2021年9月に読んだ本
2021年9月に読んだ本
ちょっとバタバタしてて遅れに遅れた。割に少ない。
1 こだま『いまだ、おしまいの地』
こだまさんの3作目。大泉学園前のブックオフで購入。
異常に読みやすく、面白く読めるのだが、いかんせんゾッとするような生活。おしまいの地でも面白さを見出して生活できるのがすごい。すごいけどやっぱりゾッとする。
2 G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(鼓直訳)
ずっと読んでみたいと思っていた。何度か買おうとしてやめて買おうとしてやめて、結局たしか今野書店(西荻窪)で買ったんだったと思う。
冒頭に家系図が載っているのだが、これが本当に役に立つ。アルカディオとアウレリャノがとにかくたくさん出てくるのだ。ほんと何でおんなじ名前つけるかな。。あと長生きな人と早死にな人がいるのもこんがらがる。え?まだコイツ生きてんの?アイツはとっくの昔に死んだのに?となる。
血気盛んな、というか、血生臭いというか、ラテンアメリカ文学っぽい作品。一読の価値はあるけど他の作品も読みたいとは私はならなかった。
3 香椎かてぃ『新アイドル聖書』/かてぃ『ファッションカルト』
私、かてぃ好きなんですよね。ファッションカルトを新宿の紀伊國屋で、それを読んだ後、新アイドル聖書をAmazonで買った。
まず顔が好き。メイクが好きなんだと思う。特に目のメイク。強さと儚さのアンバランスさが素晴らしい。
4 千葉雅也『思弁的実在論と現代について』
千葉雅也の対談集。吉祥寺・古書防波堤で購入。
第Ⅰ部は哲学者との対談で難しい。私も正直全然わからなかった。第Ⅱ部は哲学以外の分野の人との対談なので、哲学に明るくない人も読めると思う。この本には収録されてないけど最近千葉雅也が宮台真司と対談してたのがすごくよかった。
5 ジェニー・ザン『サワー・ハート』(小澤身和子訳)
大好きなミランダ・ジュライが帯を書いていたので購入。新宿の紀伊國屋。
中華系のアメリカ移民の話。個人的にはミランダ・ジュライの方が破壊的に面白いと思ってしまったが、これからもっと面白い話を書いてくれるんじゃないかと期待できる感じではあった。もしかしたら訳の問題なのかも。岸本佐知子訳で読んでみたい。
6 リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』(藤本和子訳)
大泉学園前のブックオフで購入。
この世界観、嫌い。何かがごっそり欠けていて、何かあったらすぐ崩れそうなのだけど穏やかで安定している、薄暗く生ぬるい風が吹く土曜日、みたいな。大嫌い。登場人物全員嫌い。語り口も嫌い。嫌い。
7 平川綾真智『h-moll』
Twitterで見かけて気になっていたのを紀伊国屋新宿本店で購入。詩集。
面白い。表記・構成が凝ってる。現代詩っぽい現代詩。分かりやすい共感を拒む難解さはありつつもスナック菓子のように食える詩行。止まらない、やめられない、分量もそこそこあるので「ああもう終わっちゃったよ…」とならない。
8 不吉霊二『不吉霊二伝説』『HELLO MY FRIEND』
高円寺で個展をやっていたのでそこへ赴き購入。今回は自費出版とのこと。
前作『あばよ~ベイビーイッツユー』に負けず劣らず今回もめっかわ。彼女が描くヤンキーの純愛のことを本人は「硬派な恋」と表現しており、ああそれが一番ぴったりな表現だ!と思った。「硬派な恋」いいですね。非常にいい。これからも追っていきたい漫画家。
9 ジュンパ・ラヒリ『見知らぬ場所』
大好きなイーユン・リー『千年の祈り』とミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』が受賞しているフランク・オコナ―国際短編賞を受賞していたので購入。
インド系アメリカ移民の話。お話の中で特に何が起こるわけでもないのだけれど、人と人との間に生じる名状しがたい雰囲気の機微を伝えるのが巧みだなと感じた。ドはまりって感じではないが、デビュー作の短編集の方も読んでみようと思った。
9月は少ない。10月も少なめになると思う。正直もっと強烈に面白い作品が読みたい。
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