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失敗を繰り返さないために~レヴィンの法則から失敗を分解する~

誰しも一度は失敗を後悔した経験があるだろう。
ここでは「どんなときに失敗行動をしてしまうのか?」という失敗の構造を描くことに挑戦をしたい。

1.そもそも失敗とは?


まずは失敗を定義したい。
①自分の行動の結果、はじめに定めた目標を達成できないこと。
②自分の行動の結果、予期せぬ結果が生じること。

①の中でも「途中で失敗する気がしているが、突き進んでしまう」ケースがある。
そんな「分かっているけど失敗行動をしてしまう」ことに特に関心を置きながら書き進める。
私自身がこのパターンに繰り返しハマりがちであり、抜け出したいと心から思うからだ。

2.失敗の構造

(1)レヴィンの法則

失敗行動の構造を考えるにあたり、レヴィンの法則を参考にした。

レヴィンの法則:人間の行動(Behavior)は人間性(Personality)と環境(Environment)が決める

レヴィンの法則

(2)失敗の構造

レヴィンの法則を失敗行動に当てはめると、以図のようになる。

失敗の構造(全体像)
  • 人間性:個人の価値観、性格、感情、本能が影響

  • 環境:組織の戦略、人事システム、オペレーション設計が影響

  • 行動:人間性と環境が組み合わさった結果、意識的、無意識的に失敗行動(冷静に考えればしない行動)をしてしまう。

(3)人間性(P)を更に分解する

人間性の部分は十人十色であり、自分のことでも、相手のことでも何が失敗行動の引き金になるか判断が難しい。
具体的には、以下が複雑に絡み合っている。

  • 論理:腹落ちして、考えた上での行動。丁寧に説明すれば、行動を変えられる。

  • 価値観:価値観による優先順位付けの違い。目標が同じでも優先順位付けで目標達成のルート違う。価値観を意識して行動する人と、無意識に行動する人がおり、完全に制御できない。

  • 感情:感情のきっかけが分からない。制御度合いも人によってまちまち。

  • 生存本能:原始時代から脳に刻み込まれており、相当意識しないと制御できない。

人間性①:価値観と感情
人間性②:生存本能

以上より、失敗行動の引き金となる変数が多く、自分の行動を変えるにしても、相手の行動を変えるにしても、目に見える環境だけでなく、目に見えない個々の特性を考慮にいれる必要があると分かる。

3.失敗を繰り返さないアプローチ

失敗の要因は複雑であるが、失敗を最小限にしたい。同じ失敗を繰り返したくない。そのために何ができるだろうか?

(1)組織でのアプローチ

組織でのアプローチでは、マッキンゼーの7Sが、漏れなくダブりなく失敗防止対策を打てる点で使える。
組織では人は間違うもの(性弱説)を前提とした仕組みづくりが必要だ。

7Sで失敗を最小化する

(2)個人でのアプローチ

個人では、①自分が失敗行動をしないこと、②相手に失敗行動をさせないことの両輪が必要だ。大まかには、以下のようなアプローチを取りたい。

個人の能力を高める、自分と他者を理解する
  • 自分自身の業務遂行能力をを鍛え続ける(学び続ける)

  • 自分自身が感情に振り回されずに判断すること(心を鍛える、マインドフルネスで感情を客観視する訓練を積むなど)

  • 相手個人の人間性(P)と置かれた環境(E)に合わせて、目標達成行動へ導く方法を変える

4.最後に

自分自身と他者がなぜ失敗行動を起こしてしまうのかを考えてきた。
しかしながら、失敗は成功の基であり、正解無き社会での失敗完全回避は不可能、ということも事実である。

失敗を未然防止しつつも、失敗から学ぶ姿勢も常に持ち続けたい。

失敗と向き合う

5.参考文献

参考文献


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