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創業までの道のり ベンチャーキャピタル業界から皮革産業に転身

はじめまして。ヘリテッジ株式会社、CRAFSTOの久保と申します。
初めてのnoteを書くことになるのですが、ぜひご一読いただけますと幸いです。


創業までの道のり
ベンチャーキャピタル業界から皮革産業に転身

2020年8月、東京蔵前に初めての工房兼店舗をオープンしました。
元々は税理士事務所のオフィス。築50年以上の物件。職人2名、役員3名が中心となり、一週間の期間でDIYで仕上げました。

創業当初の職人メンバーは合計2名。
仕上がった店舗は、商品陳列棚の半径2m程の距離で職人がものづくりを行うような空間でした。

創業初期の店舗が開店した際の創業初期メンバー

立派な面構えの店舗ではありませんが、店舗と工房、ECの全てが連動する理想的な形でスタートしました。
室内なのに冬になると寒い、夏になると暑い。そんな環境でしたが、とにかく前に進もうと無我夢中でしたので私は気になりませんでした。むしろ、その状況でも一緒に良い製品作りを行ってきてくれた職人メンバーに感謝しています。

ベンチャーキャピタル業界から皮革産業へ?

なぜ私がこのヘリテッジ社、そしてブランドCRAFSTO(クラフスト)を始める事になったのかについてです。

新卒で入社した大手ベンチャーキャピタルでは、新しいテクノロジーやビジネス手法を取り入れて急成長するスタートアップ企業に触れる毎日でした。

ITサービスやEコマースを中心とした投資検討先に訪問を続ける中、通販事業も行っている老舗レザーバッグメーカーに出会いました。

そこで人生初めて「世の中に存在するバッグや革小物は、人の手によって作られている」という事に改めて気付くのです。

会社を訪問すると、ミシンや革素材、糸や道具などが置いてあるオフィスに衝撃を受けました。今まで触れてきた環境と異なる”手触り感のある仕事”に惹かれ、一番最初の訪問から一年経過した後にそのまま転職を決意しました。

初めてのものづくり産業では、引き継ぎゼロの状態で経理を担当。
並行して、現場に入り(創業社長に教わりながら)ミシンを踏み製品作りにも触れました。

職人が制作に使用する道具も初めて見ました

その後に生産管理、WEBマーケを担当することになるのですが、生産過程で多くの廃材が出てきてしまい、それを上手く活かせていない状況を知りました。
また、業界全体の課題として”若い職人達のキャリアパスが整備されていない”実情も知りました。

クラフトマンシップの継承

日本の職人の平均年齢50歳前後と言われている中、「ジャパンメイドの繊細さや安定感のあるものづくりがいつか衰退してしまうのではないか」という課題感を感じ始めたのもこの頃です。
4年半在籍したレザーバッグ製造メーカーを退社した後、経営コンサルとして独立。

ある日、前職で知り合った職人と再会した際、あんなに好きで熱中していたものづくりからは離れた別業種の仕事に就いておりました。
しかし話をする中で、ものづくりを続けたい気持ちは変わらず持っており、ただ将来性の面でやむを得ず職人を辞めていたのです。
この再会により、以前に感じていた”日本のクラフトマンシップ継承”の課題感が蘇り、日本の職人が活躍出来る場を一緒に創れないかと模索を始めました。

その後に、ヘリテッジ社の設立を決意するのです。
ブランドをスタートするにあたり、選んだ場所は東京の東に位置する浅草〜蔵前エリア。
この地名は、江戸時代に幕府の米蔵があったことに由来します。隅田川沿いに位置し、古くから問屋や職人の工房が多い「ものづくりのまち」であることに惹かれて、このエリアを選びました。
移転後もその想いは変わっておらず、現在は浅草橋駅から徒歩2分の場所に本店兼工房を構えています。

現在のCRAFSTO浅草橋店

メイドインジャパン×サステナブルの実現

CRAFSTOのものづくりで特徴的なのが、廃材を再利用してオリジナル素材に仕上げたFuture prism collectionや植物性由来ヴィーガンレザーを使用したバッグや小物。

Future prism ミニショルダーバッグ

生産の過程で出てしまう廃材を上手く活用する、環境負荷をかけにくいプラントベースの素材を使用することで、クラフトマンシップの存続だけでなく、持続可能な社会に繋がるブランド作りを行っています。

「何かを犠牲にして成り立つものは、持続可能ではない」
と考えているので、これからの社会に職人技術の継承×サステナブルなもの作りは必要不可欠だと思います。

長くなってしまいますので、「サステナブルなものづくり」については、また次回にご紹介させていただきます!

次の物語

なぜ日本にアップサイクルプロダクトが必要なのか



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