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島田梢(しまだこずえ) Korean food chef 韓国伝統調理・保存食・発酵食…

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島田梢(しまだこずえ) Korean food chef 韓国伝統調理・保存食・発酵食研究. 韓国の田舎をめぐり生産者さんから教わった素朴で滋味深い韓国のご飯、発酵食と保存食の紹介 Website: https://www.kozueshimada.com/

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  • 韓国の田舎を旅する方法①〜慶尚北道チョンソンの農家さん

  • 韓国の田舎を旅する方法プロローグ

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自己紹介と韓国田舎旅

島田 梢(しまだ こずえ) 日本でもポピュラーな存在となったコチュジャン。 日本語でレシピを検索すると、同じものがないくらい様々な作り方が存在しています。 でも日本で伝えられている作り方は殆どが本来の作り方と違います。 1番の理由は日本では手に入らない食材があるから。 その事をどのくらいの人が知っているんだろう。 基本を知った上でアレンジした作り方をするのと、基本をすっ飛ばして再現性だけを重視してしまうのは、作り方が似ていたとしても本質が全然違う。 胡麻油を使えば「韓国風〇

    • ソウルのホーム スジンの家との出会い〜プロローグ

      2017年12月 初めての韓国農家滞在から約2ヶ月後、私は再び韓国にいました。 と、言っても食材調達の出張なのでソウルに3泊だけ。 今回も宿泊はAirbnbで。 立地と家の雰囲気、質問への返信の速さと高麗人参を風呂場で洗ってもOK、と言う事で今回はマポにある家に決定。 夕方に到着しセルフチェックインで1人家に入り荷物を置いたら、料理家の先生に教えてもらったお店で「私日本に住んでたんですよ〜」と話す店主にうんうん相槌を打ちながら牡蠣ピビンバに舌鼓を打つ。 隣もお一人様の女性

      • 韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜帰国日

        いつも通り朝起きて、みんなでアジュンマの作ってくれた朝ごはんを食べる。 帰国日はチュソクの1日目。 バスで空港まで行こうと思っていたけど「大邱方面の親戚の家に行くから空港まで送ってあげるよ」との事なのでアジョッシとアジュンマのお言葉に甘える事に。 みんなと少しでも長く一緒に居られるのが嬉しい。 飛行機は午前11時大邱空港発なので9時前には着きたいと言うと、そんなに早く着かなくても大丈夫だとアジョッシ…。 若干不安に思いながら私はスーツケースとリュックに無理やり増えてしまっ

        • 韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節③〜最後の晩餐とチョンソンのマ・ドンソク

          ウーフは基本的に1日の労働時間が6時間と決められています。 アジョッシは割とこのルールに忠実で、午前3時間午後3時間のスケジュールで作業をしていました。 この日はチュソク前日で町は完全に休日モード。 午後の作業は少し早く終わり、みんなで映画を観ることに。 韓国語のわからないアイリーンでも見られそうな映画というわけで「新感染 ファイナル・エクスプレス」を観る事に。 原題は「부산행(釜山行き)」 日本でもヒットした韓国のゾンビパニック映画ですね。 映画を見終わった後の私たちの感

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        • 韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜帰国日

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        • 韓国の田舎を旅する方法①〜慶尚北道チョンソンの農家さん
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          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節②〜帰国前日

          チュソクだからと言って農作物達は待ってくれません。 特に秋は収穫の季節。 この日も午前中は真っ赤になった唐辛子と唐辛子の葉の収穫。 自分たちが収穫した唐辛子で作った唐辛子粉を少し売って欲しいと交渉したところ、頑張ったんだからプレゼントであげると言って頂きありがたく頂戴して、帰国後白菜の季節を待ってキムチにしました。 この写真を見て「本当に韓国の農家に嫁に行ってしまいそうだ」と言った友達…。 ここから乾燥作業。 頂いた唐辛子粉。甘味と旨味がしっかりしていて美味しい。 色

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節②〜帰国前日

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節①〜

          韓国の重要な名節の一つチュソク。 チュソクとは旧暦のお盆の事で、旧暦の8月15日と前後1日が祝日となります。 家族が故郷に集まりお墓参りをしたり、ご馳走を用意したり、チュソク前後は故郷へ帰る人が大勢いるので民族大移動なんて言われたり…。 と、言うとなんだか良いものの様に聞こえるのですが、ソルナル(正月)同様、食事の準備をする女性達は本当に大変。 私が訪れていたこの時期はちょうどチュソク直前。 アジョッシの家でもアジュンマと義理の妹さんがせっせと大量の料理を準備しています。

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜チュソクの季節①〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ②

          気持ちいい秋の空気の中でゆったりと山道を歩いていると、そこに憧れの注山池(チュサンチ)が現れました。 写真だとただの池にしか見えない、っていうか実際ただの池なんですけど、あの、映画で見た憧れの注山池だ…!と、しばし池を見ながら喜びの余韻に浸っていました。 お寺のセットはあの辺かなぁ、などと想像しながらじっくりと池を堪能し、周王山へと移動する事にしました。 とのかく規模が大きいので、注山池の駐車場から20分ほど離れた周王山の駐車場に移動します。 周王山の麓には食堂が何軒

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ②

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ①

          ウーフコリアのサイトには、各ホストのページに簡単な周辺の観光地リストも載っています。 チョンソンに行く事が決まった後に何気なくウーフページを見ていたら、周辺情報に周王山(チュワンサン)の文字が… 「周王山ってあの周王山?」と思って地図で調べると、紛れもなくあの周王山です。 いつか必ず訪れてみたいと思っていた、あの周王山! 今は亡きキム・ギドク監督の「春夏秋冬そして春」と言う映画を初めて観たのはアメリカでした。 どうやら凄い映画らしいと言う事でDVDを借りて観たのですが、こん

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・超個人的夢の地へ①

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・タバンとは?

