教員のなり手不足を、現役教員が考える。
朝、Yahooニュースをチェックしていたら、以下の記事が目に留まりました。
文部科学省で初めて行った教員不足の実態調査です。
全国の公立学校で2558人の「教員不足」が明らかとなりました。
同じ教員として思うことがあったので、自分の体験を含めて、この問題を深掘りします。
※熊本県の教育事情しか知らないので、あくまで参考にして頂ければと思います💦。
■人材不足に陥る仕組み。
一番の大きな要因は団塊の世代の大量退職です。
それに伴い、若手が大量に採用され、講師登録されている人が減ったことで、病休や育休の欠員を埋める人材が不足しているということが原因であると記事の中で指摘されていました。
図にすると、このようになります。
特に高校は教科の専門性が高く、例えば生物は教えられても物理は難しい、といったこともあります。
あまり詳しくは言えませんが、校長先生や教頭先生が、毎年、新年度前に欠員の出た科目の先生を探すために電話されているという話を聞きます。
見ていて本当に大変そうです。。
来られた方は、だいたい定年を迎えて引退されていた先生が多い印象です。
若い方が来られることは稀で、それだけ新しい人材が不足しているのかなと推測します。
ちなみに熊本県は教員不足率が小中高・特別支援全てで全国ワースト5以内で,
特に,中学校,更に特別支援では突出して1位でした。。。
■「講師」というシステムの闇。
なぜ欠員の受け皿となっている講師の数が減っているのか。
もちろん少子化もありますが、私は、この講師という制度にかなり問題があると思っています。
ここからは私が講師の時の話をします。
ポジショントークにはなりますが、この問題を考える上で参考になると思います。
そもそも講師って何?ということから説明します。
(実は私も教員採用試験を受けることを決めてから知りました…汗)
講師とは、非正規雇用の教員のことです。
私はこのうち、常勤講師の経験があります。
常勤講師できつかったことを列挙します。
私は現場の先生方の配慮で、担任ではありませんでした。
しかし、特に3点目がきつかったです。
「教諭であればもっと腰を落ち着けて、部活も授業も集中して取り組めるのに…。」と、どれだけ歯がゆかったか分かりません。
仕事と勉強の両立も大変でした。毎日仕事でへとへとになった後、眠気をなんとか振り払いながら1時間ほど勉強していました。
授業の準備と同時進行でしたので、非常にしんどかったです。
ただ、私の事例よりももっと大変な先生もいらっしゃいます。
また、この待遇だと、なかなか家庭を持つことも難しいのではないかと思います。
年度末が毎年怖くて精神的に参りそうだった先生のお話も直に聞きました。
どうにかこの制度が良くならないかなと本気で思います。
3年働けば教諭として採用する、といった保障がないと、本当に精神的にきついです。
実際、私も何度も採用試験に落ちてしまい、教諭になるのを辞めて別の仕事を探そうかと頭をよぎりました。
■それでも教師をやろうと思った理由。
それはずばり、生徒の言葉です。
今でも思い出すと涙が出そうになりますが、
と言ってくれた生徒がいました。
高卒で公務員試験を受験しようとしていた生徒だったので、より私の置かれた立場がイメージしやすかったのかもしれません。
お世辞だったかもしれませんが、まさに救いの一言でした。
自分の存在に感謝し、自分を必要としてくれていることが非常に嬉しかった。
それが原動力となりました。
やっぱり生徒が喜んでくれると、一気にやる気が出るんですよね(笑)。
教員という仕事は非常にやりがいがあります。
そして日本という国の発展に欠かすことのできない、大切な礎となる仕事です。
だからこそ待遇や雇用環境を最善なものにして頂きたい。
こればかりは国にお願いするしかありません。
全国の現場で必死に働いている先生方の想いや願いが政府や官僚の方々に届くことを祈るばかりです。
教育のこと、授業をしている倫理や政治経済のこと、熊本の良いところ…。 記事の幅が多岐に渡りますが、それはシンプルに「多くの人の人生を豊かにしたい!」という想いから!。参考となる記事になるようコツコツ書いていきます(^^)/