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クラウドキッチンの先へ fDaaS(food Delivery as a Service)とは

3日目に突入しました。「#日経COMEMO」の「#毎日Uber Eats有りですか」という「食」に関するテーマですが、未だお題目に辿り着けていません。

1日目 「出前館ではダメですか?」
2日目 「Uber Eats 収益構造から考えるデリバリー」
3日目 「クラウドキッチンの先へ fDaaS(food Delivery as a Service)とは」←本日
4日目 「タイトル未定」←明日公開予定

けいえすnote的なテーマに忠実にフード・テックというくくりで「食」について考えてきましたが、本日はフードデリバリー市場の盛り上がりと共に注目を集めている、クラウドキッチンについて考えていきたい。

その中でも気になったのが、出前館の新事業。これはクラウドキッチンよりもさらに先を行くfDaaS(food Delivery as a Service※勝手に命名)と呼べるのではないかと思っています。
※もっと良い命名募集中。KaaS(Kitchin as a Service)は響きがイマイチで脱落しました。

fDaaS(food Delivery as a Service)とは何か

fDaaSとはクラウドキッチンやゴーストキッチン、バーチャルレストランなど、様々な呼び方がされている新しいサービスがありますが、基本的なコンセプトは同じだと考えています。

ビジネスモデルとして細分化されているのですが、ざっくりと言うと以下3つのモデルが、クラウドキッチンと呼ばれています。

・デリバリー専業の飲食店
(客席を確保する必要がないので、家賃や初期投資などを抑えることができる)
・デリバリー/持ち帰りの両方を行う飲食店
・一つの厨房を複数の飲食店がシェアする
(パラレルだったり、ランチとディナーでへんげしたり)

このクラウドキッチンにデリバリー・マーケティング・配達拠点・ノウハウ支援といった、デリバリー+αのサービスが付けたされているのが、出前館の新事業であり、fDaaSであると思っています。

ニュースリリース抜粋
 昨今の新型コロナウイルス感染症により、デリバリー・テイクアウト需要が拡大する一方、デリバリー市場への新規参入を目指す個人・法人にとって、店舗物件の確保や工事、厨房設備購入、店内サービス従業員の人件費や教育といった多額のコストが発生する実店舗経営は大きなリスクが生じます。そこで『出前館』では、新たに東京都江東区大島に3つのキッチンを備えた調理スペースと、飲食店の配達代行を行うための自転車やバイク、配達員のオペレーション室を兼ね備えたクラウドキッチン併設型デリバリー拠点を11月24日(火)にオープンします。

【施設利用料】月額18万円(税込) 、家賃、厨房設備利用料金、水道・ガス・光熱費込。デリバリー資材費などは飲食店負担。敷金は利用料金の2か月分(36万円)。退出時に現状回帰等、清掃費用と相殺し残金発生時は利用者へ返金。

【得られる支援】日本最大級の出前サービス『出前館』による、マーケティング・運営支援。デリバリー飲食店運営ノウハウ支援。

つまり、フードデリバリー事業を興すために必要な機材・人材・支援・ノウハウ等、全てを出前館が用意してくれて、月額ポッキリ18万円で事業をスタートできるというわけだ。

まさにfDaaS(food Delivery as a Service)
         ↓
サービスとしてのフードデリバリー
※やっぱりKaaSの方が、しっくりくるか・・・・悩

命名の件はいったん脇において、このようなfDaaSが普及して新たにデリバリー事業特化の飲食店が増えることで、今よりも飲食店-配達員‐デリバリー事業者がWinWinに近づけると考えています。昨日のnoteでも少し言及した通り、これまで普通の飲食店がフードデリバリーを付け焼刃的に行っているせいで、売れれば売れる程赤字が膨らんでしまうようなことも起きているわけです。店内に席を確保するために、広い館を借りなければならず、店内飲食での稼働を前提に価格設定を行っているため、デリバリーでは採算が合わないのです。(客が入らなくてもかかる家賃。デリバリー事業者に支払うマージン。)

WinWinの関係となるべく出前館が入居飲食店に、デリバリーアプリから得られる顧客のデータを分析・提供することで、飲食店はよりお客様「個」を知ることが可能となります。この分析をもとに、新たなメニュー開発やお客様一人一人に合わせたパーソナライズトされた味付けや食事量、好みなどの調整も可能となってくるはずです。

一方配達員もこのfDaaS拠点を中心にデリバリーをすればよいので、これまで以上に効率的に稼ぐことができるようになるのではないだろうか、とも思っています。

既に多くのクラウドキッチンと呼ばれるサービスが、国内でもローンチされていますが、出前館は自前でデリバリー機能も備えている点が大きい。顧客分析もマーケティング支援もやりたい放題ということになる。自社の裁量の中で、様々なトライアルができるのは本当に強いと思う。まさに出前館が掲げている「フードマーケティングプラットフォーム」となり得る。

(参考)既にローンチしているクラウドキッチンサービス
Kitchen BASE
よじげんスペース
OUR KITCHEN
※恐らくUber Eatsや出前館と何かしらのマーケティング協業されているかと思いますが、データ見当たらず。ご存じの方いたら教えてください。


このように、fDaaSは飲食店-配達員‐デリバリー事業者がWinWinWinとなれる可能性があり、「食」のプラットフォーマーとなり得る可能性を持っていると思う。このままフードデリバリーが日本人の食卓におけるニューノーマル化が進んでいけば、Winner takes allとなるかもしれない。




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