高校の進路(就職)指導室で時間を過ごした感想
高校の新卒者採用を(も)されている企業のご担当者で、実際に進路指導に使う部屋に入った方はどの程度いますか。
先日、協定を締結している高校に伺いました。企業の情報(パンフなど)が送りっぱなしにされ、積みあがっていました。 膨大なファイルが壁一面にありますが、個別の封筒を開けて、必要なファイルに一社一社入れていくのは、とてもではないですが、進路指導だけを担当する先生/職員がいないと不可能です。
それ以外にもやることが当然たくさんあります。
僕が見た高校には、一枚の紙が壁に貼ってありました。そこにはQRコードと企業名があり、その先には高校生に選んでもらいたい企業さんが、そのために撮影した1分程度の動画につながっています。
育て上げネットでは、連携する高校の進路や進学、生活のための相談を、学校内で行っています。カフェのような形式での居場所や学習支援をご一緒することもあります。 ただし、役割として時間も限られているため、上述の膨大なファイルから、生徒にとってよい企業さんを見つけながら、おひとりおひとりに情報を提供できるリソースは限定的です。
また、少なくない企業が作成するパンフレットは、おそらく、これから仕事をしていく高校生のためだけに作られていません。 会社の説明をしっかりするために、写真とともに、文字もびっしりあり、結構難解な感じもさらっと使われ、(仕方がないですが)カタカナも多いです。
いまは人手不足、採用が難しいと言われており、たくさんの企業さんから、僕らにも連絡をいただきます。パンフレットもいただきます。複数業務をやりながらなこともありますが、それでも、それを仕事にしています。 学校の先生方は必ずしもそうではありません。
授業もあれば、部活を持たれていることもあり、進路がいろいろな生徒を見ているため、就職希望者ばかりではなく、さまざまな悩みに応えるために、限られた時間を使っています。 では、進路指導などを担当される先生方から、よく期待されることは何かと言うと、「生徒にとってよい企業があれば教えてください」です。
とてもではないですが、現業務に加えて、一つひとつの企業を調べて、生徒の希望とすり合わせていく時間はありません。
学校に、専属のキャリア・コンサルタント(など)が配置されていれば別ですが、いまは就職や就労よりも、メンタルケアやソーシャルワークが必要な生徒のための専門家が配置さていることが多いです(常勤でなく)。
ある特別支援の高校にお邪魔した際、まさに進路/就職指導のための専任の先生が複数名、配置されていました。当然、多忙なのですが(アフターケアを含むため)、企業の情報については非常に豊富かつ深い視点がありました(知人がもともと人材系企業から転職しています)。
いろいろな高校があり、さまざまな生徒がいますが、就職希望の生徒にとって、また、採用したい企業さんにとって、いまの状況は(一人一社制も含みますが)誰にとってもしんどいです。
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