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【ボカロ曲】作編曲コンテスト「録れコン」で賞を獲るためにしたこと11選


おかげさまで作編曲の全国コンテストで賞をいただくことができましたので、今日はそれをいただけるようになるまでの道筋について書いてみたいと思います。

賞を喉から手が出るほど欲しがっている方に助けになればと思います。

2022年度の「審査員特別賞」受賞

まず、私がいただけたのは「審査員特別賞」です。
グランプリはインスト部門の方が獲得。ボカロ曲の優秀賞はなんと16歳の作編曲家の方が獲得されています。

そんな中私は上記賞をいただくことができました。

ちなみに受賞した作品がこちらです。

最終選考にも以下の2曲残っており、なかなかに良い成績だったのではないかと思います。


ただ他にもっと自信あった曲が最終審査残ってないことが少し納得いってません。
それは採点方法や審査員の好みによってしまうのでしょうね。(歌詞がコンテストに相応しくないとかも)

ちなみにコンテストに送った曲は、昨年作った曲全23曲です。
4万円の投資となりました。

録れコンとは?

録れコンというのは、島村楽器主催のコンテストで、毎年3月に開催されます。

応募できるのは「権利を有するオリジナル楽曲」で、自身やグループ内でミックスを行う必要があり、

MIX師やエンジニアを介することが認められていないため、プロでも賞を獲るのが困難なコンテストです。
(実際は委託して送っちゃう人もいるんでしょうがそこは紳士協定かと)

私がこのコンテストをターゲットにしたのは、他のコンテストが「未発表曲」であることが多いためです。
私の場合できたらすぐにSoundCloudに上げてしまうため、募集要項を満たさなくなってしまうんです。

録れコンの場合、MIX師を介さないくらいしか制限がないためこのコンテストに絞ることにしたのでした。

ボカロで作曲を始めて1年という経歴

私自身はボカロ文化では育っておらず、新型コロナウイルスによってすべてのバンドが解散したことが、ボカロで作曲をするようになったきっかけになります。
数年前は対バンしていたバンドも全員音楽を辞めてしまい、今では音楽友達が皆無です。

作曲自体はさらにその前からしたことがあり、スティーヴィーワンダーの日本公演でバックコーラスを担当された先生、クラシック系の先生、バークリー卒の先生に合計で一年半師事したことがあります。

とはいえぶっちゃけ、大したことは習ってません。

なので、一年前のスペックでは作曲自体はできるものの、けして賞を獲得できるようなスペックではありませんでした。

そんな私がなぜ賞を獲れたのか?

賞を獲得するためにしたこと


したこと1「1年の目標→3か月目標へブレイクダウン」

まず年初から目標を立てました。

私はそもそも以下の自己理解メソッドで自分の生きる理由が

「感動し、感動してもらうことで人生を輝かせていくこと」

ということがわかっています。


これは企業理念のようなもので、いつでも立ち戻る目標です。

年初はそこから1年目標定めました。

一年で20曲作る(アルバムを作る)

