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「離婚=不幸」という考え、そろそろやめませんか。

私は5年間の別居生活を経て、10年ほど前に離婚している。
noteには何度も書いているけれど、原因はモラルハラスメント。言動だけでなく、暴力をふるわれたことも一度あった。ふたりの息子と一緒につつましくも楽しい生活を続けてきて、今年、長男は24歳、次男は19歳になる。

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今日、買い物に行こうと外に出ると、あまり話をしたことがない近所の人から声をかけられた。

「ちょっと話をきいてほしいねんけど」と。

その人は夫婦と大学生の娘さん、息子さんの4人家族。仲の良い家族に見えていたし、実際そうだったらしいけれど、ここ数日で離婚話がもちあがっているという。

「私の周りは幸せな人ばっかりなんで、離婚した人がいてなくて。いろいろと教えてもらってもいいかな」。

「ああ、私にわかることなら何でも!」と答えた。

「幸せな人=結婚している人」「幸せじゃない人=離婚した人」の図式。もう言われ慣れた言葉なので、ここはスルーですよ。スルー。

考えてみれば、
「私の周りには幸せな人しかいないから、離婚して幸せじゃないあなたの話を聞かせてほしいのよ」ってことでかなり失礼なんだけど、理屈っぽいので、いちいち反応しない。笑

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「離婚」は昔に比べれば件数も増えて、今ではそう特別なことでもなくなった。とはいえ、私が暮らしているような地方では、まだまだ感覚が古い人も多い。

ちょっと話はそれてしまうけれど、「母子家庭の子どもは素行が悪い」と言われることも多い。

「あそこは母子家庭やから」なんて、何度聞いたことだろう。

仲の良いシングルマザーの友達と会うたび、「『母子家庭やからあかんねん』と言われないように、しっかりと子どもを育てていこうね!」と何度も励ましあった。それは、私たちの意地でもある。

「離婚してるから不幸」「母子家庭だから子育てができていない」。

そんな言葉を聞くたびに、「昭和か!」とひそかに悪態をつきながら、何も思っていないような顔で受け流す日々だ。

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egoさんの話をしよう。

彼はnoteを通じて知りあった人で、私と同じモラルハラスメントの被害者。当時はまだ結婚生活を継続中だった。

egoさんは私を「モラハラから脱出した先輩」だとおっしゃってくれるが、私からすれば「同志」のように感じている。

egoさんのnoteにつづられたエピソードの数々は自分の結婚生活と重なることが多く、つらい気持ちになることもあったし、いつかは離婚して自由を手に入れてほしいと願い続けてきた。

そして別居期間を経て、8月19日のツイート。

300件以上のいいね。そして、「おめでとう」のリプの嵐。

なんて素晴らしい! 離婚したのに「おめでとう」! 離婚がその人にとって「幸せ」なことなら「おめでとう」でいい。

結婚して幸せな人もいれば、不幸な人もいるように
離婚して幸せな人もれいば、不幸な人もいる。

ああ、私が離婚したときも、「おめでとう」と言われたかったなぁ。ツイッターはやってなかったけれど。

egoさんのこのツイートを見たとき、私も強めに「いいね」を押し、「おめでとう」のリプを贈った。心の底から。

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私に離婚するかも…と相談してくれた近所の人の場合、離婚することが必ずしも良い選択だとは思えず、しばらく別居というかたちでグレーのまま様子をみるほうが良いのでは、という話をさせてもらった。

そして、別れぎわ。

「私は離婚したことが不幸だとは思ってなくて、あのまま結婚生活を続けていたほうが、不幸なこと。離婚したことをまったく後悔してないよ」と声を大にして言ってみたところ、うんうん…とうなずいてもらえた。

離婚=お金ないし、子育て大変やし、周りの批判にたえるスキルも求められるし、老後も心配やし、さみしいときもあるし、子どもには辛い思いもさせる。でも不幸じゃない。私は少なくとも、不幸じゃない。

離婚=不幸の図式、もうやめませんか。
ときに不幸ぶってしまうことがある自分自身にも、そう言い続けたい。