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編集者的飲食マーケティング考

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元「アリガット」編集長、「フードスタジアム」編集主幹の身体を張ったリサーチ日記。飲食マーケットの“NEXT”を発信。「ネオ大衆酒場」生みの親。ネオ酒場コラムニスト。
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記事一覧

「居酒屋JAPAN」大阪で講演!
テーマは、リサーチで驚いた店10「おどろきTEN(店)」

「居酒屋JAPAN」大阪で講演! テーマは、リサーチで驚いた店10「おどろきTEN(店)」

2020年2月5日、「居酒屋JAPAN」大阪会場で講演した。今日の講演テーマは、いつもの飲食トレンドものではなく、「おどろTEN(店)」と題し、最近のリサーチで驚いた店を10店舗挙げるという内容だった。

振り返ってみよう。
10位〜300種類のハイボールを出す浅草橋の店。
9位〜100種類のお茶割りを出す店。学大からスタートし、最近一気に2店舗オープン!
これらは、TTP(徹底的にパクる)か

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焼酎新時代の到来と「クラフト焼酎」

note再開の反響が大きい。私のいまのアウトプットツールはFacebookファーストだ。Facebookは人気が落ちたとはいえ、実名で実名の(リアルな)業界人たちに発信できる貴重な媒体だと思っている。私の場合は、日記とメモ帳&取材ノート代りみたいなもので、現場でリアルタイムにアップするから投稿数は半端ない。加えて、キュレーター(編集者の目)的に、これは大事だと感じたタイムラインの投稿をシェアしてい

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「ネオ酒場」から「ハイコンセプト酒場」への流れは必然だ!

久しぶりにnoteを開いた。フードスタジアムの編集長を退いてから、公に発表するコラムは書かなくなった。しかし、ときどきアウトプット欲が出てきて、Facebook以外の書き物をしたくなる。そんな動機にかられて、新しいキーワード「ハイコンセプト酒場」について書いてみました。このコラムは某ビールメーカーに毎月提出しているマーケティングレポートからの再録です。ネオ酒場がどんどん進化してきています。

私が

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「専門店化時代」が定着してきた!

牡蠣に雲丹に魚卵、フォアグラ...とキラーコンテンツ食材の「専門店」を前面に打ち出した居酒屋や酒場、バルが増えている。顧客からすれば「何屋かわかりやすい」、店側からすれば「売れ筋メニュー」を軸にオペレーションしやすいというメリットがある。

蟹やうにを前面に!札幌で話題の繁盛店「居酒屋にほんいち」。同店の売りは、「かにぶっかけだし巻き卵」。だし巻き卵の上に、客がストップをかけるまで蟹の身を盛るパフ

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「大人の酒場」が増えている!

最近、ちょっとアッパーだが、こだわりの感じられる「大人の酒場」に注目が集まっている。雑誌『BRUTUS』の「おいしい酒場」特集に続き、『dancyu』が「酒場はどこだ?」特集号を発売。いずれも大人のための酒場案内"である。いまなぜ、「大人の酒場」なのか...。

「おいしい酒場七カ条」とは…
『BRUTUS』の酒場特集は、「おいしい酒場七カ条」として、以下のポイントをあげている。「その店で選んだ基

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経営者は「ストーリーテラー」たれ!

目下の私のリサーチテーマは、「飲食店における価値観とは何か?」を徹底的に追求すること。そして、「EAT GOOD」(生産者、飲食店、顧客の“イイ関係”を築いていく店)を探すこと。「顧客価値」を提案し、生産者と顧客をつなぐイイ関係を築くには、「物語」づくりが不可欠である。

「物ではなく、物語を売れ!」いまマーケティングの分野では、「物を売るな、物語を売れ!」という言葉が注目されています。ストーリー

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「イートグッド」時代が到来する!

