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島田梢(しまだこずえ) Korean food chef 韓国伝統調理・保存食・発酵食…

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島田梢(しまだこずえ) Korean food chef 韓国伝統調理・保存食・発酵食研究. 韓国の田舎をめぐり生産者さんから教わった素朴で滋味深い韓国のご飯、発酵食と保存食の紹介 Website: https://www.kozueshimada.com/

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  • 韓国の田舎を旅する方法①〜慶尚北道チョンソンの農家さん

  • 韓国の田舎を旅する方法プロローグ

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自己紹介と韓国田舎旅

島田 梢(しまだ こずえ) 日本でもポピュラーな存在となったコチュジャン。 日本語でレシピを検索すると、同じものがないくらい様々な作り方が存在しています。 でも日本で伝えられている作り方は殆どが本来の作り方と違います。 1番の理由は日本では手に入らない食材があるから。 その事をどのくらいの人が知っているんだろう。 基本を知った上でアレンジした作り方をするのと、基本をすっ飛ばして再現性だけを重視してしまうのは、作り方が似ていたとしても本質が全然違う。 胡麻油を使えば「韓国風〇

    • ソウルのホーム スジンとの出会い③

      二日目はサクッと朝ごはんを食べたら京東市場で仕入れ。 この日のソウルは6月だと言うのに30度の暑さ。 肩がちぎれそうになりながら大量の高麗人参、乾燥五味子、桑黄(きのこ)などなど買っていきます。 高麗人参は計っている側からポイポイっとおまけを足してくれて安定の嬉しい悲鳴。 桑黄を待っている間に出してもらった韓方茶の美味しいこと。 普通に麦茶を飲む感覚でこのお茶を飲んでいるんだから、そりゃみんな若々しくてエネルギッシュだよなぁ、と感心する。 市場の何が好きって、ただ物を購入する

      • ソウルのホーム スジンの家との出会い②

        仁川空港から電車を乗り継いで景福宮駅へ。 スーツケースを抱えて地上へ出て、バスに揺られて20分。 最寄りのバス停で降りてビラ(アパートより低い集合住宅)に向かって歩くと川が流れ、昔ながらの小さな商店が正面にある。 まだバスを降りて数秒だけど、もうこの場所好きだな、と感じる。 後から知ったけど、こちらのレトロ商店は色々なドラマや映画の撮影で使われているそう。 その商店のすぐ横でニコニコとこちらに手を降っている女性がいる。 バスの中で連絡をしておいたスジンのお姉さんだ。 スジン

        • ソウルのホーム スジンの家との出会い①

          さてさて。 前回の出張から5ヶ月経った2018年6月。 またまた買い出し出張へ。 この時の私はソウルのような都会に宿泊する事に疲れていたので、少し郊外に泊まろうかな、と毎度お馴染みair bnbで宿探しをしていたのです。 場所によっては、あわよくば日帰りでちょろっと地方に行けるかも…なんて考えもありつつ。 そんな時にパッと目についたのがスジンの家。 写真の感じも置いてある伝統家具の感じも今まで見た家とは違う雰囲気。 おしゃれなんだけど、キメすぎてない。 女性のみ、もしくはカッ

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        自己紹介と韓国田舎旅

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        • 韓国の田舎を旅する方法プロローグ
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        記事

          2年の間

          おかしいな。 気がついたら最後の投稿から2年近くが経ってしまいました。 いつまでもプロローグのままで全然田舎旅が始まらへん状態です。 それでも、フォローして下さる方がいたり、いいねをつけて下さる方がいて、本当にありがたい限りです。 一昨年の5月に妊娠が発覚した時。 きっと家で過ごす時間が増えるだろうから、一気に旅の記録を書き上げてしまおうと思ったけど、保護した猫親子の世話、意外とやる事が多い仕事、突然襲ってくる凄まじい眠気。 あっという間に時間が経ち、昨年の1月に出産した赤

          2年の間

          ソウルのホーム スジンの家との出会い〜プロローグ

          2017年12月 初めての韓国農家滞在から約2ヶ月後、私は再び韓国にいました。 と、言っても食材調達の出張なのでソウルに3泊だけ。 今回も宿泊はAirbnbで。 立地と家の雰囲気、質問への返信の速さと高麗人参を風呂場で洗ってもOK、と言う事で今回はマポにある家に決定。 夕方に到着しセルフチェックインで1人家に入り荷物を置いたら、料理家の先生に教えてもらったお店で「私日本に住んでたんですよ〜」と話す店主にうんうん相槌を打ちながら牡蠣ピビンバに舌鼓を打つ。 隣もお一人様の女性

          ソウルのホーム スジンの家との出会い〜プロローグ

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜帰国日

          いつも通り朝起きて、みんなでアジュンマの作ってくれた朝ごはんを食べる。 帰国日はチュソクの1日目。 バスで空港まで行こうと思っていたけど「大邱方面の親戚の家に行くから空港まで送ってあげるよ」との事なのでアジョッシとアジュンマのお言葉に甘える事に。 みんなと少しでも長く一緒に居られるのが嬉しい。 飛行機は午前11時大邱空港発なので9時前には着きたいと言うと、そんなに早く着かなくても大丈夫だとアジョッシ…。 若干不安に思いながら私はスーツケースとリュックに無理やり増えてしまっ

