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【読書記録】浅草ルンタッタ/劇団ひとり

いつものわたしなら、
明治大正の時代を舞台にしている作品
というだけで敬遠しそうだけど、
劇団ひとりさん原作の映画、
脚本の24時間テレビ・ドラマ無言館を観て、
ぜひとも読んでみたいと思えたので着手。

なんだろうなあ、
人の死や別れや苦しみにちなむ切なさはあるけれど、
なぜか暗さを感じさせない朗らかさがある。
どこかいつもリズムがあって、
それが頭の中で鳴り響いていた読中。

「ルンタッタ」「ルンタッタ」「ルンタッタ」
いくつもの場面でうたわれるその調子が、
明治大正の時代や、
不便利な世の中を生き抜く女性たち、
下手でもたくましく生き延びる彼らを、
直接的にも、そうじゃなくても鼓している。

それが、切なくても沈み切らない
この物語のワケだったように思う。

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