「ブルーチューズデー」 |今日の自分を労わろう
仕事帰り、いつも寄るスーパーに向かう。
今週は祝日の振替で、ブルーなチューズデーだった。月曜日はむしろスーパーレインボーマンデーといった感じだった。
健康的な食事を摂らねば。
それはいつも思っている。
でも仕事終わりの貴重な時間を、料理を作ることに費やしたくない。(私は料理を楽しいと思えない。生きるために必要な手段に過ぎないのである。)
そして要領が良くないので、「30分でできちゃう!」と謳われているレシピも確実に倍は時間がかかる。
そんなことをしていたら、寝る時間がやってきてしまう。
だからいつもスーパーのお惣菜でテキトーに済ませてしまうのだ。
ビタミン足りないな...
と思いながら。
ブルーなチューズデーの締めくくりに、今日は少し贅沢なお惣菜を買おう。
8個入り500円弱のネギトロ巻きを買うのだ。
私の中のブルーが少しずつグリーンになっていく。
スーパーは大型ショッピングモールの中に入っているから、敷地に入ったとて、実際にはそこに辿り着くまでにそこそこの距離がある。
ショッピングモールにすらまだ到達していない、敷地内のだだっぴろい広場で女性とすれ違う。女性はスマートフォンを操作しながら、「ハァ」と大きな溜息をついた。
自分が今溜息を声に出して言ったことに気づいているのか。
気づいていないのだとしたら、この人もきっと憂鬱な一日だったのだろうと感じた。
みんな、みんな、お疲れ様。
空を見上げると、弧を地上に向けた三日月が在った。日が延びて、空がまだ夕焼けを残していたことで、月の影の部分もうっすらと見えた。そのおかげで、三日月の部分がより際立って光っている。三日月が、今にも目から溢れそうな涙に見えた。
意識を月から自分へと戻す。
ネギトロ巻きを食べて、ゆっくりお風呂に浸かって、今日の自分を労わろう。
そう思った。
私の中のグリーンは、夜空に浮かぶ三日月と同じ黄色に変わった。
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