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ハルコの恋(10)
ハルコに咲希という「女の子」の友だちが出来ました。
普通の友だちとも違う、いわゆる「仲間」のような感覚。
ハルコは親を早くに亡くしてしまったので高校をやむ無く中退。そこからは働きに出て55歳まで独りきりで生きて来ました。立ち止まることも許されず生きて行くことだけで精一杯の人生。そんなある日、ふと、ハルコは立ち止まったのです。
『恋』も知らないハルコ。
誰もが当たり前に持っているものをハルコは何一つ持っていません。
ハルコにとっては、まさに大きな冒険の人生がスタートしたのです。
もともと大人しいハルコにとっては、同性の「女友だち」というものを作る機会を逃していました。年齢が遥かに下とはいえ咲希との触れ合いは、ハルコにとって失ってしまった10代の時には得られなかった「大きな経験」となって行きます。
どんなことでもそうですが、人生の中で、たったの1回でも「それ」を経験しているのと、していないのとでは何かが大きく違って来ます。とても「ささやか」であればあるほど「それ」を得られなかった人間からすると、それらは、とんでもなくキラキラ輝く宝石のようなものなのかもしれません。
漫画と文:久保マシン(C)
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