個人的に、「アウトプット量が質を高める」というポリシーを持っていまして。

よくあるじゃないですか?
長期連載の漫画の絵が初期と現在で全く違くて、現在の絵はえらい洗練されている。。みたいな。

だから、まず数をこなそうと考えたんですね。
そのために1年に20曲を作ることを目標にしたんです。

その後、それを実現させるために3か月目標にブレイクダウンしました。

5曲フルコーラス作る

無謀すぎて、絵に描いた餅となりそう。。と思うかもしれません。
そうしないために、行ったのが次です。


したこと2「目標を壁に貼る」

目標が絵に描いた餅にならないようにするために、iMacの奥の壁に目標を貼りました。
自分への脅迫状でもあります。

1年目標
3ヶ月目標

ただ、達成できたときにはこれを豪快にペンで消していく。

当然、最終的には三ヶ月目標の紙は4枚となりました。

達成できないときもありましたが、一年後見返すと作曲に関してはすべて消すことができましたね。


したこと3「作曲の習慣化」

とはいえ、それまで積極的に作曲作業をしてこなかったので、最初は上質なものなんて作れるわけがありません。

ピアノアレンジだってまともにできないんだから。

だから、名曲を作ろうとは思わずにとくかくハードルを下げ、作曲作業自体を習慣化することにしました。

物事を習慣化するにはトリガーを設けることがよいそうです。

例えば朝起きたらまず、「机に座る」というルールを作ったりすることで、それが作曲のスイッチとなるようにしていくということです。

私の場合は、身支度が済んだらMacの前に座り、「前日書いたブログの記事を投稿する」をトリガーにしていました。

したこと4「2週間の締め切り」

アウトプット量が質を高めるを信じて、アルバム2枚を1年で作るためには締め切りを設ける必要があります。

1年でアルバム2枚ということは、最低20曲はできていないといけないということです。

そうすると自ずと2週間という締め切りになってくるんですよね。

作曲だけなら十分可能ですが、生業もありますし、私はブロガーでもあるので、記事執筆もしていくとなると相当にタイトです。

今思えばなぜできていたんだろうかと思いますが、いわゆる「おうち時間」を最大限活用したということになります。


したこと5「巷の楽曲のコード分析週一曲」

人間、何もない状態で新しいものを作り上げることはできません。
これは、クリエイティブ入門という本に書かれています。創造とは、自分の好きと好きの掛け合わせでしかない。と。

それは天才と呼ばれるクリエイターでもそうです。

よくパクリだとか焼き直しだとか言われてしまうアーティストがいますが、それは天才も同じで両者の違いは、「好き」の噛み砕き方のうまさなのだと個人的に解釈しています。

作曲におけるよい教科書は、巷で流れる音楽です。

それらを吸収し、自作曲に活かしていく。
そのために週に一曲コードやメロディーを分析して記事化するということをしていました。


したこと6「巷の楽曲の歌詞分析週一曲」

こちらも同様です。
歌詞こそ自由な世界です。ですがやっぱり伝わる言葉を書きたいじゃないですか。

そのためにやはり巷の楽曲の歌詞の意味を考察し、これも記事化していました。
別に間違ってたっていいんですよ。自分の心が震えるならば。

最近感動したのは、ヒゲダンの「ミックスナッツ」ですね。
ミックスナッツの中で、ピーナッツって唯一「ナッツ」じゃないんですよね。

偽物が混じっているということでスパイファミリーの世界をうまく表現していると思います。


したこと7「ミキシングスキル体系化」

作曲したことある方ならわかると思うんですが、一生懸命メロディー決めてコード決めてアレンジして歌にして。

そのあとに巷のCDを聴くと自分の曲との差に愕然としますよね。。

音楽を一気にCDクオリティーにする、「ミックス」という作業。

録れコンは師に依頼することが禁止されている以上、自分でやるしかありません。

さらに、2週間で一曲仕上げるためには、ある程度体系化されたミキシングのノウハウが必要です。

そのために、RMSメソッドというカンタンにCDの音に仕上げることができるメソッドを自ら開発しました。

ミックス初心者~中級者向けのものですが多くのDTMerに好評いただき、楽曲の質を上げることに成功しています。


したこと8「楽曲リプロダクション」

そうしてひたすらに2週間締め切りで曲を作っていきました。

もちろん最初は、自分は天才ではないからと、ある程度妥協した楽曲を完成させ、翌日にはきっぱり忘れて次の曲にとりかかる。

そんなことを繰り返していました。

すると、6月前半くらいには10曲も持ち曲が増えていたんです。
つまりアルバム1枚目リリースです。

その時点で、自分のこれまでの作業量で経験値がぐんと上がっていることもわかっていましたし、新しい曲ほど質が上がっていることに気づきました。

まさに「アウトプット量が質を高める」が現実となったのです。

そこで余った時間で行ったのがリプロダクションです。

これまでの楽曲のよりよくなる部分を考察して第二稿を考え、質を上げていくのです。

コードから直すとかではなく、あくまでアレンジの部分です。
ドラムのフィルだったり、各楽器のフレーズだったり。。

あと重要なのは「アボイドチェック」です。
結構感性にまかせてストリングスなど思うがままにアレンジしていると、意外とアボイドで伸ばしてしまってたりします。

それを丁寧に回避していく。そうしてより聴きやすくしていくのです。

それでできたのがアルバム「不透明人間」でした。



同様に12月にも新たに10曲が仕上がっていた(後のアルバム「True Colors」)ために、そこから今度は時間をかけて応募ギリギリまでリプロダクションを行いました。


