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【読書メモ】おとなになるのび太たちへ

もう十分大人ですが

かもめブックスをぶらついてたらふと目に入ったので、36歳のおじさんですが思わず購入してしまいました。

本屋に行くとこういうのに出会えるのが良いですね。

プロゲーマーの梅原大吾さんや宇宙飛行士の向井千秋さんなど夢を叶えた10人がセレクションした、人生を変える「ドラえもん」の話10選+1話の漫画の紹介とともに、その話に対するそれぞれの思いが語られています。

子供の頃は夢やなりたいものをなんと言っていたのが全然思い出せないですが、ドラえもんもたしか小学生の頃に単行本は全て読んだような気がします。

個人的には、「ぼくよりダメなやつがきた」と「思い出せ!あの日の感動を」は、大人になってから読んでこそ、いろいろと思うところがある作品だなと感じました。

自分がこの本を15年くらい前に読んでいたらどう感じていたのか、今となっては想像するしかありませんが、今から大人になる人達はぜひ手にとって読んでみて欲しいです。

ぼくよりダメなやつがきた

ぼくよりダメなやつがきた」の中で下方社会的比較がありですが、自尊心を保つために自分よりもできない人、あの人よりもマシだと思いたい衝動が誰しも必ず持っていると思います。

子どものころであれば、同じ学校の同じクラスくらいに狭い範囲ですが、大人になり社会に出たりSNSをするようになったりして世界が広がったことで、直接会ったことがない人を少ない限られた情報だけで判断するようなケースも目にすることが多くなったような気がします。

どういう子が良い子でどういう子がだめな子なのか、どういう人が良い人でどういう人がだめな人なのか。良いかだめかという見方はほんの一面にしかすぎず、この話を見たときに自分自身はどう思っているのか、改めて自分を見直すきっかけにもなりました。

思い出せ!あの日の感動を

もうひとつの「思い出せ!あの日の感動を」は、学校に行くのが嫌になったのび太が、初めて小学校に行く前夜に戻り、学校へ行くのが楽しみでしょうがない自分を見て、思い直すお話です(ざっくり)。

小さいころの自分の姿を見た後に「いつからどうして...こうなっちゃんたんだろ」と独り言を言いつつも、現代に戻ってドラえもんの道具を借りずに学校へ行きます。

こののび太のセリフには何も答えがないまま話は終わりますが、きっと現代に戻って眠るまでの間にいろんなことを思い出したんだと思います。

自分は習慣化やルーチンワーク化といったことをするのが比較的得意な方ではありますが、一方で新鮮さや新しさが足りていないというのも感じています(特にコロナ禍の中で)。

大人になりと好奇心旺盛な子どものころの感覚をついつい忘れていってしまいますが、純粋な好奇心と楽しもうとする姿勢であったり、嫌になったときに始めたときのことを思い出すことの大切さを教えてもらえたような気がします。

思わず突っ込んでしまうところも

この本の主旨と逸れますが、向井千秋さんのセレクションである「野比家が無重力」で、

ドラえもん「家中を無重力になんてむちゃするなよ」

と言った次のコマで

のび太「そうか!!家中を無重力にすればもっとおもしろい」

と、秒速でドラえもんの忠告を無視してて、思わず笑ってしまいました(笑)。

ちなみに、これらの話は新しい(もはや新しいという事自体が古いですが...)ドラえもんでも放映されていたようですね。


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