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地方創生×マーケティング!?

地方の首長たるもの、人の行動心理を理解し、何が人を動かすのか、どんな時に人は決断するのかを学んでいこうと思う。今回ベースになるのは、
「シュガーマンのマーケティング30の法則」というマーケティング本だ。

マーケティングとは、世の中のニーズを理解し、ニーズにあったもの、まだ見ぬニーズを発見してあげることで効果的にサービス・商品を提供することだと思う。

地方を発展させるためにはたくさんの人々を惹き付け続ける必要があるので、地方自治体に求められるニーズを理解し、人の心理をハックすることで、2031年の地方移住者呼び込み政策を成功に導くことができると考える。

今回は地方に人が移住しようと思うきっかけを深掘りし、地方移住の心理的ハードルを極限まで下げるためにマーケティングのテクニックをどのように使えるか模索していきたいと思う。

まずは貴書で紹介されている30の法則から地方自治体のマーケティングに使えそうなものをピックアップし、アイデアを練りたいと思う。


テクニック抽出


1.決定する際のハードルは低ければ低いほど良い。
例えば商品の無料お試しがその良い例だろう。
一旦何かを買う、試す、もらうというハードルを越えれば驚くほどセールスがうまくいくそう。

2.対象が行動を起こす時はどんな感情と合理的な理由があるのか分析をし、そこをメインでアピールする

6.対象を巻き込むことが大事。コピーライティングは対象が実際に行動を起こしているような言葉を用いる。例えば、髭剃りの広告で「滑るような剃り心地、アゴがツルツルに!」のようなことが書かれているのと同じことだろう。

8.ストーリーは引き込ませるのに最適。
例えばビールの広告に「仕事でクレーム対応に終われたAさん。帰宅後ソファーに倒れ込むように沈んだ。喉が乾いたので冷蔵庫を開けるとそこにはキンキンのビール。一気に飲み干すと炭酸と芳醇なホップの香りが鼻に抜ける。ふぅ。明日も頑張ろう。」
こんなストーリーの広告があったら、帰ってビールを飲みたくなるだろう。

9.権威付けは行動に納得する理由を与える。
化粧品会社の広告をイメージすると、
30年の老舗化粧品ブランド、日本の20代のなんと30%が使用経験あり。
あの有名女優もオススメ!
上記のように、実績の数字や広告塔のタレントなどの権威があると、消費者は納得して購入できる。

10.高い商品との比較で本当に売りたいものをお得に見せる。
これは、例えば、39,800円の定番商品を売りたい時に先に高めのものを見せておくことで、本当に売りたいものの価格がお得に見えるというトリックだ。

11,12..人は感覚で買い物をし、理屈で納得する。人はビビッときたものに手を伸ばしがちで、自分が買った理由を理屈として自分の中に落とし込み納得するらしい。
そのため、感覚に訴えかけるような広告で、良さや売れる理由を後から説明すると買ってくれやすくなるらしい。

15,23.専門的な知識や具体的な数値は信頼感を得やすい。私の本業の英語講師になぞらえて説明すると「弊社の英語学習サービスは第二言語習得論に基づきカリキュラムを組んでいます。」「日本人で仕事で流暢に英語を使えるのは全体のほんの1%*です。」(事実ではありません。本当はもっと少ないと思う)具体的な数値や専門的な用語が出ると、その道のプロだと認識され信用を得やすくなるのは理解できるだろう。

17.帰属意識への働きかけ。人は誰しも何かに、どこかに属したいという思いがある。ヴィトンを買う人は「ヴィトンを持っている人たち」に属したいがために高額なブランドを買う。強烈な力だ。

21.メッセージはシンプルに。客は選択を嫌う。売るものはシンプルが良い。複数の選択肢を提示すると買う気も失せてしまう。

22.人はGiveされた罪悪感を感じさせると、Takeを見込みやすくなる。無料サービスなどを一旦受けてしまうと、申し訳無さから商品を買う人が多くなるそう。

25.相手に首を縦に振らせるということが大事。一度肯定させることが重要で、その後もセールストークがスムーズに進むことが多いそう。

26.期待感の創出。行動した結果手に入る物を期待させ、購入させる方法。

28.市場とのマッチング。市場にニーズがないアピールは✘
 
29.結論に向かってあれこれ考えさせられるほど、プラスで刺激的な影響が脳に行く。

30,31正直さ、思いやる力

ざっと15個くらい紹介しただろうか。

本題はここから。
この抽出した15個をさらに集約し、2031年の自治体運営にどう活用するかを考えていきたい。


さらに厳選


まずは上記で出てきたキーワードを並べてみる。

決定までのハードルの低さ
感情(感覚)と合理的な理由のアピール
高い商品との比較で本当に売りたいものをお得に見せる。
具体的な数値と専門的知識
帰属意識、メッセージはシンプルに。
積極的なGiveがTakeを引き出す
市場とのマッチング
正直さ

(1)移住することを決めるハードルを低く(積極的なGive)
(2)PRはシンプルに感情に訴えかける
(3)具体的な補助内容・金額、他自治体の状況

この3つくらいがすぐに実行できそうなイメージが湧く。
どんな施策ができそうか上記の3つを元に考えてみた。

その前にまず考える必要があるのが、市民がどのようなサービスを地方に求めているのか(市場とのマッチング)だろう。

人々は何を思って、地方に移住するのだろう。
ざっと調べた結果、以下のいくつかの解答を得た。
・地元に住みたくなった。
・子育て関係
・畑や自分の好きなことをしたい
・ご近所付き合いがしたくなった etc…

