シネマノスタルジア【本日の売り上げ−560円の日】
前回から、私がアルバイトをしていた映画館の話をしております。
今日は、アルバイトの仕事内容について具体的にお話ししていきます。気軽にお読みくださいね。
アルバイト従業員の仕事
朝の出勤時間はゆっくりでした。
映画が上映されるのが、早くて大体午前中の10時頃なので、その1時間前にくればいいよと専務(経営者)に言われていました。
映画館は、私の実家のすぐ近くにあったので(自転車で2〜3分)かなり余裕を持って家から映画館に向かっていました。
映画館に着くと、専務か、映写技師さんが鍵を開けて待ってくれています(たまに開けてない日もあってそういう時は預かった鍵を使って入ります)
<上映前に朝やる事>
▼館内の空気の入れ替え
▼館内やロビーのお掃除
▼自動販売機のジュースの補充
▼釣り銭の確認
▼映画のグッズがある場合は販売ワゴンの移動、グッズの確認
▼トイレのトイレットペーパーの補充
▼パンフレットを見えやすいところへ配置する
館内のお掃除は、前日終了後もお掃除を実施しているので、ゴミが落ちていないか、座席に何かはさまっていないかなどの再点検程度の簡単なものです。
私がメインで通っていたC館は、掃除中に鳩の鳴き声がよく聞こえました。
姿は見えないけど、どうやら2階席の上の方に鳩の巣があったようです。
ゴキブリもよく出ました。でも上映中は暗転していたのでお客さんはきっと誰一人わからなかったでしょう。とにかく古い建物だったので他にも何か住んでいたかもしれません。(まっくろくろすけやトトロみたいなやつがいたのかも….トトロの大きいパネルは2階のはじっこに埋もれていましたけどね)
<上映中にやること>
▼チケットの販売
▼グッズの販売
▼お客さんが多い時はお客さんの館内の誘導
▼お客さんが多い時はジュースの補充、ゴミの収集
チケットはチケット売り場で購入します。
とはいいましても、今みたいに機械で購入するシステムではなく、人対人のやりとりです。入り口近くの壁に透明な窓ガラスがはまっていて、窓ガラスの下が10cm弱くらい空いています。そこからお客さんと従業員がお金とチケットの交換をします。
似たような写真がないかなと思って調べたら、これは仙台にある老舗の映画館の写真みたいです。雰囲気はこんな感じでしたね。(こんなに綺麗じゃなかったですよ。私が通っていた建物はもっと古い感じでした)
そして入場すると、チケットの半券をもぎる(ミシン線が入っていて、半分に切れる)係の従業員が待っていますので、お客さんのチケットをお預かりして半券をもぎります。
もらった半券は尖った棒みたいなものに串刺しのように刺して管理していました。
映画は大体1時間半から2時間くらいなので、その間は何をしていたかというと
何もしていません。
(なのでいろいろふざけた事をして時間をつぶしていました。その内容はまた次回以降)
お客さんは平日は、ぶっちゃけほとんど来ません。
平均5〜6人です。
10人来たら「今日はたくさん来た方だなぁ」と思っていました。
大丈夫か!ここの経営者は!?
と、ずっと思ってました。
極めつけは、来客者0人の日があって(それもそんなに珍しくない)
着払いの荷物が届いた日は
1日の売り上げが−560円になりました。
嘘みたいですが、本当の話です。
「マジかな」
って思いました。
だってマイナスですよ。
私は目を疑いました。
思わず映写技師さんと顔を見合わせました。
潰れちゃう…..?
頭に「閉館」の2文字が浮かびます。
こんなアルバイトの小娘に心配されていたとは、専務は知る由もないでしょう。
みんな心配していましたけどね。
(そして最終的には「道楽できっとやってるんだろう」といういつもの結論に辿り着く)
土日は少しお客さんが増えました。それでも10〜50人位です。
年間300日くらいはこんな調子ですが、繁盛期もありました。
1番の稼ぎ頭は何といっても春休み、夏休みの「子供アニメ」です。
ジブリ、コナン、ポケモンは3大王者です。
この繁盛期の話は、また別の機会にお話します。
<終演後あるいは終演前にやること>
▼館内やロビーのお掃除
▼トイレのお掃除
▼売り上げの確認
▼売り上げを映写技師さんに渡して、専務に届けてもらう
▼グッズやパンフレットの補充
▼戸閉め
最終回は大体午後の5〜6時くらいに始まります。
その時にお客さんが1人もいらっしゃらなければ、そこで上映終了にしていました。(最終回の始めの10分くらいを流して、お客さんが来なければ技師さんが映写機を止めます)
その後、上記の仕事をこなして1日のお仕事は終了です。
もし、最終回にお客さんが来た場合でも、最終回が始まれば、売り上げの確認やグッズの補充を上映中でもロビーでこっそり行なっていました。
トイレ掃除も最終回が上映している間にしていました。トイレ掃除のタイミングは、個々の映画によって「なんとなくこのシーンが始まってからやる」みたいな従業員同士の暗黙の了解があって、私が唯一覚えているトイレ掃除タイミングは「千と千尋の神隠し」で、千尋がカオナシと電車に乗り始めるシーンです。
この曲を聴くと、私は映画館のトイレを思い出してしまうのです。変な思い出ですね。
最終回終了後は館内の掃除をして終わりです。
この最終回を上映するか否かでだいぶ帰りの時間が変わりましたので、やる気のない時や早く帰りたい時は「客来るなー」と心の中で念じていました。アルバイトの頭なんてしょせんこんなもんですね。仕事に対しての情熱ややる気なんてこの頃は全然なかったですね。
私も若かったのだなぁ...。
まあ、今もなるべく横になっていたい、支持規定面を広げていたい気持ちはまったく変わっていませんけどね。
ゴロ寝最高です。
くま仲間として、リラックマ先輩をいつでも目指しています。
以上、本日はお仕事の基本的な流れについてお話させて頂きました。
次回は何を書こうか悩みますねー。
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