児童虐待通告の判断基準は「子供の立場になって考える」こと。私の通告経験を通じて、迷っている人に伝えたいこと。
通告の判断基準は「子供の立場になって考える」。
大事なのは放置しないこと。虐待通告の窓口は、基本的に電話番号「189(イチハヤク)」の児童相談所がおすすめ。
ただし緊急度が高い場合は、警察ということもあるのかも?通告の前に必要な情報をまとめておくとスムーズ。
「もしかして虐待・・・?」
そう思うようになったのは1年くらい前でしょうか。閑静な住宅街と言ってよい場所に住んでいるのですが、近所中に響き渡る大声。親の怒鳴り声に子供の泣き声。ドンドンと響く激しい足音。
子育てをする以上、仕方のない部分もありますよね。どこからが虐待でどこまではしつけなのか。簡単に判断できる人は、多くないのではないでしょうか。ずっと悩んでいたのですが、最近児童相談所に通報する機会がありました。同じように悩んでいる方に向けて、お役に立てればと思い記事を書いておこうと思います。
「どこからが虐待なんだ?」
児童相談所に通報するまでに、色んな葛藤がありました。まずどこからが虐待なのかがわからない。暴力が伴わなければ虐待ではないのか。大声で叱るのはただのしつけなのか。最終的な私の判断基準となったのは、いくつかの場所で言われていた下記の文言でした。
「こどもの立場になって、虐待だと思ったら通報してください」
いろいろな感情が渦巻き、通報できずにいました。でもこどもの立場に立った時、それは紛れもなく虐待だと思いました。虐待の定義についてはいくつかあるのですが、私の場合は心理的虐待に当たると思いました。身体的な虐待や性的な虐待などに比べて、心理的虐待はその線引きが特に難しいのではないかと思います。
ここに児童虐待の定義4つを参考までに記しておきます。
「通告が間違っていたら、それはそれでいい。大事なのは放置しないこと。」
児童相談所に通告(通報じゃないらしい)すると、いきなり親と子供が引き離されるわけではありません。児童相談所の専門家がしっかりと状況を判断し、適切に対応してくれるはずです。そう信じることしか私たちには出来ないのです。
私たちに出来ることは、実際に起きていることをしっかりと記録し児童相談所に伝えること。虐待かどうかの判断は児童相談所の仕事です。その子のことが心配なら、思い切って通告することをお勧めします。私自身通告したことで、「やれることはやった。あの家族が少しでも今より状況がよくなることを祈ろう。」と少しだけ安心?しました。
勘違いならそれはそれで良いのです。虐待はなかった!万歳!安心!それだけです。実際に虐待だった場合でも、通告したことにより状況が良くなる可能性は高いと思います。あとで事件になったとして、後悔してももう遅いのです。大事なのはこどもの立場になって判断すること。
あんなに怒鳴られて人格を否定することを言われて、つらくない人間はいません。こどもだって人間なのです。親にその人格を否定する権利はありません。「子供の立場に立って」これがキーワードだと思います。
具体的な通告の流れ
通告すると言っても、一体どこにすればいいんだ?これがまたわかりにくい。児童相談所に市町村の子供支援関係部署や警察など、該当する場所はいくつかあります。でも私は児童相談所に通告しました。それは相手にとっても自分にとっても良い方向になるだろうと思ったからです。その理由については後回しにして、児童相談所への通告の流れを記します。
まずは連絡先の確認です。電話番号は「189」です。覚え方はイチハヤクです。児童相談所としても、何はともあれいち早く通告することを勧めています。通話料は無料です。私の場合は朝7時ごろ通告を決意し、児童相談所の業務が始まるであろう8時半過ぎに連絡しました。しかし緊急であれば24時間受け付けているので、かまわず連絡しましょう。
早速電話する前に、虐待と思われる状況の整理をしておくと安心だと思います。話をまとめるのが特別上手でない人は、以下の資料を参考に自分なりにまとめておくのが良いでしょう。必須ではありませんが、伝え漏れがなく安心です。
私もこれをある程度まとめておいたお陰で、伝え漏れを防げました。聞き取りをする担当者が聞いてこない内容もありましたが、全て重要な内容です。
189に連絡すると、郵便番号を確認されます。郵便番号をもとに最寄りの児童相談所に自動的に転送してくれます。なかなか電話が通じないとの口コミも見かけましたが、私の場合はいっぱつで繋がりました。
あとは担当の方が色々聞いてくるので、落ち着いて丁寧に答えましょう。ただし担当の方が不慣れだと、聞いてくる情報に抜け漏れがあることがあります。私の場合も結構大事(だと思う)内容が抜けていたので、こちらから伝えました。まとめておいてよかった。後悔はしたくないですからね。
以上です。あなたに出来ることはすべてやったと思います。少なくとも私には、これ以上出来ることがありません。いくつかの記事には「直接声をかけてあげてください」とか書いていますが、そんなこと出来ます?出来ませんよね。日頃から関係が出来ているならともかく、無理せず通告するのが最善だと思います。
「苦しんでいる家族を、どうか助けてあげてください。」
通告時に担当者の方にお願いしたことを書きます。
「私はあの家族をいきなり引き離して欲しいなどと言っている訳じゃありません。ただ親御さんも子供もどちらも苦しんでいるようです。窓を開けて大きな声で、泣きながら子供を叱る声。悲しそうになく子供。助けを求めているように聞こえるのです。」
「だからあの家族が何か適切な支援だったり相談を出来るようにしてあげて欲しいです。どうかよろしくお願いします。」
私の場合ですが、親御さんもお子さんも苦しんでおり、経済的な事情なのか何なのかはわかりませんが、助けを求めているように聞こえたのです。通告することは支援の手とその家族を繋ぐきっかけになると信じていますし、実際そのように対応してくれるはずです。信じて祈りましょう。
まとめ
通告の判断基準は「子供の立場になって考える」。
大事なのは放置しないこと。虐待通告の窓口は、基本的に電話番号「189(イチハヤク)」の児童相談所がおすすめ。
ただし緊急度が高い場合は、警察ということもあるのかも?通告の前に必要な情報をまとめておくとスムーズ。
私も通告までに一年以上の歳月がかかりました。通告しなくても状況は良くなるのではないかと、甘い期待を抱いていました。でもそうはならなかった。この記事を見て少しでもあなたの判断の一助になれば、幸いです。
※補足 なぜ通告に189がおすすめなのか
すでに書いた通り通告できるのは主に3か所あると思います。児童相談所、警察署、市町村の子供支援関係窓口。私が児童相談所を選んだのは、それが一番確実だと思ったし相手への負担も少ないと思ったからです。
まず警察に連絡した場合。こちらも対応はしてくれると思いますが、相手の家族にとっていきなり警察が訪ねてくると、びっくりしますよね。とはいえ緊急の場合の選択肢としては、むしろ適切かもしれません。状況によって判断してください。
市町村の子供支援窓口の場合。調べた感じこの窓口は子育てをしている家庭自体が利用するものであって、外部から依頼するようなものではなさそうでした。市町村によっても違うのかな?確実性に欠けるように思われました。
児童相談所の場合。この場合は必要に応じて警察や市町村の窓口、私の知らない適切なサポートをしてくれる可能性が一番高いです。餅は餅屋と言いますか、専門家に任せるのが一番確実です。児童相談所への電話は無料なのも安心材料です。
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