理由は様々だが、地方に住むというくらいだから元々都会にいて、都会にないものを求めて地方に行くと考えるのが自然だろう。
あとは、地方to 地方が有り得るパターンだ。
子育て世帯への補助などの福祉政策の充実は、他の地方からの移住も促すだろう。

上記を踏まえると、人は積極的に地方に移住したいと感じている人が多いのではないかと考える。仕事のしがらみがなく・子どもの生育環境の質(広い家・教育・自然)の条件を揃えてあげると移住のハードルは低くなるだろう。

地方の
「企業誘致やサテライトオフィス・コーワキングスペースの拡充」
「子育て家庭への金銭的な支援や受けられるサービスの拡充」

このあたりが市場が欲しているニーズだと考える。

上記を踏まえて「こども・企業に優しい地方」というのはどうだろう。
*「こどもに優しい町」は兵庫県明石市の泉市長の受け売りだが、良いものは積極的に取り入れていきたい。

(施策1)移住することを決めるハードルを低く(積極的なGive)


これは様々な施策が積み重なってハードルの低さを生み出せると思う。
・リモートワーク環境の整備
・教育のテコ入れ
・公園や子どもが自然で遊べる環境の整備
・キッズライン等の、ベビーシッターサービスの拡充(老人ホームに赤ちゃんを預ける事例もある)
・保育園・保育所整備
等、自治体で実行可能な施策はたくさん思いつく。

ただ、これでは面白くないので、実際にモデルハウス的なのをレンタルで貸し出して実際にそこにお試しで短期間住んでもらうのはどうだろう?
家具・家電付きのレンタルハウスや広いマンション・アパートを自治体で買い取り。希望者に4週間レンタルする。
リゾート地で流行っているワーケーションを、住みやすい地方でやるイメージだ。

例えば3人家族で移住が決まれば、その自治体の経済圏に落ちるお金が長い年月をかけて蓄積される。
ハードルを下げるために使った税金は全然ペイできるだろう。


(2)PRはシンプルに感情に訴えかける


これは様々な施策が取れれば、特に大胆な町のPRはそんなに必要ない気もする。
宮崎県の特産物をPRし続けた東国原元知事は、その知名度で宮崎県のPRに奔走していたが、今の時代SNSがあるので、少し先進的な若い市長が出てくれば間違いなくマスコミがとりあげる。
多少炎上しても良いので、SNSの力を借りて知名度を上げたい。私が知事ならば屈強なメンタルでアンチなど無料で宣伝してくれる良い駒としていなせる自信がある。

話はそれたが、正しいことを愚直にやっていけば、明石市のように実績がついてくる。
ただ、一点工夫できる箇所は施策を複雑にしないことだ。
様々な条件下でしか補助金がもらえないといったような複雑な制度にするのではなく、シンプルに子どもや教育への予算を増やし、子どもをきちんと預けられるようなシステムを作ったり、週末に自然体験プログラムへの参加を無料にしたりする。
シンプルでわかりやすく子どもや子育て世帯へのメリットを示せる施策だと良いかと思う。


(3)他自治体の状況との比較(数値や実績を用いて)


各自治体がどれくらい子ども関連に予算をつけられているか、どのように教育にメスをいれているかなど、実際に上手くいっているところの数字や実績を紹介し、成功例の自治体を目指すというのと+αで、独自の施策を展開し、魅力的な自治体のイメージを想起させる。

具体的に何年間でどのくらいの金額補助がもらえるのか、人口統計が似ている他自治体の実績等からきちんとオープンにしてあげる。そうすることで、イメージが湧きやすくなるだろう。

あとは他自治体の良いところはどんどん真似していきたい。
例えば福井県は幸福度ナンバー1、国公立大学への進学率1位など、教育や市民生活に力をいれている自治体として有名だ。学力全国トップの秘密は学校から出る宿題の量が他の自治体より多くしていることや、職業教育の推進など、他にも様々な教育の取り組みを行っているそう。
子どもがしっかりと宿題をこなしていれば塾には行かなくて良い分、家庭の負担も減る。
良いものには良いと正直に言い、他自治体の施策でも採用できる器量が必要だろう。

首長への道のりはまだまだ先だが、やれそうなことはたくさんある。
実際に首長になったら
何にも忖度することなく、やれねばならないことを粛々とやっていき、
一期で終えるつもりで大改革を進めたいという思いだ。
人と違うこと新しいことをやると必ず批判が出る。
恐らくどんなものでもだ。
人は保守的になるといいことがない。再選を目指すから方々に気を使って身動きが取れなくなる。
一期しか考えてないといったのはそういう理由だ。

かなりアクティブに動いている首長もいる、一方で何もやらない首長もいる。
首長は老害が楽をするためのポストであってはならないので、やる気がないならいますぐ席を譲って欲しいものだ。

今回、参考にさせていただいた書籍は

「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」-ジョセフ・シュガーマン著

良書も良書だ。

どんな人でも是非ご一読願いたい。

自分がまんまと引っかかったことのある、セールステクニックが必ず見つかるはずだ。
そして、ハっとするだろう。笑




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