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意地悪に負けない練習

子どもがお友達と仲良く遊べるようになるのは、4歳頃からと言われています。
3~5歳頃から、自分の欲求を抑制できるようになると言われていて、だんだんと思いやりも身に付き、お友達とのトラブルが少なくなります。
一方で、嫉妬や自己顕示欲が出てきて、意地悪をするようになる年齢でもあり、トラブルがなくなることはありません。

子ども同士でトラブルになったとき、強者と弱者、どちらになっても辛いのですが、小さい頃は、子どもの性格で決まることが多いですね。

私の娘は、穏やかで大人しい性格。イヤイヤ期の記憶がありません。
ということで、お友達とのトラブルでは弱者確定です。
乳幼児の遊び場では、おもちゃを取られたり、急に叩かれたり、突き飛ばされたりする側。
すぐに泣いてしまい、抱っこの流れ。
でも、気持ちの切り替えが早いので、少しするとまた楽しそうに遊んでいました。
本能のままに行動する時期なので、相手の子どもには悪気がないことも分かっていたし、成長にしたがって、仲良く遊べるようになればいいなと思うくらいでした。

だけど、幼稚園に入ってからは、少し心配になりました。
「キライ!」「バカ!」って言われた~~~(´;ω;`)ウゥゥ
叩かれた~~(´;ω;`)ウゥゥ
もう遊ばないって言われた~~(´;ω;`)ウゥゥ
度々、泣いて帰ってくるのです。
近所の子と遊んでいても、同じ状況でした。

話を聞いて、そうだったのね、悲しいね、なんて口では言っていましたが、言い返すとか、叩き返すとか、相手に負けないで欲しいという気持ちでいっぱいでしたね。

思い返すと、今まで娘に読んだ絵本の内容も、私が教えてきたことも、道徳的なことばかり。
仲良くする、順番を守る、お友達に優しくする、噓をつかない・・・・
でも、家の外の世界では、それが通用しないときもたくさんあるのです。
相手にも同じ道徳があってこそ、平和に過ごせるわけで、そういう世界を作るのが難しいことを大人の私が一番知っている。
じゃあ、子どもには、道徳心を持つ代わりに、弱者のまま泣きながら過ごさせていいのか。

考え出すと、とことん深く考えてしまう私は、いつものように試してみたいことを思いつきました。
意地悪に負けない練習をしてみよう!と。

意地悪に負けない練習方法

私が意地悪な子の役になります。
かなりの意地悪さを出して、シリアスになるよりも、コメディーに近いくらいに大げさな声と態度で娘に意地悪をします。

私「〇〇ちゃんなんか、大嫌い!」
娘「・・・・・(困った顔のまま黙っている)」
私「言われて、どう思った?」
娘「悲しい。私は好きなのに。」
私「じゃあ、それを言ってみて。
  もう一回言うよ。○○ちゃんなんか、大嫌い!」
娘「そんなこと言わないで!悲しくなるもん。私は○○ちゃん大好き!」
いい感じ、いい感じ。

私「〇〇ちゃんのバカ!あっち行って!」
娘「私はバカじゃない!あっちにも行かない!」
そうだよね、バカと言う人がバカなんだよ。

叩く真似をすると、「痛いから止めて!」と大きな声で言います。
遊んでいるおもちゃを無理矢理横取りすると、「私が今遊んでいるの。順番守って!」と言い、それでも返さないと、「意地悪はやめて!」とどんどん言葉が出てきます。
練習をしているうちに、娘からは、意地悪には負けないぞ!という意気込みさえ出てきました。

そんな、練習の成果はどうだったのか。
ここで結果発表をしたいと思います。

<実験結果>

*トラブルがなくなることはなかったけれど、帰ってきてから泣くことがなくなった。
*トラブルがあっても、家で練習をして、自分の気持ちを発散するので、元気になっていた。
*口喧嘩に強くなり過ぎた。

【口喧嘩に強くなり過ぎたと感じたエピソード】
娘が小学生になったある日。
「もの凄く意地悪な男の子がいて、いつも悪口を言ってきて、女子全員に嫌われているの。今日は、その子に悪口を言われたから、頑張って言い返したよ。そしたら、その子が泣いてさ。すごいでしょ?私、勝ったよ!」
嬉しそうに報告してくれたのですが、私の気持ちは複雑(-_-;)

<私なりの考察>

小さい時から、お友達とのトラブルで弱者になってしまう場合は、その後も弱者になってしまう可能性があるので、「意地悪に負けない練習」をオススメしたい。
「意地悪に負けない練習」は、楽しくやった方が効果的。
意地悪に負けないことを目的にするのではなく、子どもが意地悪で受けたストレスを発散できてたら、OKとする。
意地悪をされた時、同じ意地悪で返すのではなく、意地悪をされて、自分はどんな気持ちになったのかを相手に伝えるっていいみたい。
自分の辛い気持ちや悲しい気持ちを言葉にすること、誰かに聞いてもらうことは、とても大切(大人も同じ)。
「意地悪に負けない練習」のし過ぎは、相手に勝ちたい気持ちが生まれたり、勝った時に嬉しくなるので、ほどほどにした方がよい。

あとがき

「意地悪に負けない練習」と真逆の「意地悪をしない練習」
私の子どもたちは、強者ではなかったので、その練習をしませんでしたが、強者になりがちな子どもは、同じように練習をしてみるのもいいと思います。
ママが弱者になり、意地悪をされる役になるのは難しいけれど、ぬいぐるみなどを使って、子どもがいつもやってしまいがちな行動を遊びながら再現して、意地悪をされた側の気持ちを子どもと一緒に考えてみてはどうでしょうか。
ただ、意地悪をする原因は様々で、深刻な問題の場合もあります。
親の行動や子どもとの関わりなどを見直すことも大切ですね。

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