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2031年の地方観光戦略-ニセコの事例から学ぶ-
地方の首長たるもの、自治体の観光資源最大限に生かし、
町に活気とお金を生まなければならない。
そのため、今週は
地価上昇率6年連続1位の北海道の小さな観光の町「ニセコ」に関して、
学びを深めていこうと思う。
その上で、2031年の未来の首長として地方の観光戦略を練っていきたい。
分析と問題点
ニセコは世界でも例を見ない上質の雪質「パウダースノーの地」として
ウィンターシーズンには観光客が押し寄せる。
かく言う筆者も北海道の出身で
ニセコまでは車2時間の距離に住んでいたため、何度も足を運んだ。
雪質を言葉で表すのならば「バフバフ&サラサラ」。
スキーヤー、スノーボーダーにとっては本当に天国の雲の上を滑っているような心地で滑走できる場所が「ニセコ」なのである。
さて、まずはニセコの変遷とその強みを簡単にまとめていこうと思う。
きっかけは、あるオーストラリアのプロスキーヤーがSNSにニセコの投稿をしたのが始まり。
世界でたちまち話題になり、
現在の超人気観光スポットになったということである。
アジア圏のスキーヤー・スノーボーダーは当時、ヨーロッパやアメリカまで足を運んでいたところに、近場に世界でも有数のスポットを発見したのでこぞってニセコを訪れるようになったとのこと。
現在では、香港やシンガポール・中国等のアジアの国々を中心として、
外資の不動産投資が盛んで、ニセコに入ると一瞬海外に来たような雰囲気を感じるのはそのせいだろう。
ニセコは観光資源を存分に活かす形で、海外の観光客を呼び込んできた。
最初は意図的ではなかったにしろ、上質なパウダースノーを求めてやってくる富裕層をキャッチし、ラグジュアリーホテルの建設が相次いだり、投資が投資を呼んでいる状態を作り出せた。
その背景には、円安や世界的な金融緩和等、複数の不確定な条件が重なったというラッキーもあっただろう。
日本の観光の問題点としては、
日本では観光資源(豊かな自然)がほとんど活かされておらず、
地方に足を運んでくれるインバウンドがいるのにもかかわらずお金を
しっかり落としてもらう仕組みが全くと言っていいほどない。
日本全体が沈みかけている中で、日本の観光産業はまだまだ世界と戦える。
観光立国を目指すのであれば、この問題を第一に解決しなければならないだろう。
2019年の国内旅行消費額は何と27.9兆円。
ちなみに、日本の英語学習業界は1兆円の市場規模らしい。
なんと29倍。。。
いますぐ、観光業界の扉を叩きたくなるほどだ。
そして、まだまだここから改善の余地があるとなれば、
やらないという選択肢はないだろう。
地方、又は日本立て直し戦略の柱の1つとなるものだ。
解決すべき大きな問題は、
世界的に認められる観光資源がある地方でしか再現できないという壮大な勘違いをしているということだ。
日本人の多くは気付いていないが、こんなにも身の回りに雄大な自然があって、更に文化や歴史との結びつきが強い自然環境を持ち合わせている国は本当に少ないのだそう。
活火山がたくさんある日本では、
海や川に流れ出すミネラルが豊富で野菜も海鮮も品質がすこぶる良い。
ほとんど日本のどこにでも食・自然という観光資源を既に持っているのだ。
それを裏付ける例が、北海道の道東にある。
道東というと、ニセコのように雪質が良い訳でもなく、松坂牛のような知名度の高いブランド牛の産地でもなく、富士山のようなアイコニックな自然があるわけでもないが、中国の観光客がそこら中にいる。
これは、完全に自然と食である。
道東は広大な土地を利用して、酪農や野菜を栽培しており、その質は言うまでもなく高い。
(道東を舞台にした映画が中国で大ヒットしたという背景もあるらしい。。)
そもそも映画で舞台にできるような雄大な自然があるということでもある。
世界中の人々はそんな日本が大好きなのだ。
現に、コロナ後に訪れたい国ランキングでは日本は1位だ。
スタート地点として、観光資源を開発せずとも自然・歴史・文化を求めて勝手に来てくれる観光客を持つ自治体は既にあるし、地方には探せば観光資源になり得るものは1つや2つは必ずある。
ここの勘違いというべきか、知見が狭い人が多いというべきかわからないがここの認識を変えて、観光で戦える地方を増やすべきだろう。
例え無くても、ハワイのように元々海しか無くてもブランディングで成功している場所もある。
白いビーチやフラダンサー・レイをかけてくれる美女、全て観光促進のために作り出したというのだから凄い。
ものはやりようだ。
2031年の観光戦略
ここからが本題。
上記を踏まえ、思いつく2031年の観光戦略としては
下記のようなものになるだろう。
①予算をコンサルや観光資源の発見・開発にあてる
②観光インフラを整備
③その土地の隠れた名産を掘り出し、ブランディングする。
④民間と協調し、どんどん開発を進める。
テーマは「食」「自然」「文化(歴史)」。
この3つに絞り、体験やエンタメと融合させる。
ここで意識するのは、選択と集中だ。
ニセコの場合はラグジュアリー層に振り切っている形で、
上手く選択と集中ができている。
富裕層を引き付けるのは中々難儀だと感じるので、
マスリテールに向けて観光を提供する。
沢山の人に来てもらい、沢山の人がお金を落としていく。
大事なのは官民の連携が必須だということ。
縦割り行政で邪魔をするようなことはあってはならない。
そのためにも、まずは自治体組織の改革から始めねばならないだろう。。
今後の課題としては、実際に首長になったら何から始めて、
その後何にフォーカスしていくかをなんとなくでも考えておきたい。
書いてて痛感しているが、あまりにも戦略の具体性が無く、薄い。笑
狙う自治体が決定し、フォーカスできれば分析等からもう少し具体案がでるのかもしれない。
まだまだ精進しなければならない。
今回の参考文献。
「なぜニセコだけが世界リゾートになったのか」-高橋克英
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