つい…で私に話しかけないで〜無意識の無視
今回は、日本語のプロの方々の素敵な記事からお話をしたいと思います。
お二人の記事から、いつも勉強させていただいています。
既に記事に書かれている通りなのですが、自分の経験を少しお伝えしようと思います。
仕事で感じる違和感
私は手話通訳者です。仕事でよく感じていること。
私(通訳)に対して話さないで
そもそも通訳は回答を持ち合わせていないのです。
通訳に話しかける医師
病院の通訳に行くと医師がよく通訳者に向かって話してきます。
百歩譲って通訳ですから「伝えてください」の目線だと解釈します。
でももっと踏み込んで
「あなたに聞いているんです」
「訳さないでください」
「なぜ僕の目を見て話せないんだ」
なんて医師も。
バリアフリーの考えが広まり、対応はだいぶ良くなったと聞きます。
でも個人レベルではまだまだだと実感するのです。
手話通訳とは?
手話通訳者は「パイプ役」ただそれだけです。
そこに通訳の意思や発言は、当然ありません。
そもそもほとんどの依頼者が現場で「初めまして」です。
通訳は聞かれても分からないことだらけ。
ひとりの人が自分で意思決定し、自分の言葉で発言しています。
通訳は手話の分からない聴者にそれを伝えるという仕事です。
オプションで介助や後見の仕事はありません、不要ですから。
医療現場のみならず、役所でもそういう方がいらっしゃいます。
ろう者がお勤めの会社に通訳に行って感じることも。
認めてもらえず日々お辛いだろうなと思います。
“つい”無視してしまう
「なぜ通訳者に話しかけるのか!
私に話すべきでしょう、差別する気ですか」
地域のろう団体の会長が役所の方に言っている通訳をしたことがあります。
役所の方も無意識でつい、やってしまったのかもしれません。
でもそれって存在を無視しているってこと。
つい、で誰かを無視してしまう。怖いことだと思います。
私もろう者と手話で話していて傍から声をかけられると、つい、そちらを向いてしまいます。
つい、やってしまったことですが、ろう者は「先に話していた私より、後からきたその人を優先させたんだ」と思うでしょう。
音に敏感、それだけでろう者を無視してしまうことになります。
人と真正面から向き合う、目を逸らさない
第三者返答や無視をしないようにする秘訣かなと思います。
コミュニケーションを取る上で当たり前のはずなのに、意外に訓練が必要そうです。
繰り返して癖づけて、
“つい、向き合える” ようになりたいです。
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