          チョンソンに来てからずっと気になっていたことがあります。 アジョッシのお店がある、この地域の中心地にはやたら「다방(タバン)」と書かれた看板が多い事。 中を覗き込もうにも、窓は薄暗くて中が見えない。 農学のお姉さん達とさよならし、車に乗り込み家に戻ろとした時、急にエスターが 「タバンて沢山看板見るけど、あれ何ですか?」 と、アジョッシに聞きました。 「おぉ!私も疑問に思ってた!」 と、すかさず私も乗っかり二人揃って「タバンて何!?」と騒いでいると、アジョッシは笑いながらひょ

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・タバンとは?

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・パンアッカンと農楽〜

          へタを取った大量の唐辛子達はパンアッカン(방앗간)と言う場所に持って行きます。 パンアッカンとは、唐辛子を持ち込み唐辛子粉にしてもらう他、米を持ち込み米粉、エゴマや胡麻を持ち込みエゴマ油やごま油などにしてもらう場所です。 韓国では11月から12月にかけてキムチをまとめて大量に作るキムジャンが始まります。 キムチ作りに欠かせない唐辛子粉はこの時期に新物の唐辛子から作られるのです。 秋は秋夕(チュソク)と言う大きなイベントもあります。 チュソクは旧暦のお盆で、韓国ではお正月と並

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・パンアッカンと農楽〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・おばあちゃんの乱入〜

          作業をしているとエスターが恐れていた珍客の乱入が。 近所のおばあさん二人がシニアカートを押しながらスタスタやって来ます。 エスターは何度かこのおばあさん達から「うちの息子(50代)と結婚しろ!」と言われていたのですが、エスターが乗り気じゃないので(当たり前)新入りの私とアイリーンを見かけてこちらへやって来たのです。 「外国人の嫁は嫌みたいだからアイリーンは大丈夫」 とエスターが言うので、おばあさんから「どこから来た?」と聞かれたら「日本です」と答え、おばあさんも「ふーん日

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん・おばあちゃんの乱入〜

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜

          さて、ホストと奥さんの事をなんと呼べばいいものか。 韓国では目上の人に対して「名前+さん」と言う呼び方は失礼な行為です。 エスターはホストの事は「ホスト」、奥さんの事は「あの〜」とか言ってごにょごにょ誤魔化しながらハッキリと呼ばないスタイルらしい。 アイリーンは「Mr.キム」「Mrs.キム」 私はどうしようかと考えた結果、二人がお互いをそう呼び合っているので「アジョッシ(おじさん)」「アジュンマ(おばさん)」と呼ぶ事にしました。 朝は7時に起床。 アジュンマが用意してくれた

          韓国の田舎を旅する方法〜慶尚北道チョンソンの農家さん〜

          韓国の田舎を旅する方法〜旅する女性達

          バス停でホストと一緒に待っていた白人女性はアイリーン。 アムステルダム在住のシェフです。 彼女がいる事は事前に聞かされていました。 アイリーンも同じ日の午後に着いたばかり。 バス停の近くにあるホストのレストランへ3人で歩きながら移動します。 「店にも在米韓国人のウーファーが一人待っているよ。」 と説明を受けているうちにすぐお店に到着。 因みに日本で生まれ育った韓国ルーツの人は在日韓国人と言いますよね。 韓国語では「재일교포(ジェイル ギョッポ)」 在米韓国人は「재미교포(ジ

          韓国の田舎を旅する方法〜旅する女性達

          韓国の田舎を旅する方法〜初めましてホスト様

          3階のチケット売り場へ行き時刻掲示板を見てみるけど、ファモク行きの時刻表は出ていない。 よく分からないので窓口でファモク行きのチケットを下さいと言い、無事17時半出発のバスのチケットを購入。 この時点で16時50分。 ホストにチケットの写真を送ります。無事17時半のバスに間に合いましたよ、と言う意味で。 すぐに返信があり 「それではファモクには19時5分到着だね。」 と。 9月下旬なのに暑かった大邱。 トロット(韓国の演歌)が流れるバスの中からボーッと外を見続けていました。

          韓国の田舎を旅する方法〜初めましてホスト様

          韓国の田舎を旅する方法〜初めての韓国田舎旅〜出発から到着

          2017年9月28日。 出発の日。 大邱国際空港には16時25分着。 東大邱バスターミナルで乗りたいバスは17時半。 空港からバスターミナルまではタクシーで15分〜20分。 なんとも微妙な時間配分。 1週間なら服少なくてもいいかな?靴下も下着も洗濯すればいいか。 と、言うわけで、一番小さなスーツケースで機内持ち込みにして時間を節約する事にしました。 成田からのフライト時間は1時間50分。 大邱国際空港には少し早く16時10分には到着。 空港が小さいのでイミグレーションの時間

          韓国の田舎を旅する方法〜初めての韓国田舎旅〜出発から到着

          韓国の田舎を旅する方法〜受ける側から受け入れられる側へ②

          基本的にホストの場所へは自力で向かいます。 ウーフのホームページにディレクションと地図が載ってはいるのですが、必ずしもそれが自分に一番合った行き方とは限りません。 色々な国や都市からウーファーが来る事を前提にしているので、案内の殆どがソウル出発が基準になっています。 目的地は赤丸。 ウーフのサイトに書かれている行き方はソウル(青丸)からピンが立っている「東大邱(トンテグ)バースタミナル」へ行き、バスを乗り換え赤丸まで行くと言うもの。 ただ地図を見る限り釜山(黄色丸)からの方

          韓国の田舎を旅する方法〜受ける側から受け入れられる側へ②