したこと9「エントリーシート記入」

そうしてできた曲たち。
応募には、エントリーシートを書かねばなりません。

そのエントリーシートの自己PRや楽曲PRにどれだけ審査員の胸を打つ言葉が書けるか。

これが実はとても重要です。

やっぱり、音楽って感情を左右させるものじゃないですか。

プロの審査員だってやっぱり「人」です。
音楽が大好きで音楽業界いるわけです。熱い人たちなはずなんです。

そのために、感動できるメッセージを一曲一曲書きました。
歌詞を含めると、曲数×PR分でWordファイル40ページくらいになったと思います。

このエントリーシートでうまい文章を書くために、一年ブログ書いてたんじゃないかと思うくらい、ブログのスキルが役に立ちました。

ただ文字が多けりゃいいというものでもありません。

あなたがその楽曲で伝えたいことは何ですか?
その本質を丁寧に掘り下げて新たに言葉にしてみましょう。

できますよ、作詞もできるんだから。


したこと10「23曲送付!」

この一年で23曲を作り、一年で成長したスキルで全曲リプロダクション。
ミキシングもCD品質に仕上げ、最終的に23曲送りました。

たぶん、作成した期間と曲数で言えばこのコンテストでは1位ではないでしょうか?
数というのは実は大事です。

それだけ審査員の目に留まりやすいし、何より審査員だって暇じゃありません。

一人でこんなに送ってほしくないじゃないですかw
来年も同じ数送ってほしくないと思うんですよね。

だから賞に近づけると思ったんです。

ただ、程度の低い曲を23曲送っても仕方ありません。
すべて「おっ」と思わせるものを23曲送る必要があると思うんです。

そのための一年でした。


したこと11「芸能系神社参拝」

ぶっちゃけ、最後は神頼みです。

コンテストも上位にいくほど点数式になって、なぜか結果的に「え?っっ」という曲が賞を獲ったりするものです。

だから最後に神頼みするわけです。
地元の神社には散歩がてら毎日いきましたね。(←実はこの地元の神社がとっても重要)

あとは、芸能系神社には本当によく行きました。


そして得た「審査員特別賞」

ぶっちゃけまだまだ作曲スキルは低いかもしれません。
でも、気持ちが勝った。

賞を獲れなかった多くの方々との違いはここだけだと思います。

おかげさまでプロの審査員さまにも「作編曲能力申し分ないアーティスト」と認定いただくことができました。


賞を獲る人=賞を獲りたい人


ここまで読んでいただいて、賞を獲る人がどういう人かというのがおわかりいただけたと思います。

極わずかな所謂「才能」がある方、多くの方の「支援」がある方を除いて、

賞を獲る人=賞を獲りたい人

なんです。

正直私はここまでやって賞が獲れなかったら、「世間からフィルタリングを喰らっている」と解釈する所存でおりましたw

ですが、なんとか届くことができました。

ただ、私はまだこれで終わりたくないです。
もっと夢をかなえていきたい。

そのために、今回賞を獲った別の方々にもDMして、使ったプラグインとか聞いて回っています。
おそらく賞を獲らなければそんなことはしなかったでしょう。

「賞を獲る」とは、「自分のステージが変わる」というということなのかもしれません。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

私が「録れコン」で賞をいただくまでになった道筋でした。
あなたの作品だって賞を獲る可能性を秘めています。

いっしょにがんばりましょう。

そして、この記事を読んでくれたあなたといつかいっしょに作品を作り上げることができたなら最高だなと思います。


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