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"美味い!" 自己肯定のススメ。

どうでもよい事だが、僕はOだ。
血液型の話である。

よくA型でしょう。と言われがちで何故だか几帳面なタイプだと思われている節があるが、いやいやどうして、いたって大雑把な人間である。(なんなら一家揃って仲良くO型だ。)

大抵の事はだいたいでものを進めてしまうし、料理なんてまさしくそれで、基本的に目分量だし手順も脊髄反射に近い。失敗も辞さない。
(それが故に、レシピを書くと脳内が整頓されてグリッドに沿うという逆説的な効果が生まれる。)

自分は料理が好きというより、己に忠実というか、自分を喜ばせるのがわりと得意なのだと思う。要は、その日その日、自分が何を食べたいか、どうだったら"美味い!"と思うのか、都度、心の声に耳をすませてみるのである。

調理は厳密に言えば化学反応であって、"美味しさ"は様々な要素が起因して成り立っている。ただ、そこに"感情"も加味されてくるわけで、いかにそれを(気分も体調も)汲み取るかによって、"もしや天才?!"(あくまで個人の感想です)と自画自賛したくなる料理が作れる様になるのではないだろうか。

"料理"という行為自体はまず創造的であり、それは食べる事も出来る、心身共に満足をさせられるという、非常に自己肯定度の高い行為なのである。

なので、もし貴方がこの一週間忙しく働き詰めだったのなら、単純明快に、美味い! で自分で自分を思い切りハッピーにさせてあげて欲しい。

こんなに頑張ってクタクタなのに、誰も褒めてくれないし…。
仕事や学校や家も面倒くさい事ばかりだし…。

待ってー!

貴方はめちゃ頑張っているし、すごく偉いし、とても美しい!

よし、人類原始の調理法で自分を満足させてやろう。

"肉を焼く"。
「ワイルド&シンプル」だ。(「ヤング&シンプル」風に)

簡単で、幸福度が高い、すぐ出来る。
(ヴィーガンの方には申し訳ない。)

<用意するもの>
・牛肉 1枚(今回ので300g前後)
 部位は好みだけど、個人的には脂の少ないモモやランプ等の赤身がベスト。
 高いものでなくてOK、出来れば和牛、オージーで選ぼう。
・塩 味付けは以上。*詳細は後述
・付け合わせ 自分は大抵、にんにく、クレソン。玉ねぎやジャガイモもGOOD.
・アルミホイル 蒸すのに使用する。

そこで、"ただ焼くだけ"、というシンプルな調理だからこそ、出来れば拘っておきたいポイントがある。

・塩

味付けはこれだけである。胡椒も使わない。何度も試してきたけど、個人的にはそれが一番美味しいと思っている。
つまり塩によって味が決定してしまうので、これだけでも良いものを使うと自分が嬉しくなるのは間違いない。
僕は塩を何種類かを料理によって使い分けているが(沖縄料理だったら粟国の塩というように)、肉を焼く時に使っているのはこちら。

英国王室御用達の伝統の塩「マルドン シーソルト」。
しょっぱさに角がなくて、肉自体の旨味がアップするような仕上がりになる。
もちろん、これに限らず色々試して自分好みを見つけ出すのもまた楽しい。

フライパン

これももちろん、家にあるもので構わない。ただ、単純に厚い鉄フライパンで焼くと、お店で焼いたような焼き具合が手に入れられるのである。

クボタ食堂では、肉用はプロ・アルテのグリルパンLODGE 10・1/4インチ ラウンドパンを使っている。
これも語り出すとキリがないが、鉄フライパンはわりと沼なので、もし深淵を覗き込みたい方は、僕が偏愛する葉山COOK&DINEさんにアクセスしてみてほしい。(ここに通うようになってから鉄鍋熱が加速したのは言うまでもない)

さて、さっそく焼こう。

<作り方>
1. まず肉を室温に戻しておく。せっかく焼いたのに中が冷たいなんてことを防ぐためだ。肉が冷たくて(冷凍)急ぎたい場合は、レンジは使わずバットやフライパン、鍋底に挟んでおくと熱伝伝導率で早く常温に戻る。(不思議)

2. 付け合わせのにんにくは小さなお皿などでオリーブオイルにくぐらせ、塩をふっておく。

3. フライパンを強火にかけ、にんにくはここで入れておく(風味が肉にもうつる)。

4. 肉をしっかりキッチンペーパーで水気を取り、焼く直前に塩をふる
厚さのある肉の場合は側面にもムラ無く付ける。

5. フライパンに手をかざし数秒もガマン出来ないくらいに熱くなったら、油を(牛脂など)ひき、肉を入れる。がっつり焦げ目が付くまで返さず焼いていく(トングでチェックしながら、返すのは一度だけ)。にんにくに火が通っていたら取り出しておく。

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6. 肉を返したら、同じ様に焦げ目が付き肉の側面の赤身もなくなるくらいまで焼く。厚さがある場合は肉をトングで立て、各面に焼きを入れよう。一気に焼き目を付けて肉汁を閉じ込めるイメージだ。

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7. 肉の厚さにもよるが、各面、おおよそ2分くらいといった体感時間だろうか。頃合いで火を止め取り出す。直感的にすごく美味そう! なはずである。そのまま齧りつきたい気持ちは解る。しかしその気持ちを抑え、アルミホイルで包んで休ませてあげよう。それによって蒸される、これが重要だ。これも肉の厚さと焼き上がりの好み(レア、ミディアムなど)によってだが、まず3分くらいは置いてみよう。

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8. この焼き+蒸らしの加減で、仕上がりがコントロール出来るので、何度も作って試して好みのタイミングを見付けていくのも楽しい作業だ。(今回のでミディアム・レアくらい)

9. よき頃合いでホイルを開く。肉汁がたまっているので、それをこぼさないようにお皿やカッティングボード(あると中々に便利)に移し、その肉汁も上からかけよう。にんにくやクレソンを添え、好みでマスタードを付けてもわるくない。
(味の変化を楽しむのにほんのちょっとの醤油で食べるのも格別の美味さである)

10. 好きな赤ワインやお酒を用意して、テーブルセッティングしたら完成だ。

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さて、そうしたら好きな映画やライブやお笑い観たり本を読んだりしながら、ゆっくりと"美味い!”を楽しもう。

この週末は思いきり自分を褒め称え、甘やかしてあげて頂きたい。

自分の肯定はまず自分から。

美味しい週末を!


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