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文化的にはコスタリカ?ホフステード教授の「文化比較の6次元モデル」と自己再認識

他人にはやれ自己啓発だのやれ自己研鑽だの言いながら、姑息にも自分自身の育成については気づかないふり見て見ぬふりをしてきた。そんな私もさすがにいつまでも立場上そうしているわけにもいかないと一念発起し、このほど「Being 」において極めて重要な「自分自身の文化的背景を知る」ために「ホフステードCWQ」のアセスメントを、CQラボを主宰されている宮森千嘉子先生に実施していただくこととなった。

ホフステード教授は「文化比較の6次元モデル」を提唱した世界的に有名な国際経営論・文化人類学者である。このモデルでは、人の価値観が文化によってどのように変わるか、個人主義、権力格差、不確実性の回避、達成、時間志向、人生の楽しみの6つの次元で表されている。文化の違いが数値で表現されるので、ある文化とある文化が「似ている」のか「異なるのか」を把握することができる。そしてホフステードCWQは自分自身の洞察や文化的好みについての認識を深めるツールである。

そしてアセスメントの結果、私のスコアは日本人の平均的なスコアから、6つの次元のすべててでかなりかけ離れていることがわかった。

物心ついた頃から何かと生きにくいなと思っていた。小学校の卒業文集に担任に一言「Going my way」と書かれていたし(何故?)、大学入学後すぐ、同期の子に「貴女って子供の頃に異端児って言われてなかった?」と言われた(これも何故?)。普通に生きてるつもりなのに、なんとなくずれている感じであることをずっと謎に思っていたが、私は文化的好みが日本人的じゃなかったんだと分かり、長年の謎がとけたのだった。

「文化的にはコスタリカに近いですね」
アセスメントのフィードバックで宮森先生はショックを受けている私に優しくそうおっしゃった。
「コスタリカっ?」
地理にめっぽう弱く、これまでの人生で日本の都道府県の県庁所在地を覚えきることすら出来なかった私には、コスタリカがどこにあるどんな国なのか想像もつかず、思わずすっとんきょうな声をあげた。
「コスタリカは軍隊を持たない国なんです。争いを好まず、衝突回避のため調整を試みようとします」
ああ、いまやっている仕事がアライアンスなので、まさにコスタリカだ。ホフステードCWQ、恐るべし。

自分とは誰でどんな人間なのか、自分の良いところや課題を客観的にみるためには、これまで経験してきた自己評価的なアセスメントのなかでも、こうあるべきと自分が思う自分と、実際の自分をそれぞれ見つけるためにはこのたびのアセスメントは非常に有効であったし、人生にもしもは禁物とはいえ、もっと若いうちにこうしたアセスメントを受けられていれば、もう少し生きやすかったのかもしれない、とも思った。

京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構
鈴木 忍

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