見出し画像

苦手なのか、ただ慣れていないだけなのかを区別する

「私、面接は苦手なんです」

キャリアコンサルタントの仕事の一つに、面接対策も含まれています。何も変に着飾ったり理論武装したりするようなことを指すわけではありません。
実態以上に大きく見せるというよりは、実態がちゃんとそのまま伝わるように。魅力が魅力として企業に受け取ってもらえるように。出力の仕方によって実態よりも小さく映らないように、と思ってサポートをしています。

面接対策の冒頭には、苦手なんですと伝えてくれる人が少なくありません。
苦手だというので、どれくらい面接の経験があるかと尋ねると、実は転職活動始めたてでまだ面接を受けてないだとか、新卒以来で10数年ぶりだといった回答が返ってきたりします。私はさらにこう返します。

「それでは苦手というよりも、ただ慣れていないだけかもしれませんね、大丈夫です。まずは私と疑似体験して慣れていきましょう」

うまくいかなかったこと、あるいはこれからうまくいきそうにないことを取り上げて、苦手だ、できない、難しい、などと口にする人がいます。

もしかしたらそれは、文脈によっては、謙虚だったり予防線だったりの意味合いかもしれませんが、私はそれを聞くといつも「判断が早いかもな」と思います。

どうやら私は、苦手かどうか見極める判断が人よりもずいぶん遅い人間みたいです。

物事がうまくいかない理由は様々ですが、別に難しいことでなくても、パターンを知らなかっただけでつまずいてしまうこともよくあります。
どうも私の周りで「苦手だ」と表現する人の話を聞いていると、このケースもかなり多く見受けられます。

パターンを知らないから失敗したのであって、能力の問題でも、資質の問題でも、性格の問題でもなんでもないわけです。

ただ、慣れてなかった。それだけです。

「苦手なんです」と口にする時に、自尊心が高まる人はいないでしょう。どちらかと言うと自分に対する負の暗示として作用します。

だから、私はおすすめします。
苦手だと言いたくなったら、少しその判断を遅らせてみましょう。本当に苦手だと判明するまでの間は「ただ慣れてないだけ」だと考えましょう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?