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長い正式名称

 4月から中小企業にも義務を課すパワハラ防止法の正式名称を昨日の読売新聞『編集手帳』で知りました。「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」というそうです。な、な、な、長い、、、。そのうえどこにも「パワハラ」という文字がない。。。「パワハラ防止法」の正式名称とは思えません。クリストファークロスのニューヨークシティ・セレナーデの原題がArthur's Theme (Best That You Can Do)なんと同じくらいわかりにくい。こっちもニューヨークシティもセレナーデも出てこない。本場ニューヨークへ行って現地の人たちとクリストファークロスの話になって「ニューヨークシティ・セレナーデが好き」と言っても全く通じないんですよね。いっそ悲しいセレナーデ。

 長さはスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを思い出させます。こんなもん、つっかえずに言うのは絶対無理やろうと思ってたんですが、この曲をカバーした平原綾香がなんの苦労もなくスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスと曲紹介したのを聞いたときは感動しました。その道の人はつっかえないんですよね。つっかえないからその道に進めたのか、それともその道を選んでからつっかえなくなったのか。矢沢永吉や長渕剛のファンの方たちがあんな感じになるのは、あんな感じの人たちがファンになるのか、ファンになってからあんな感じになるのか、どっちなのかと昔考えたことがあるのを思い出しました。

 パワハラに関しては厚生労働省が何がパワハラにあたるかを例示する指針を公表しているそうですが、何がパワハラになるかなんて当事者にしかわかりませんから「これとこれがパワハラです」と例示してしまうのはかえって危ないんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう。セクハラもそうでしょう。一律に「これがハラスメントです」と決めてしまうのは「これはハラスメントではありません」と決めてしまうのと同じです。受けた側の感触としてハラスメントか否かは変わるわけで、それは周囲には分からないように巧妙に仕組まれたものだったりしますから、ハラスメント体質の上司にとっては厚生労働省が線引きをしたことによって、むしろパワハラしやすくなる、ということはあり得ない話では無いと思う。めんどうでもまわりくどくてもなんでも、こういう人対人の問題はしっかりと人対人の問題として扱わないと、人対仕組みの対決になってしまい、本質的解決に至らなくなります。パワハラ認定されてパワハラ体質の上司が法によって裁かれることでめでたしめでたしなのではなく、パワハラがなくなることが本来の目的なのだから、ひょっとすると法に裁かれることによって本質的解決が不可能になってしまう、ということも無い話では無いんじゃないかと思うんですが、そんなことはないですか。

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