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飲食店経営と授業づくりの共通点

 3年生の授業も終わり、部活も感染拡大によって原則禁止となったため、少し自由な時間が出来ました。

早く学校が普段通りになれば良いな、、、と思いながら過ごしている日々です。

こんなときこそ、自分を高めるための勉強だ!ということで、

久しぶりに中田あっちゃんのYouTube大学を視聴しました。

飲食店経営に関する、こちらの動画です。

 今のところは全然教員を辞めるつもりはないのですが、コーヒーが好きで、いつかカフェを開けたらいいなと思っていました。

この動画を見て、飲食店経営は甘くないんだなと痛感しました(笑)

この動画を見て思ったことがもう一つ。

私が授業を作る時に大事にしていること、大事にしたいことが、この動画にはたくさん詰まっていることです。

両者の共通点という視点で、この動画を深掘りします。

■飲食店経営で陥りやすい罠。

陥りやすい罠はズバリ、プロダクトアウトという考え方です。

この動画の中では、プロダクトアウトとマーケットインという考え方がそれぞれ紹介されていました。

詳しく調べたところ、以下のように説明されていました。

プロダクトアウト

商品開発や生産、販売活動を行う上で、買い手(顧客)のニーズよりも企業側の理論を優先させることである。「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方。
マーケットイン 
消費者のニーズを優先し、顧客視点で商品の企画・開発を行い提供していくことである。「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方。

(検索サイト:https://www.macromill.com/)

 飲食店経営でうまくいかない一番のポイントは、プロダクトアウトで飲食店を経営するからだそうです。

「せっかく自分のお店を作ったのだから、自分が好む店にしたい」となりやすいとのこと。

確かにそうだなと思いました。

私なら、特に内装にはこだわろうとしそうだなと💦

 特に引退後の経営を行うならば、退職金をはたいて、何年も構想を練って準備するわけですから、

「自分の思い通りにしよう」という思いが強くなりすぎるだろうなと感じましたね・・、

しかしそれは、お客さんにとってメリットがあるわけではありません。

自分が一番だと思っている好みもこだわりも、お客さんにとってみれば違います。

(それがたまたま心地よく、メリットがあればいいですが、、)

ニーズがわかっていなければ、すぐにお客さんは来なくなると言われていました。

その発想を変えていかなくてはならない。

結局は、お客さんの求めているものを提供していくお店が一番安定する、と。

ここに授業づくりの大切な要素があるなと感じました。

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■授業づくりとの共通点


  私は授業づくりにおいて、いわゆる「マーケットイン」の考え方が大切だと思っています。

マーケットインの考え方を授業に置き換えると、

生徒のニーズ、興味関心、もっというと思考経路をもとに授業をつくっていくということです。

私は高校の教員です。教える内容の専門性も高いです。

そのため、非常にマニアックな学説だったり、考え方を話したくなります。

実際私も、倫理をメインに教えているので、

その人物の面白いエピソードを言ったり、

一部の人しか分からない例えで説明したくなります(笑)

皆さんも高校の先生で、かなりのマニアで延々と喋り続ける先生がいらっしゃったのではないでしょうか。

私はどの科目にも興味があったので、そういう先生が大好きでした。

でも、興味がない子にとっては苦痛なんだな、と教員の立場になって徐々に気づきました。

そこから、生徒が「学ぶ意味を見出せる授業」にしようと発想を転換しました。

つまり、この先生の話なら聴く価値がある、と思ってもらえるような授業です。

そのためには彼らの興味や関心、悩み、好きなことをよく観察しなくてはなりません。

普段、どんなことを考えているのかを知らなくてはならない。

それを休み時間の会話や面談、最近だとGoogleフォームというサイトを使って、アンケートという形で集計しています。

いろいろ試行錯誤しながら考えた結果、倫理の授業の方針が決まりました。

Before:なぜその思想が生まれたのか。

After:その思想がどんな場面で、どのように役に立つのか。

もちろん前者もやります。倫理の面白さはそこにあるので。
でも、その思想が普段の生活に非常に役に立つことに重きをおいています。

そうすることで、まだまだ工夫の余地がありますが、生徒の反応が変わってきました。

やっとですが、「面白い」とか「一番楽しみ!」と言ってくれて非常に嬉しく感じています。

今年は特に倫理にどはまりして、
推薦入試で合格したにも関わらず、最後の授業まで熱心に聞いて、一生懸命勉強してくれる生徒がいました。

今年の共通テストや模試でも、毎回80点以上の高得点を叩きだしていました。

内心、涙が出そうなくらい嬉しかった。
(その子が調子に乗るので隠していますが笑)

若さゆえに生徒がついてくるのではなく、
絶えずインプットし続けて身につけた知識と、
生徒と真剣に向き合ったという確かな経験に裏付けされた授業力で、生徒がついてくるような教師でありたい
です。

授業は飲食店経営と違って、つぶれません。

お金に困ることもありません。生徒は逃げられませんから。

でも、本当にそれでいいのかと思うわけです。

授業をしていて一番つらいのが、死んだ魚の目をして聴いている顔を見る事です。

私は何度もこの経験をしました。今でも時々あり、非常に反省します。

最悪、自己嫌悪になります(笑)。

学ぶことがこんなに楽しいんだなと思ってもらえるよう、サービス業の心意気をもって仕事をしたいと思います。


■まとめ

以上、動画を見ながら考えたことでした。

1つ、大きく違うのは「教育」という視点です。お客さんと生徒は違います。

お客さんはニーズを満たし、満足してもらえればOKです。

生徒のニーズに合わせていくことは大事です。

しかし、その子が一歩でも成長していかなくてはなりません。

その子が持つ理想の姿に導いていくこと、伴走することはもっと大事です。

成長できる環境を、私は準備していきたいと思ったところでした。

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