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転職エージェント、相性が良い属性の転職者だけを担当するわけにはいかない問題

以前、転職エージェントのマネージャーをしていました。

節目で、どんな転職決定があったのか、メンバーごとに振り返るのですが、けっこう個人差があって面白いです。

極端な例ですが、「20代で初めて転職をする人」のサポートが得意(つまり転職決定が多い)人もいれば、「50〜60代の高年収層」のサポートが得意な人もいます。

実はこれってなかなか奥の深い話で、50〜60代のサポートが得意なキャリアアドバイザーに対して、じゃあその年代の人ばかりを担当させたら売り上げが上がるのかというと、意外とそうでもないんですよね。

べつにその年代だから転職決定ができる、なんて単純な話ではなくて、年齢以外にも経験や人柄や志向性など数多くの複合的な要素があるわけです。そんななかでたまたま50〜60代の転職決定がある期間で多かった、というだけだったりもするんです。

だから、担当する転職希望者の属性をあまりに偏らせるのは、マネージャーとしてはなかなかリスキーな選択になりがちです。

またモチベーションの問題もあります。ずっと似たような属性の転職希望者ばかりをサポートし続けるのは、キャリアアドバイザー自身のキャリアとして広がりがありません。

加えて、もし、ある属性の人が転職決定しやすいとなれば、キャリアアドバイザーは誰だってその属性を担当したくなります。そのため、売り上げになりやすい転職希望者を、特定のメンバーに偏らせて担当させてしまうと、不公平だなんだという不満の素になります。(マネージャーから言えば、そんな明らかに"おいしい"転職希望者なんていないし、不公平なんてないんですけどね)

そんなわけで、メンバーの得意不得意の傾向をなんとなく掴みながらも、緩やかに傾斜をかけて担当割り振りをする、くらいのゆるっとした対応が現実的なところです。

ちなみに、私がなぜか得意な層は、30〜40代の女性でした。家事育児と並行してまじめに仕事に取り組んできたものの、年収がそこまで高くないせいで他社の転職エージェントで丁寧に扱われていなかったのかもしれません。

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