マガジンのカバー画像

輪廻の風 第1章

55
運営しているクリエイター

#私のコーヒー時間

輪廻の風 (6)

4年前の夏の夜、その日はひどい嵐だった。

冷たい雨に打たれながら、エンディは意識を取り戻した。

「エンディ!おい起きろエンディ!」

目を開けると、かすれた声でそう叫びながら、自分の体を強く揺さぶっている男の存在に気がついた。

どうやら海辺の砂浜で倒れているようだった。
その時自分は眠っていたのか、それとも気を失っていたのか、エンディは今でも分からない。

そしてどういう訳か、全身がひどく痺

もっとみる