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読書1:『自分を好きになれない君へ』を読んで 孤独な存在をぶつけあえ!

この本の読書の目的


自由に魅力を磨き、自己受容するために
自分を見つめる、知る

読書した本
野口嘉則『自分を好きになれない君へ』小学館YouthBooks , 2022

孤独で、誰も理解してくれない(そう思う時)時、自分で自分を養育する視点を持つことは今のあなたにとって大切なこと

この記事をわかりやすく読むために要約と私の意見を分けて書きます。

まず、今生きるのに必死で、自分で全てを抱え込んでいる時、「自己受容、自己肯定感」なんて言われてもイラっとくるだけです。だいたいこういう言葉を書かれると、上から目線で何様のつもりなのだろう?と感じると思います。「あなたはそれで乗り越えられたから、自慢しに来てるのかな?」という気持ちにもなると思います。(正直そういう匂いを醸し出してくる大人も多いです。内省の時間も与えずに、ただ肯定感だけを押し付けてくる大人もいます)でも、もし自分を押し付けるこの世界の圧力のような嫌なものから自由になれる思考のきっかけになるといわれたら、少し気になるのではないですか?その手掛かりになるものが、自己受容かもしれません。ある意味自分の今持ってる色眼鏡を外して自分の現状を正しく理解する能力を育てることになると私は思っているので選書しました。

この本に書かれていることの内容を自分の関心事に引っかかるところを要約して書いていきます。以降、要約部分は『』でくくります。

自己肯定感の根っこと特有の観点を磨くこと

『著者は「自己肯定感」というのは積み上げていくものだと書いてます。(p39)
要は自己受容というのは、どんな状態の自分も受け入れることなので、自分の好きなところを集めて好きになっていくという肯定感は上手くいかないのです。どんな感情になっていても、その感情になっている自分を受け入れることが必要です。そうしていくと、自分に価値があることを自分の中でつくっていくことができる、ということです。こうしていくことは、他者受容にもつながり、変に他人にイライラすることが減っていきます。そして他人と自分の優劣をつけなくて済むようになります。著者は肯定感を育てると、上に書いたようになれる、と書いています。』

『「自分の価値」という観点でもっと細かい話をすると、
p46にて、being は存在そのもの、自己受容につながりますが、havingは持っているもので、この持つを育てても私の存在そのものを大切にすることにはつながらないと書いてあります。』

私は自分の持っているという条件を磨くことを否定はしません。しかし、それを集めて、それを自信にしてしまうと、他人を見る視線が何を持っている人なのかで見るようになります。確かに、何かを持つためには努力が必要なので、その努力を評価している自分は正しいといえば正しいと私は思いますが、それだけだと視野が狭くなります。何かを持っている=努力、偉い、という思考は他の観点を見落とす可能性があります。それはその人の完璧しか愛せない、ということになります。私は今も完璧主義だとなぜか言われますが、なぜそう言われるのかなんとなく最近わかってきました。まあ、私はそんな自分を否定する気はないのですが。失敗して、傷ついて、弱くなってしまうときもある。これを通して自分の観点を磨いていくことです。おそれず、とりあえず活動することが重要だと感じます。でも、それは自分ができる範囲で、です。

自分のルーツを考える

感情のルーツ
『悲しい気持ちは感じきらないといけない。気持ちにふたをすると、同じような出来事が起こった時にトラウマが発動してしまう。起こりそうだな、と思ったら、起こってもいないのに、反射的にトラウマを想起させるものを避けるようになります。悲しい気持ちが沈殿してしまうと、気持ちが和らぐことがないのでずっと苦しいままということが考えられます。』

上に書いたことは、幸せの前兆かもしれないことも避けることになるのだろうと私は思います。しかし、何かから反射的に逃げたくなるという本能は自分を救うこともあるので、一概に悪いともいえないと思いますが。

