トイレに行きたい人
トイレに行きたい。
体は動かない。
別に動かそうと思えば動くのだが、それを脳は許さないようだ。
そんな脳を私は許せん。
私は理不尽が一番嫌いなのだ、だから脳を許すことはできないのだ。
我慢したいと思っても我慢させてくれない、
続けることに意味があるのにやる気を無くす、
怠惰が致死性の毒であることを知っておきながらこの私に惰眠を貪らせる、この脳みそが許せんのだ。
そもそもこのトイレに行きたい衝動だって脳みその野郎が指示しているに違いない。
ふざけやがる。
偉そうに頭の容積を掻っ攫いやがって、何がみそなんだ。みそに謝れ。
味噌汁は体も心も暖めてくれる、それと比べてどうだ貴様は、ろくすっぽ幸福感がないではないか。
そんなことを言っている場合ではない、漏れる。
そうして私は脳みその呪縛から解き放たれるのであった。
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