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年賀状、ちょっと寂しく切なくて

「なんとなく日が延びた気がするなぁ。」
「うん、そうだねー。」
「冬至の前は、この時間はもう暗くなっていた気がするねー。」
「まだ明るいよね。」
「この前、冬至だったけど、毎日ちゃんと少しずつ日が延びているんだ。」
「春に向かっているんだよ!」
皆、うんうん頷きます。

「じゃあ ひとっ走り行ってくるよー。」
「お願いねー。」
「合点承知之助!」

こざるちゃんが りこちゃん語録で返事をします。
出来上がった年賀状をポストに投函しにいくのです。
すぐ近くの郵便局のところのポストは夕方5時過ぎに集荷があります。

「年賀状は、ぼく達の分もあるけれど、りこちゃんの知り合いに出すものが多いんだよ。」
「りこちゃんと同い年くらいの友人や、もう少し年上の人もいるし、りこちゃんより ずっと年下の若い人もいるんだよ。」
「高齢の人は もう年賀状を書けない人もいるけれど、皆、年賀状を楽しみに待っているんだ。」

そんなわけで、こざる達は年賀状作りを頑張ります。

「今年も、もう出さない人もいるね。」

出しても受けとれない人、遠くへ旅立ってしまった人です。

「もういないんだって、改めて気がつくんだ。」

年賀状を書くこの時期、もう存在しないのだと実感して寂しくなります。
リストから削除するのを ためらい、もう少し残しておこうかと思ったりします。

「行ってきまーす!」
こざるちゃんが年賀状を抱えて、桜並木を通ってポストへ向かいます。

ラジオから、悲しく切ない歌が聴こえてきます。

「Hello my friend 君に恋した夏があったね
みじかくて 気まぐれな夏だった
Destiny 君はとっくに知っていたよね
戻れない安らぎもあるとこを Ah…
悲しくて 悲しくて 帰り道探した
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて」

松任谷由実の『Hello, my friend』です。

こざる達は、静かに聴いています。

「悲しくて 悲しくて 君の名を呼んでも
めぐり来ぬ あの夏の日 君を失くしてから
淋しくて 淋しくて 君のことを想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
湿度が下がって、乾燥していますので、水分補給をこまめにして ご自愛ください。
よい毎日でありますように (^_^)

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