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インドネシアン・スタイルのゴルフ

先日、取引先のインドネシア人6人と私、日本人一人でゴルフをプレイしてきました。取引先の皆さまと親交を図り益々のご贔屓をお願いしたいという意図の下、あまり気が進まなかったけど仕方ない。

イスラム教徒の皆さんはお酒は飲まないので、日本の様な飲食中心の接待は喜ばれない。言葉が問題なく使いこなせる訳ではなく、カタコトも怪しいレベルでは会食はお互い苦痛でしかないでしょう。

ゴルフは1チーム(フライト)4人プレイが基本のところ、当地では5人とか、ひどいのは8人、1フライトで廻っている人たちも見かけます。もちろんルール違反、マナー違反で、次のホールに移動するまで時間が掛かり、後続のプレイヤーには大迷惑です。

今回は私を含めて7人だったので「ひょっとして1フライト?」と心配しましたが、4人と3人の2フライトに分けられ、ホッとしました。

少々緊張しつつもプレイをスタート。やはり朝一番のドライバーショットはミスが多い。皆も同じで、打ちそこなってチョロ、大きく右にスライスして池ポチャなど。私もフックしてOBすれすれでした。

皆「アデュ!」(日本語でいうと「あちゃー」みたいな)と手で頭を抱え悔やしがります。よし、気を取り直して2打目に移動しようと思ったら、私以外の3人が打ち直し、皆、まあまあの打球を叩き出していました。

なんだかんだ言いながらなんとかホールアウト。それぞれが自分のスコアを申告します。あれ?何か少なくない? そうなんです。1打目の失敗は無かったことになっているのです。彼らは全く悪びれず、当然のような顔しています。

その後もペナルティエリアへ球が入っても打ち込んだことは無かったことに。一打罰はカウントせず、球が入った付近で第2打を打つ。
他のプレイヤーが球を打つ際は、周りの人は静粛にするのが礼儀でありルールですが、お構いなしで喋りまくる。大声で笑う。
グリーン上では一番遠い人からパターを順番に打つというルールも関係ない。一番偉い人が先みないな。

ホール近くまで球が近づき、必ず次の一打でホールインできると思われるときは周りのプレイヤーが「OK」を出し、+1することで上がるのがルールですが、彼らは「OK」で上がっても+1をカウントしていない。

比較的長いパットで偶然ホールインした人がいると、突然、一番偉い人が入った人に10万ルピア(約千円)のご褒美をあげる。すると他の人たちもそれに倣って10万ルピアを進呈。さっきはもっと長いパットが入ったのにご褒美が無かった…。ルールがよくわからない。

ところでこのゴルフ場は首都ジャカルタから30分程度車で南下したボゴールという街で、少し高度が高く、気温が数度低く、風も爽やか。

スンダ人と呼ばれるジャカルタとか他の地域の人と少し違って、色白の女性が多いそうです。

確かに色白な娘が多く、しかも体形はすらっと細く、脚も長い。そして皆若い!どうやら25歳で定年になるらしく、20代前半のキャディばかり。

自分の娘みたいな、スタイル抜群の足長キャディと2時間以上もマンツーマンでゴルフするなんて、舞い上がってしまいます。でも、キャディさんからすればお父さんか下手すりゃお祖父さんと過ごす2時間は、どうなんだろう。まぁ、仕事だし慣れているとは思うけど。

こんな素晴らしい状況にインドネシアの人たちは当然とばかり、至って冷静沈着、インドネシア語でジョークを飛ばし、面白いおじさん!と良好な反応を勝ち取ってました。

スコアは、まあ、インチキとか誤魔化すレベルではない程度の「調整」が入り、それなりに自分で納得できる点数に纏める。移動のカートでは若い色白のスタイリッシュなキャディと親しく笑顔で会話している。

インドネシア人ってなんてゴルフを楽しんでいるんだ。多少ルールを違反してたっていいんじゃない、だって楽しいんだもん。キャディとキャバクラのホステスと同じように話したって問題ないじゃん、だって楽しいんだもん。

日本人のルールにやたらと細かく、他人のズルにも厳しい、言わば真剣勝負の様なゴルフより、とにかく楽しむゴルフ。精神衛生上も良いかも。そしてインドネシア語をもっと話せれば、もっと楽しいはず。語学学習のモティベーションが少し上がり、色々と前向きになることができたゴルフでした。

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