30歳過ぎて、NY留学した話 #2 -NY行き決定
友人の一言で海外留学を決めた私は、行き先を考え始めた。
年齢は、30歳を回ったところだった。
オーストラリアへのワーキングホリデーは33歳までで、ギリギリ間に合うことを思い出した。
「会社を辞めれば収入も無くなるし、ワーホリでオーストラリアかな。友達も何人か住んでるし、いいかも。」
そんなマインドでいた。
会社を辞めて海外に行くことを決意した私は、ついに家族にそのことを話した。すると、姉と弟からの大反対が始まった。
「何で英語も勉強したいと思っているのに、オーストラリアなわけ!?アメリカでしょ、アメリカ。何でアメリカに行かないの!?」
正直、ちょっと私は困惑した。
心の中では、
「えー!なんで、私のやりたいことを純粋に応援してくれないのー?」
という気持ちだったが、「うーん」と黙って二人の話を聞いたことを今でも覚えている。
きちんとお伝えしておくが、決して、これは二人がオーストラリアが嫌いな訳ではないため、二人の発言は許してあげて欲しい。彼らには、オーストラリア人の友達もいる。
私が、海外に行きたい理由には、英語の習得も入っていたから、率直な意見を言ってくれたのだろう。
という訳で、私の行き先は、すぐにアメリカに変更になった。
では、アメリカのどこに行こう。
アメリカは広い。どこが最適なのか。アメリカには、あまり行ったことがなかったから、どこに行くべきか、よく分からなかった。
ただ一つ、一番明確だったのは、運転したくない、ということだった。
東京生活に慣れてしまい、電車でどこまででも簡単に行ける生活が快適であると感じていた。それに、東京のような都会も好きだ。何でも欲しいものは簡単に手に入るし、何でもある。レストランも沢山ある。習いたいと思ったお稽古事も簡単に見つかる。人にも出会いやすい。
それを考えると、行き先はニューヨークかな、という大まかな座標がたった。
母からも
「世界一有名な街に住めば、後悔もないんじゃない?」
と言われ、
「確かに確かに。世界一の街に行けば納得するだろう。世界一なんだから。」
と簡単に腑に落ちた。
行き先は、ニューヨーク。
それだけが、先行決定した。