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漢方逸話『え!こんな身近なものも生薬なの!?陳皮についてのお話』

年末年始が近づいてきた。
読者の皆様はお正月には、みかんを乗せた鏡餅を供えるだろうか。

生薬の素材は草根木皮が中心だが、実は我々の身近にあるものも多い。例えば、陳皮(ちんぴ)という生薬は、みかんの外皮を陰干しして乾燥させたものである。
今回はこの陳皮(ちんぴ)の解説をしたいと思う。

陳という漢字には古いという意味があり、新陳代謝という言葉が有名である。
しかし、陳皮は古いものほど良いと言われている生薬なのである。ちなみに逆に新しいものほど良いと言われているものには菊花(キク科)がある。

みかんはミカン科の常緑低木で、かなり古い時代に日本に渡来し、品種改良によってウンシュウミカンなどの種類が生まれたとされている。

民間薬的には、お風呂に入れてからだを温める入浴剤、食欲増進剤(消化促進)、かぜによるのどの痛みや咳などに使われてきた。

漢方薬に含まれる生薬としては、理気健脾(りきけんぴ)剤として有名である。
この理気健脾とはすなわち、精神を安定させ胃腸も健全にする作用である。

陳皮は胃腸の働きが衰えて疲れやすい状態に良く使用されている補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という漢方薬にも配合されている。

こたつでみかんを食べる際に、そのむいた皮を見て陳皮という生薬を思い出してもらえたらと思う。

今回はここまで。

読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。

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