自分を形作る言葉のルーツ
自分自身にかける言葉のルーツを考えた時に、インナーチャイルドとインナーペアレントとの関係で説明できます。

『自分の中にはインナーチャイルドとインナーペアレントが存在します。インナーペアレントは両親など、自分を育ててくれた人がモデルになっています。自分に対して厳しいことを言ってしまったりするのは、自分の中にあるインナーペアレントが小言を言っている、ということになります。
育て親がモデル、ということは小言を言ってくる言葉は、昔両親に言われた言葉だということになります。私の場合なら主に母親ですが。自分がなぜこのような反応をとってしまうのか、というルーツを探ると、自身に課している抑圧を知ることができて、冷静に分析できます。インナーペアレントを受容型ペアレントに変えることが大切だと述べています。』

肯定感の考え方の下地が整ったところで、自己受容の具体的対策を3点に絞ってまとめてみます。

実践

①感情を感じる練習
『ヴィッパサナー瞑想、今を感じる瞑想。being瞑想。感情自体を感じる練習です。何かを変えるための練習ではないです。』

・『身体感覚をスキャンする。ここに存在することを感じる。「ここにいていい」と存在を肯定する。身体に重さ、凝りを感じてもそれをどうにかしようとせずに、ただ感じます。感情をスキャンしてみてもいいです。』

私はこの方法は実践していません(笑)じっとしていられません。なのでどちらかといえば、書く方がいいです。ぼんやりしていると、結局思考に脳が走ります。

・『「共感」と「許可」の言葉を自分に贈る
「不安だね。その感情を感じてもいいんでよね」といった具合で。』

・『日記を書く

共感と許可だけを書きます。無理にポジティブシンキングなことを書く必要はありません。それは今も変わらないのですが。日記は出来事、共感、許可だけを書きます。』

自分の感情、考え方の分析用だと思えば書きやすいと思いました。また、ポジティブ=正義みたいな思考に疑問を持っている私にもやりやすいです。

②感情の禁止令を見直す
著者は繰り返し、「○○してはいけない」という考え方を見直すように本では進めています。自分の感情を抱きしめること、を主軸にしているようです。そしてその上でこの自分で自分を縛る禁止がどこから湧いてきているのか分析することを説いてます。
『禁止令は昔、自分が自分を守るために強いてきたもの』だと言います。私はとても頷けるものでした。昔守ってくれたのだから、今もそうだと思ってしまうのです。しかし、状況はもう変わっているのです。昔の環境ではないのです。変化が必要です。身体も代謝が悪くなると、具合が悪くなるように、思考も代謝をしないと、きっと自分の内側が腐りはじめるのです。

③自分の中に心の安全基地を持つ

自分の心に素直になる。
これは他人を拒否することになる覚悟が必要です。
そして、私自身も拒否される覚悟が必要です。
ただ、お互いそうした覚悟を持ちながらも、独自の意見を持ち、相手を尊重する姿勢があれば、バランスのよい関係が築けると考えています。
なので、自分のない人が他人と深く関わることなどできません。孤独な存在をぶつけ合うのです。

書籍では、
『他人の感情の責任を持つ必要はない。安全基地を持つことで、他人に侵入されない、また、何か傷つくことを言われてもダメージを減らすことができる。心のお守りになるものを自分でいくつか持っておくことが大切。さらにそれを分散させて、一つのものに依存しないようにすること。そうしていくと。客観的お守りがいつしか自分の内に内在化して、自分の内に安全基地を持つことができる。』とあります。

嫌なものはイヤ。他人との間に境界線を持つことは大切です。自分の感情の責任をとることでもあり、相手を「ひとりの人間」として尊重することにもなります。そして自分を尊重することでもあります。相手と自分はどこまでいっても違います。分かり合えないのが前提です。それが他人というものです。分かり合う、といっていれば世の中安全でしょうが、そうでない事実をみることが必要だと私は思います。その上で、愛し合える相手がいたなら、それが素晴らしい。私はそう、考える。私がこの本を手に取ったのは、最初に書いた理由もあるけれど、多分、誰かと愛し合いたいと、人を愛してみたいと思ったからでもある。

最後に

本から得たものを簡潔に書きます。

自分の思考や感情を知ること、自分で正解を決めること。
心の養育者を自分でつくること。

                      以上


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