オスカーワオの短く凄まじい人生


私は、南米の書籍が、大好きだ。
いろいろな人、ガルシア・マルケス「百年の孤独」は、ご存知だろうか。イサベル・アジェンテや、ホルヘ・ルイス・ボルヘスなど、図書館にある、南米の、作家の本を、片っぱしから、読んだ。

それでも、この、ジュノ・ディアスの「オスカー・ワオの、短く凄まじい人生」は、作家と年代も近いこともあり、特に面白かったのです。


物語のはしばしに、感じる、この焦燥感と、スピード感で、物語は、進んでいっていると思います。
超オタク青年、オスカーを、取り巻くお話。
ものすごく、格好いい、いや、オスカーは、格好悪んだけど、、
なぜか、文章が、洗練されていて、格好いいんです。
オスカーの母。ベリの、物語も、機知に富んでいる。どうしょうもない、ギャングに、惹かれるベリ。恋が、盲目すぎて、寒気がするくらい、ハードな章や、
時は、1930年代、ドミニカを支配した、独裁政治家、トルヒーヨの、話も挿入されている!
トルヒーヨとは、私たち日本人には、なじみの薄い人物かもしれない。しかし、南米で、トルヒーヨときくと、皆、震え上がる。悪徳どころか、めちゃくちゃな、独裁者であった人物だ。トルヒーヨのことを書いた本で、有名なのは、マリオ・バルガス・リョサの「チボの狂宴」という本がある。
不正な選挙、脅迫、暗殺を繰り返す。
一介の庶民から、一代にして、大統領にのぼりつめ、ドミニカ共和国を31年にわたって、支配した男である。
しかし、トルヒーヨの、おそろしさを。内側から見つめ、文学に昇華させている。読んでいて震えた。いち、エピソードにすぎないのに、衝撃的すぎた。
しかし、どの章も、ウィットがあって、機転が、きいている。そして、ユーモアにあふれている。

読んでいて、ワクワクするし、楽しい。このスピード感にのって、読んでいる自分が、楽しい。
そんな風に感じる本は、初めてかもしれない。さすが、ピュリツアー賞、全米批評家協会賞の、ダブル受賞されている本だけあります。

かなり、おススメします。

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