2015年6月のコラムで、私は「イートグッド時代が到来する!」と書いた。「イートグッド」とは、生産者と食材の大事さを共有し、それを飲食店を通じてお客様に真面目に美味しく、楽しく提供しようというコンセプト。このコラムを書いて以来、「イートグッド」的な店がじわじわと増えている。イートグッドな店が点から線へ、面へと広がり、外食のあり方を変え、時代を動かす日が来るに違いない。昨日は、その「イートグッド」と

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「飲食トレンド」と飲食店経営者のあり方

私は飲食トレンドの分析や予測をずっと行ってきたが、ますます「業態トレンド」だけではマーケットの動向を先読みできない不透明な時代に入ってきたような気がする。表に現れる現象だけを見ていては勝てない。その現象の底流にある時代の構造的変化、人々の心の変化を見極めなければならない。

トレンドを読む5つのキーワード私がかつてある雑誌に寄稿した「トレンド予測」に関する原稿で、以下の5点のキーワードを取り上げた

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外食業界にも「エクスペリエンス」の発想を!

これは、2010年11月に私が書いたコラムである。いま、商業マーケティングの分野で「エクスマ」という考え方がもてはやされているが、私は6年前に外食業界にも「エクスペリエンスの発想を!」と提言した。

「これまでなかった体験」を提供する外食業界不振に関するニュースが相変わらず多い。均一価格"に代表される低価格路線が限界に来ているのだろう。もう安いだけの店には、魅力を感じない。高付加価値路線に舵を切り

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いま求められる「3つのキーワード」

いまの飲食マーケットの軸になるキーワードは何か?私は毎年、年末年始に2週間〜1ケ月ほど日本を離れ、アジアを旅しながらいろいろと考えることにしている。日本から離れて東京の飲食マーケットを冷静に見たいからた。そして、考えるのは、あまりにも業態の“尖がり競争"に走り過ぎるということ。原点に回帰し、食と飲食店の本来のあり方を追求することが必要ではないか。

業態の“尖り競争”は続かない業態の“尖り競争”と

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“個性が当たり前”「ノームコア」の時代が来た!

キーワードとして登場した「ノームコア」。米国のファッション業界から発信された用語で、「ノーマル」と「ハードコア」をミックスした言葉だ。見た目はシンプルだが、その中には強い個性を感じる。そんな飲食店がいま増えている。

「普通の普通」では生き残れない「ノームコア(normcore)」の意味は、見た目は普通のファッションだが、着る人の強いこだわりが感じられるスタイルのこと。いまそのスタイルが、確実に飲

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昨日のお通しが茶碗蒸しだった件。
お通しは万人ウケしながらも、その店のオリジナリティ、クオリティが一発でわかるものがいい。あれこれ出さず、気をてらわず、お客様の心に響くものを。それができないなら、出さない方がいい…。

空洞化する「居酒屋業態」と「ネオ居酒屋」の可能性

「居酒屋の空洞化」は、私が飲食業界に向けて発信している持論である。それはワタミを代表とする大手チェーンの「総合居酒屋業態」が不振に陥り、あげくの果てに低価格競争という消耗戦でお客さんから見放されてしまった。効率主義を追求する「居酒屋」、ありきたりの「居酒屋」はすでに過去の遺物だ。「居酒屋」の再生はどうすればいいのだろうか…?

居酒屋業態の“二極化”「Wikipedia」によると、「居酒屋とは、酒

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「酒場マーケット」の復権が始まった!

大衆酒場マーケットの拡大が止まらない。流行りに乗るのではなく、独自のマーケティング力と業態開発力で、現代風の大衆酒場(ネオ大衆酒場)をオープンさせる新鋭経営者が増えている。大衆酒場を知り尽くした、あるいは熱心に研修しているデザイナーとオーナーがタッグを組んでつくりあげた「現代の古典酒場」に注目したい。

クラフトビールが飲める大衆酒場蒲田駅西口。ドンキホーテの裏、下町の風情を残す通りにプロダクトオ

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