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ソフトウェアづくりはモノづくりである

モノづくりはハードウェアを作ること?

ここ1年ぐらいで何度も繰り返し感じていることがあります。

それはソフトウェアもモノであり、ソフトウェアを作ることはモノづくりであるということです。しかしながら、ハードウェアを作ることがモノづくりであると考えている人がまだまだ多いのではないかと感じています。そして、このことは日本社会に悪い影響を与えているのではないか、価値観を変えていかなければいけないのではないかとも感じるのです。

私自身、かつてそのように考えていたので、そのように考えている人と話をすると、会話の節々にそのようなことがあらわれて、その人の気持ちがよくわかります。

私の地元、静岡県浜松市は、HONDA、YAMAHA、SUZUKIなどの企業の発祥の地であり、社会の授業のときに浜松のモノづくりの冊子が配られていました。そこには、オートバイや楽器などを人が作っている写真がたくさん載っていました。そのような画像をモノづくりという言葉とともに何度も見たことによって、ハードウェアづくりがモノづくりと、ある種、刷り込まれていたのではないかと思います。

ソフトウェアって実態がないもの?

私が高校生だった時、大学の専攻を選ぶ際も、ソフトウェアのことを学べる情報工学科は選ぼうと思っていませんでしたし、選びませんでした。それは、ソフトウェアが実態が伴っていなくてよくわからないものと思っていたからでした。

しかし、IT企業で働いている今となってはよくわかりますが、ソフトウェアには実態があります。それは人が手で作ったプログラムであるということです。

その証拠に、たとえば、特許庁の商標の区分で、コンピュータのプログラムはモノである第9類に区分されます。コンピュータのプログラムも、モノなのです。見えないモノです。しかし、モノという言葉が入っているではありませんか。モノなのです

しかしなぜだか、ソフトウェアというと、特にプログラムにふれたことがない方たちからすると、実態がよくわからない謎のものと感じる人が多いのではないでしょうか。しかし、プログラムはいわば、「人が書いたコンピュータに対する動作指示書」です。なので、実態がよくわからない謎のものではないと現在は考えています。

ソフトウェアがよくわからない謎のものだと思われていることは日本社会に対して悪い影響を与えているのではないか

ちなみに、ソフトウェアが実態がよくわからない謎のものと思われていることは予想以上に社会にあまり良くない影響を与えているのではないかと考えています。

実態がよくわからない謎のものにお金や時間をかけて投資しようと思いますか?思わないですよね。よく知らない人にお金を投資しようとしますか?しないですよね。それと同じことが、ITを活かせていないと嘆く企業の中でソフトウェアに対して、起こっているのではないかと思うのです。

ときどき、あるお客様から「こういうITとかいうのは自分は仕事で行うのが初めてで(よくわからない)」といわれることがありますが、ITといっても、ソフトといっても、それは人が作ったプログラムであり実態はあります。ただそれがデータとして普段目に見えにくい媒体の中に入っているだけで、実態はあるのです。なのでまずはそのことを理解いただくことが大切であると考えます。

ソフトウェアはモノづくりであり、日本の製造業も作れる可能性を秘めている

実態はあるモノので、それらを使うときは、ユーザーは作り手の予想に反してときどき使い方を間違えてしまうこともあるでしょう。また、作り手はそのもの自体を継続的に改善することもできます。それらのことは日本の製造業が今までに何度も考えて改良してきたハードウェアのものづくりと全く変わりがないのではないかと思うのです。ソフトウェアを作るプロセスはハードウェアを作るプロセスと異なりますが、作り方が異なるだけで、2つともモノなのです。

日本の製造業はソフトウェアの開発方法を理解していないことが多いだけで、作り方さえ理解すれば、同じモノづくりであり、日本の製造業がクラウドでSaaSでアプリケーションをゴリゴリ作って提供し海外に輸出できる可能性もあるわけです。

むしろ、アジャイルのカイゼンという考え方など、世界のソフトウェア開発のプロセスの中に日本の生産方式が組み入れられていることもあるぐらいなので、可能性がある、どころか、出来るのではないかと考えています。

じゃあ仕事の中でどのようにソフトウェアを作ればいいのだろう、社内にプロセスもないし、人もいないし。そのようなことでお困りの方はご相談いただければと思います。

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