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「非公開求人が多数あります」が意味すること

転職エージェント会社のサイトを見ると、非公開求人がまだまだたくさんあることを謳った文句がよく書いてあります。おそらく「他にもまだまだ求人があるから一度登録してみて!」と言いたいのでしょう。

ただ以前、転職中の複数の方から
「非公開求人って、公開されてる求人と何か違うんですか?」
「なんで公開しないんですか?」
「登録したら全部の求人が見れるんですか?」
と聞かれたことがあり、非公開求人に関する疑問が意外と多いようでした。

今回、転職エージェントの立場から個人的な解釈で解説してみます。(社内の誰からも教えてもらったことはないので)


まず、「なぜ非公開にするのか」について、企業判断の場合と、エージェント判断の場合があります。

企業判断というのは、企業から非公開にしてほしいと言われたということです。
背景は様々で、副社長や事業部長クラスの重要なポストだとか、社内にまだ発表していない退職者の補充採用だとか。もし自社の社員の目に触れたら困ってしまうという理由です

その他には、同業他社に募集を知られたくないとか、営業電話が嫌だ(中途採用をしていると分かれば人材会社からの営業電話が増える)とかもあります。

エージェント判断の場合は、企業への確認をサボったの一言に尽きます。

本当は、基本的に転職エージェント会社は求人を公開にしたいんです。求人を見て応募したい人が登録してくれることもありますから。(しかもそういう人は転職意欲が高くて希望もはっきりしているので、比較的労力がかからずに決定しやすいというエージェントにとって嬉しい人材です)

ただ、求人票をつくる度に「この求人は公開にしていいですか?」と確認するのは面倒で、実は企業の採用担当も面倒そうにすることもあります。だから、非公開にしておくのです。

また求人票の文言は、企業から指定される場合もありますが、各エージェントがヒアリング情報をもとに書くこともけっこう多いです。これもまたいちいち企業にチェックしてもらうのは面倒ですし、企業側もしかりです。

企業は結局のところ、マッチした人材を紹介してくれさえすればいいので、エージェントがどんな求人票にアレンジしようが、さほど気にしないケースも多いのです。(別のケースで、ある外資企業では求人票の文言は本国で承認されたものしか認められずに、アレンジは一切不可でした。このへんの緩さは企業によります)

うろ覚えですが法律上だったか、あるいは紹介事業者の監査項目上だったか、ともかく求人票は最終的に企業がチェックしたものでなければならないというルールです。

でも現実的には、企業とエージェントの担当者同士の信頼関係のなかで、スムーズに仕事を進められる範囲で、なあなあにルール運用されていることもあるのです。


非公開求人だから希少な案件かというと、必ずしもそうではないです。

非公開求人の多さを謳っている転職エージェント会社よりも、公開求人の割合がちゃんと多い転職エージェント会社のほうが、私にはしっかりした会社だなと思えます。

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