全てを飲み込んだ海。それでも変わらずに私たちは海を愛している。
高田松原海水浴場が
11年ぶりに海開きをしました。
震災の1、2年前まで、
当時1、2歳の息子を連れて
海水浴や釣りに
訪れていました。
「海、気持ちいいよ」
幼い息子がそう言って遊んだ
陸前高田の海。
目の前に広がる景色は
以前とは全く違いましたが、
海の青さと美しさは
あの日のままでした。
海も、そして空も風も
私たちを優しく迎えて
くれました。
海水浴場は綺麗に整備され
海岸沿いには
4万本の松が
綺麗に植えられていました。
堤防の上から
町を眺めていた息子が
言いました。
ここも全部
飲み込まれたんだね…
震災後間もなく
町を訪れた時のことを
思い出しました。
あの日から
着実に復興は
進んでいました。
何もかも飲み込まれた町には
緑の稲穂が揺れ、
草木が芽吹き、
新しい陸前高田の町が
生まれつつありました。
全てを飲み込んだ海。
それでも、
この町の人たちは、
私たちは、
海を変わらず愛していて
これからもずっと
海と共に生きていくのだと
改めて感じました。