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜帰国日

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節③〜最後の晩餐とチョンソンのマ・ドンソク

          ウーフは基本的に1日の労働時間が6時間と決められています。 アジョッシは割とこのルールに忠実で、午前3時間午後3時間のスケジュールで作業をしていました。 この日はチュソク前日で町は完全に休日モード。 午後の作業は少し早く終わり、みんなで映画を観ることに。 韓国語のわからないアイリーンでも見られそうな映画というわけで「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観る事に。 原題は「부산행(釜山行き)」 日本でもヒットした韓国のゾンビパニック映画ですね。 映画を見終わった後の私たちの感

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節③〜最後の晩餐とチョンソンのマ・ドンソク

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節②〜帰国前日

          チュソクだからと言って農作物達は待ってくれません。 特に秋は収穫の季節。 この日も午前中は真っ赤になった唐辛子と唐辛子の葉の収穫。 自分たちが収穫した唐辛子で作った唐辛子粉を少し売って欲しいと交渉したところ、頑張ったんだからプレゼントであげると言って頂きありがたく頂戴して、帰国後白菜の季節を待ってキムチにしました。 この写真を見て「本当に韓国の農家に嫁に行ってしまいそうだ」と言った友達…。 ここから乾燥作業。 頂いた唐辛子粉。甘味と旨味がしっかりしていて美味しい。 色

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節②〜帰国前日

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節①〜

          韓国の重要な名節の一つチュソク。 チュソクとは旧暦のお盆の事で、旧暦の8月15日と前後1日が祝日となります。 家族が故郷に集まりお墓参りをしたり、ご馳走を用意したり、チュソク前後は故郷へ帰る人が大勢いるので民族大移動なんて言われたり…。 と、言うとなんだか良いものの様に聞こえるのですが、ソルナル(正月)同様、食事の準備をする女性達は本当に大変。 私が訪れていたこの時期はちょうどチュソク直前。 アジョッシの家でもアジュンマと義理の妹さんがせっせと大量の料理を準備しています。

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節①〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ②

          気持ちいい秋の空気の中でゆったりと山道を歩いていると、そこに憧れの注山池(チュサンチ)が現れました。 写真だとただの池にしか見えない、っていうか実際ただの池なんですけど、あの、映画で見た憧れの注山池だ…!と、しばし池を見ながら喜びの余韻に浸っていました。 お寺のセットはあの辺かなぁ、などと想像しながらじっくりと池を堪能し、周王山へと移動する事にしました。 とのかく規模が大きいので、注山池の駐車場から20分ほど離れた周王山の駐車場に移動します。 周王山の麓には食堂が何軒

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ②

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ①

          ウーフコリアのサイトには、各ホストのページに簡単な周辺の観光地リストも載っています。 チョンソンに行く事が決まった後に何気なくウーフページを見ていたら、周辺情報に周王山(チュワンサン)の文字が… 「周王山ってあの周王山?」と思って地図で調べると、紛れもなくあの周王山です。 いつか必ず訪れてみたいと思っていた、あの周王山! 今は亡きキム・ギドク監督の「春夏秋冬そして春」と言う映画を初めて観たのはアメリカでした。 どうやら凄い映画らしいと言う事でDVDを借りて観たのですが、こん

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ①

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・タバンとは?

          チョンソンに来てからずっと気になっていたことがあります。 アジョッシのお店がある、この地域の中心地にはやたら「다방(タバン)」と書かれた看板が多い事。 中を覗き込もうにも、窓は薄暗くて中が見えない。 農学のお姉さん達とさよならし、車に乗り込み家に戻ろとした時、急にエスターが 「タバンて沢山看板見るけど、あれ何ですか?」 と、アジョッシに聞きました。 「おぉ!私も疑問に思ってた!」 と、すかさず私も乗っかり二人揃って「タバンて何!?」と騒いでいると、アジョッシは笑いながらひょ

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・タバンとは?

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・パンアッカンと農楽〜

          へタを取った大量の唐辛子達はパンアッカン(방앗간)と言う場所に持って行きます。 パンアッカンとは、唐辛子を持ち込み唐辛子粉にしてもらう他、米を持ち込み米粉、エゴマや胡麻を持ち込みエゴマ油やごま油などにしてもらう場所です。 韓国では11月から12月にかけてキムチをまとめて大量に作るキムジャンが始まります。 キムチ作りに欠かせない唐辛子粉はこの時期に新物の唐辛子から作られるのです。 秋は秋夕(チュソク)と言う大きなイベントもあります。 チュソクは旧暦のお盆で、韓国ではお正月と並

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・パンアッカンと農楽〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・おばあちゃんの乱入〜

          作業をしているとエスターが恐れていた珍客の乱入が。 近所のおばあさん二人がシニアカートを押しながらスタスタやって来ます。 エスターは何度かこのおばあさん達から「うちの息子(50代)と結婚しろ!」と言われていたのですが、エスターが乗り気じゃないので(当たり前)新入りの私とアイリーンを見かけてこちらへやって来たのです。 「外国人の嫁は嫌みたいだからアイリーンは大丈夫」 とエスターが言うので、おばあさんから「どこから来た?」と聞かれたら「日本です」と答え、おばあさんも「ふーん日

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・おばあちゃんの乱入〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜

          さて、ホストと奥さんの事をなんと呼べばいいものか。 韓国では目上の人に対して「名前+さん」と言う呼び方は失礼な行為です。 エスターはホストの事は「ホスト」、奥さんの事は「あの〜」とか言ってごにょごにょ誤魔化しながらハッキリと呼ばないスタイルらしい。 アイリーンは「Mr.キム」「Mrs.キム」 私はどうしようかと考えた結果、二人がお互いをそう呼び合っているので「アジョッシ(おじさん)」「アジュンマ(おばさん)」と呼ぶ事にしました。 朝は7時に起床。 アジュンマが用意してくれた

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