学に在籍している間に見つけてほしいと思いますし、その手助けができればと望んでいます。

京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構
鈴木 忍

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